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家を買おうか考え始めた時に知っておいて欲しい、賃料とローン返済の性質の違い

家は買ったほうがいいのか、借りた方がいいのか。よく記事で目にする内容ですが、賃貸か購入かは、その人の価値感によるものですので、どちらが正解ということはないというのが、私の考えです。

住みたい地域に、気に入った家があったなら、賃貸募集中であれば借りればいいし、売却中であれば買えばいいしという考えです。

賃貸か購入かで相談に見える方にも、同じように回答しているのですが、1点だけ、考えるヒントとして、お伝えしていることがあります。

それは、家を維持するための毎月の費用(賃貸なら賃料、購入なら住宅ローン返済額)の性質の違いです。

賃料と住宅ローン返済額の「金額の比較」で判断することも間違いではありませんが、もうひとつ「性質の違い」を理解しておくことで、よりご自身にあった、回答が導けるかと思いますので、必ずお伝えするようにしています。

賃料と住宅ローン返済額の性質の違い

手元に戻ってくる可能性がある支払いがあるかどうか

賃料と住宅ローン返済の大きな違いは、元金です。

それぞれの内訳をみると、
・賃料は、賃料(共益費や管理費を含む)。
・住宅ローン返済額は、元金と利息
となります。

賃料は大家さんに支払い、住宅ローン返済額は銀行に支払います。

元金

元金は、借りたお金です。

3,000万円借りたら、3,000万円。
5,000万円借りたら、5,000万円。
8,000万円借りたら、8,000万円。
その一部を、毎月利息と合わせて返済していきます。

この元金は、いつかは、ご自身の手元に戻ってくるものです。

元金が手元に戻ってくるとき

元金が手元に戻ってくるとき、それは、物件を売却したときです。
毎月元金を支払うことによって、借りている額は減っていきます。

物件を売却するときに、ローンの残高(残債ともいいます)より高く売れたら、その分が手元に戻ってくることになります。
※分かりやすくするため、売却時の手数料等は考慮していません。

当然のことですが、残債より低い金額でしか売れなければ、手元に戻ってくることはなく、逆に、手元からお金を出さなければ、売却はできません。

賃料は、手元には戻ってきません

賃料は、支払った後、戻ってくることはありません。
大家さんに支払ったら、大家さんのお金になり、ご自身の手元には戻ってきません。

10年後,20年後の売却額と残債を考えてみる

賃料の性質と住宅ローン返済額の性質について比べてみました。

まとめると、
・賃料は絶対に戻ってこないお金。
・住宅ローン返済は、いつかは手元に戻ってくるお金。

賃貸がよいのか購入がよいのかを比べる時に、支払額の多寡だけで比較するのではなく、10年後、20年後に手元に残るお金について比べてみると良いでしょう。

5,000万円を金利0.675%、期間35年で借りた場合の毎月の返済額と10年後、20年後の残債を算出しました。

5,000万円を金利0.675% 期間35年で借りた場合の10年後の残債
5,000万円を金利0.675% 期間35年で借りた場合の20年後の残債

きちんと支払っていけるか考えるのも大事

ここで比べたのは、賃料とローン返済の金額のみです。

住まいを維持していく費用は、賃貸は賃料以外にも、入居時の初期費用や、更新時の諸費用があり、購入は、ローン返済以外にも管理費修繕積立金、固都税、購入時の諸費用があります。(設備が壊れた時の修繕費も自己負担です。)

考え方のひとつとして、10年後・20年後に手元に残るお金での比較をしましたが、10年後・20年後もローン返済を滞りなく行い、所有していることが前提の話です。

○年後の残債だけでなく、毎月無理なく支払っていけるか検討することも大事です。

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