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映画感想2023

78
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#キャスティング良し

映画感想『ベネデッタ』

原題「BENEDETTA」 ◆あらすじ◆ 17世紀、ペシアの町。聖母マリアと対話し奇蹟を起こすとされる少女ベネデッタは、6歳で出家してテアティノ修道院に入る。純粋無垢なまま成人した彼女は、修道院に逃げ込んできた若い女性バルトロメアを助け、秘密の関係を深めていく。そんな中、ベネデッタは聖痕を受けてイエスの花嫁になったとみなされ、新たな修道院長に就任。民衆から聖女と崇められ強大な権力を手にするが……。 ※鬼才ポール・ヴァーホーヴェン監督が、17世紀に女性同志の同性愛で告発され

映画感想『シャイロックの子供たち』

◆あらすじ◆ メガバンク・東京第一銀行の長原支店で現金紛失事件が発生する。お客様係の西木は、濡れ衣を着せられた部下の愛理やその後輩の田端とともに真相を突き止めるべく調査に乗り出す。しかし、そこに待ち受けていたのは、出世コースから外れた支店長やパワハラ上司の副支店長をはじめとする曲者揃いの銀行員たちと、横領や隠ぺい工作、不正融資といった不祥事の数々だったのだが…。 まぁタイトル通り凄く解り易い作品だったなぁ。 「ヴェニスの商人」の解釈重要! プロットの構成、展開もだけど人

映画感想『別れる決心』

原題「韓:헤어질 결심/英:DECISION TO LEAVE」 ◆あらすじ◆ 生真面目な刑事ヘジュンは、男が山で転落死した事件を捜査していて被害者の妻で中国人のソレと出会う。取り調べが進む中で、夫の死にも平然としているソレへの疑いを強めるが、同時にそんな彼女の毅然とした態度に思いがけず惹かれていく。一方ソレもまた、折り目正しいヘジュンに特別な感情を抱き始めるのだったが…。 観終わった後の心境は実に複雑だ。 取り敢えず「あ゙あ゙ッーーーーーー!」と叫びたい気分だった。

映画感想『バビロン』

原題「BABYLON」 ◆あらすじ◆ 映画産業が急成長する中、量産されるサイレント映画が莫大な富を生み出していた1920年代のハリウッド。毎晩のように開かれる豪華なパーティの主役は、サイレント映画の大スター、ジャック・コンラッド。そんな贅を尽くした規格外のパーティに潜り込んだのは、映画スターを夢見る怖いもの知らずの新進女優のネリー。彼女はそこで映画製作を夢見るメキシコ移民の青年マニーと出会い意気投合。ネリーが映画関係者の目に留まりハリウッドデビューのチャンスを掴む一方、マニ

映画感想『エゴイスト』

◆あらすじ◆ 14歳で母を亡くし、田舎町でゲイであることを隠して思春期を過ごしてきた浩輔。大人になり、東京で自由気ままな日々を送る彼は、女手一つで育ててくれた母を支えながらパーソナルトレーナーとして働く青年・龍太と出会う。やがて2人は惹かれ合うようになり、時には龍太の母も交えながら、親密な時間を過ごしていくのだったが…。 原作未読。 映像の造りがドキュメンタリータッチで観てるうちになんだか錯覚に陥りそうになった。 それ程役者達が入り込んで演じたとも言えるだろう。 接写多

映画感想『仕掛人・藤枝梅安』

◆あらすじ◆ 腕の良い鍼医者として知られた品川台町の藤枝梅安には、"蔓"と呼ばれる裏家業の元締めから金をもらって殺しを実行する"仕掛人"という裏の顔があった。ある日、梅安は料理屋・万七の内儀おみの仕掛を依頼される。実は、3年前にも万七の前の女房おしずを仕掛けていた梅安。やがて依頼人の身元を探るのは仕掛人の掟に反すると知りながらも、おしず殺しのいきさつが気になってしまうのだったが…。 「こういうの観たかったんだよね~」って声がそこここから聞こえてきそうだ。 正統派だけど "

映画感想『イニシェリン島の精霊』

原題:「THE BANSHEES OF INISHERIN」 ◆あらすじ◆ 1923年、アイルランドの孤島"イニシェリン島"。島民全員が顔見知りののどかな島で、純朴な男パードリックと音楽家で飲み仲間のコルムは、長年友情を育んできた親友同士。ところがある日、パードリックはコルムから一方的に絶縁を宣言されてしまう。理由もわからず激しく動揺するパードリック。許してもらおうとしつこく話しかけるも、余計にコルムを怒らせてしまい、ついには衝撃の宣告をされてしまうパードリックだったが…。