ケガ予防に繋がる三連関節の考え方とは?

みなさん、こんにちは。

トレーナーのみなさん、「三連関節」という言葉と聞いたことがありますか?

三連関節は、あらゆる症状の施術をするために覚えておきたい理論であり、
施術の順序の見立てを立てるヒントになるかと思います。

カラダラボ式コンディショニング百科事典

身体には、多くの関節が存在しています。

手首、肘、肩甲骨、股関節、膝、足首、、、

三連関節とは、どこを指すでしょう。
どこか一か所を指しているわけではありません。

では、どの部分を指すのでしょうか。

上肢の場合:肩甲骨 - 肘 - 手首
下肢の場合:股関節 - 膝 - 足首

このように、上肢・下肢それぞれの3つの関節の繋がりを指します。

そして、各3つの関節が、インナーマッスル・腱・靭帯によって繋ぎ止められているのです。

三連関節の理論を活かしたコンディショニング

三連関節はつながりが強いと考えられています。

例えば、、、

股関節が痛くなれば、膝・足首も不調になります。
肩甲骨が痛くなれば、肘・手首も不調になります。

仲良し団子三兄弟のような感じです。

この考え方は施術方法の見立てに役立ちます。

「膝」が痛い患者さんがいた場合、
まずは根本の「股関節」の状態をチェック(関節の可動域の確認)をするのは、
施術をするうえで見立てを立てる定石であります。

膝の内側側副靱帯損傷(断裂)の原因は、
股関節内旋の可動域の低下であり、
それはお尻の横にある「中臀筋の硬化」による内旋可動域の制限からきているのです。

どのようにして、
股関節内旋の可動域の低さから、
膝の負傷に至ってしまうのか考えてみましょう。

例えば、右の股関節を「45°」内旋し、左に重心移動しようとしているとします。
この時、動く人の股関節は「40°」しか内旋できないこととします。
すると、動かしたい「45°」から、動かすことができる「40°」を差し引くと、
その差異である「5°」は膝が負担して内旋することになります。

[ 45°(動かしたい角度) - 40°(動かすことしかできない角度) = 5°(膝が動きを負担する角度)]

本来は股関節の回旋可動域の範囲内で動かすことができるところ、
保有する可動域が足りず、その差異の「5°」が可動域のほぼない膝で回旋し、
負担を強いられてしまうのです。

結果的に、内側側副靱帯を損傷・断裂するということになってしまうのです。

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