Starlinkの導入で点と点が線になったお話

今年のはじめに能登半島で起きた地震や、ここのところ千葉沖で続いていたスロースリップ地震に思うところあって(Ankerのセールもあって)色々防災用品を買い増ししたんですよ。大きめのポータブル電源とかソーラーパネルとか。
その延長で万一通信インフラが断絶したときのBCPをどうするか、と思った3秒後にはStarlinkアンテナを注文していた。ROAMなら使う時までプランを休止しておけるし…という言い訳を用意しつつ、単に前から欲しかったけど手が出せなかったおもちゃを買う理由が見つかっただけとも言える。

そして今日そのアンテナが届いて驚いた。まず何で驚いたかといえば公式で買うと(日本国内の代理店とか上海やシンガポールあたりの物流ハブじゃなくて)カリフォルニアから薄い化粧箱のままDHLで届く。輸送用の外箱など存在しない。
合理的と言えば合理的だけど緩衝材も超簡素。紙器だけで保護フィルムやエアキャップなどあるはずもなし…AppleとかSonyの人が見たら泡吹いて卒倒しそうな勢い。もしかしたらこの簡素な梱包で破損させないために恐ろしく高度な設計やテストをしているのかもしれないけれど、たぶん中学生がメルカリで物を売ってももう少し丁寧にパッキングすると思う。アンテナを取り出したら紙器の削りカスがまあまあ出てくるもの。

そして金属製の台座にゴム足がついていない問題。さすがに潔すぎる。
屋外利用が前提とはいえウッドデッキだったり室内で組み立てたときに床をイワすでしょうこれは。
Space Xの人達は宇宙より先にいちど床へ目を向けて頂きたい。きっと御社の社長さんはそういうところを気にしないでしょうから。
この手の歯がゆさ、Teslaのクルマでも割とあるんだろうなあ…という気が。

仕方なしにサードパーティ製品を探すにも全然見つからず。AmazonはなくともAliExpressあたりなら…とタカを括ってはいたものの全然ない。
いずれGoProぐらいコモディティ化すれば出てくるんだろうけどそれはまだだいぶ先か…。

さすがに諦めて養生テープをグルグル巻きにしようとしたところでPrintableへゴム足のモデリングデータを上げている神を発見した。
これにはすごく感動した。地球上のどこかに自分と同じフラストレーションを抱えた結果、自前で3Dモデルを起こして配布してやろうというヤツがいたことに。

すごい。10年ぐらい前に「MAKERS: 21世紀の産業革命が始まる」で読んだ未来だこれ。OSSも3Dプリントもうっすら関わったり使ったりしてきたけれどようやく10年経ってあの本が言わんとすることを理解した。
こういうニッチすぎる問題の解決を積み重ね続けると世界は少しずつ良くなるんだろうな…と思ったね。これは本当に。

つまりは誰かがこの問題は解決してくれたからお前は他の問題を解けということですよ。そしてその解を世にもたらせということ、あるいはその解をもたらすためのプラットフォームを作ると言うこと。それはまるでDEATH STRANDINGのように。
下手すりゃ昼にアンテナが届いた時よりも感動したかもしれない。人類すげえ…Starlinkのせいで最近世界とか人類とかそういう巨大な主語を使いがちな気もするけれど。

で、ゴム足はと言えば早速落としてきたデータをFusion 360で少し弄ってdmm.makeでプリント発注した。
もちろんまだキチンと嵌まるかどうか分かりもしないので、とりあえずモデルそのものには手を入れずに1ファイルのなかで4つに複製して座標を調整しておく。
このサイズでも硬質シリコンで単品4点個別に発注するとフローリングは保護できてもおサイフは保護されないお値段になるので…。

肝心のStarlinkといえば発注したゴム足が届き次第、屋外で通信テストを実施する予定。お互い3m圏内にいるにも関わらず衛星経由で通話するとかそういうバカな遊びで盛り上がりたい。
第二弾を書くかどうかは自分の忙しさと感動の度合いによりますが、きっと次は(物理的に)点と点が線になるはず


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