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【ハイライト解説】東京V染野唯月のゴールシーンをふりかえる

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どうも、ゼロファジです!

サッカー観戦術入門講座『やわらかフットボール』でお伝えしている知識を使って、ハイライトシーンを読み解いていこう!というハイライト解説企画。その第一弾として、今回は東京VvsFC東京の試合の中から、東京Vの2点目のゴールとなった染野選手のゴールシーンをふりかえってみたいと思います。

『やわらかフットボール』の知識を使うと、こういう話し方ができますよ!というサンプルとしてお楽しみいただけたらなと思いますので、よろしくおねがいします。なお、シーンを再現してお話を進めていきますので、実際の試合を見る必要はありませんのでご安心ください。

まず、シーンのスタートを確認しましょう。

32:40


ヴェルディのスローインからシーンがスタートしています。当たり前ですが、ヴェルディがボールを持っているので、ヴェルディは「運ぶ」をやりたい。一方のFC東京は「防ぐ」をしつつ、どっかで「奪う」をやりたい。このような構図でシーンは始まっています。

32:42


スローインの結果うまく味方に渡らずボールはFC東京に渡ります。ここでFC東京の「奪う」が成立していますよね。ヴェルディは逆にこの瞬間から「防ぐ」をやらないといけません。FC東京がボールを奪った位置は「低い」ので、ヴェルディのコートに入るまでまだ距離があります。

FC東京が攻撃を完成させるには、
STEP1:ヴェルディコートに入る
STEP2:ヴェルディコート内でチャンスを作る
STEP3:ゴールを決める

このような手順をたどる必要があります。まずは、相手コートにボールを運ぶ。そこが第一の目標と見ておいてOKです。

32:44


ところが、パスが思うように前線に届かずFC東京はここで「奪う」をされてしまいます。すると、今度はヴェルディが「運ぶ」番になり、攻守交替が起こります。残念ながらFC東京はヴェルディのコートまでボールを運べなかったので、攻撃のSTEP1をクリアできませんでした。

それと同時に、ヴェルディはFC東京コート内で「奪う」を成功させたので、ボールを手に入れて時点でFC東京コートに入っていますあたりまえだけど。つまり、ここで奪えたことで相手コートに入るという攻撃のSTEP1は自動的にクリアしています。

攻撃のSTEP2はチャンスを作る なので、ヴェルディとしてはシュートを打つ・クロスを上げる・ラストパスを送るいずれかのアクションを起こして攻撃を完成させたい。

32:48


ヴェルディはそのままタテにパスを送って「運ぶ」をやっていきます。そしてココ!この32:48の時点で、左サイドでヴェルディの選手が「前向き」を作っています。前にボールを運ぶためドリブルするにせよ、パスするにせよ、進行方向に背中を向けていては不可能です。ですから、いかにして前向きを作り、前にプレーできるかどうか?が「運ぶ」では超重要です。こういう瞬間を見逃しちゃうともったいないので注意深く見抜いていきたい。


一方のFC東京は、先ほど「運ぶ!」となったときに中盤の選手が前に移動したこともあってか、最終ラインに人はいるもののそのまえにややスペースが空いています。ここピッチの中央なのでレッドカーペット。フリーで侵入されるとかなり嫌なところです。

攻撃はパーのイメージ、守備はグーのイメージからすると、FC東京はまだパーからグーへの移行が完了しておらず守備陣形が整っていない状態だと言っていいでしょう。予期していない形で「奪う」をされるとこういうことが起こりやすいですね。

32:52


ところが、ヴェルディのミスパスがあって再度FC東京がボールを「奪う」ことに成功します。ヴェルディは攻撃のSTEP2を完了することができずに再び「防ぐ」「奪う」へと移行していきます。

32:54


ところがまたしてもFC東京は攻撃のSTEP1をクリアできずに、自分たちのコートの中でボールを失ってしまいます。先ほども言いましたが、ここでヴェルディが奪えば相手コートに侵入した状態から攻撃をスタート出来ます。


さらに、FC東京は「運ぶ」のために選手が前に行こうとしていました。攻撃はパーのイメージですね。したがって、ボールを失った直後はこのようにスペースがふんだんにあり、守備陣形は乱れています。さきほども言いましたが予期していないタイミングで「奪う」をされてしまったので、即座に対応する時間があまりないんですよね。したがって、どうしても守備を整えるのが難しい。

32:56

ボールを奪った宮原選手も当然「前向き」ですよね。したがってそのままドリブルでボールを運び、狙いすましたクロスを送ります。これにて、東京Vの攻撃のSTEP2は完了。少なくとも攻撃の形は作れた、というところです。あとは決めるところ。一方のFC東京は守備のSTEP2:チャンスを作らせない
を達成することができませんでした。

ちなみに、このクロスの時点でヴェルディの前線の選手が走り込んだので、FC東京の守備の選手がマークせざるを得ず結果的に染野選手がフリーに。ボックス内で「前向き」がこうして作れた、と。あとは、見事すぎるボレーを蹴り込んでヴェルディが攻撃のSTEP3をクリアした!というシーンでした。



ということで見事な染野選手のボレーを『やわらかフットボール』で振り返ってみました。サッカー観戦入門講座『やわらかフットボール』では専門的なややこしい言葉を極力使わずにサッカーを自分の言葉にできるような概念や用語を紹介しています。今年の第2期は、5月9日から開講しますので興味のある方のご参加をお待ちしております。以下に、講座の概要と第1期の初回無料ライブの動画を貼り付けておきますので、ぜひチェックしてみてください!


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