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2021年9月の記事一覧

本の周辺などつらつら1300文字

秋なんで本読みのことなどつらつらと 今迄どのくらいの本を読んだのだろうと思った というのはツイッターでおよそ100冊の分量の写真を見たから 自分の本棚に照らすとおよそ本棚にあるのは1000冊足らず 漫画も含めて それをすべて読んだかというとそれはない 積ん読はおおいし 難しい本はほぼ持っていない 見返すと いわゆる90年代サブカルチャーの本が多いのに今更驚いた  廊下にほとんど読んでいない本の二列が立っている ヘミングウェイ短編集の新潮版3完本が青く光る 仕事辞めて時間

村田紗耶香「殺人出産」図書推薦文

村田紗耶香「殺人出産」図書推薦文 この本に収録された諸篇はいずれも「仮の世界」の話であり 現実とは違うものだが 現在を下敷きとした思考実験に基づく「全く違う現実」もっというならば「ディストピア(ユートピアとは反対の世界)」というべき世界が描かれている  では表題作「殺人出産」 その世界とはどのようなものか 人口の減少により人間の生と性が国家に管理された世界だ 生殖行為としての恋愛や性交は古い概念となり 人工授精が生殖の主流である さらにそこでは人口を増やすための報酬とし

午前中いっぱいのわが町の旅2

通りのはずれは以前は川べりの道まで建物が詰まっていたが、今は少し開けている。 そこに恐らく以前からある神社が立っていた。 神社の前はアスファルト敷きに白い線を引いた駐車場なのかその跡なのか車は一台も止まっていなかった。水天宮と鳥居の上に掲げられていて安産の神なのかと思ったが、遊郭と安産の取り合わせが少し奇妙に思えた。 さらに奥に行くと近頃建てられたと思われる立派で近代的な社があり、その前に何体かのとりどりの前掛けを付けた地蔵がお守りのように並んでいた。 駐車場には石碑や手水石

午前中いっぱいのわが町の旅1

娘が授業で使うスマホアプリが、スマホが古くて入らないという。 特別にタブレットを貸してあげようと先生に言われ、なんだそれみっともねぇと妻と娘の機種変更予約。ついでなのでついていくことにした。 ドコモの店員は感じのいいお嬢さんが多いので少し話でもして浮かれようかと思いきや当てが外れて午前中いっぱいのわが町の旅に出る。 というのも、何気なく動画を覗いていたところ、わが町にある横丁とかつてあった遊郭のことが映し出されてきたのだが、その遊郭のあたりには仲の良かった友人の家があり、多

夏の自転車2

江戸川大橋の袂は、水上バイクの施設のようになっているのは知らなかった。ここの取水はいろいろな魚のポイントになっている。ユーチューブで知った。 シーバス、ナマズ、ハクレン、ニゴイ、そしてウナギ! しかし、昼間はサーフ系の感じ(どんな感じか)の男女がたくさん居て、竿を出すのは難しそうだ。が、夜には釣り人が集まってきそうだ。自分だけのポイントというのは、なかなか難しそうだが、これだけ大きく長い川なので釣り試していけば見つかるのだろう。そこまで入れ込むつもりも今はない。ここまでく

夏の自転車

夏の自転車 無職の移動手段と言えばなんと言っても自転車だろう。 私の場合はすこし狡をして電動アシストだが、江戸川を国道六号線から河口へと下り、篠崎のあたりまで行って戻ってきた。 行きは千葉県、帰りは東京都。 行きの千葉県は以前の無職の時や若い頃仕事の鬱屈を抱えて走った道より、随分と整備され、あぜ道のようだったのがきちんと舗装されていた。河川敷のゴルフ場があり、暑い中何組かゴルフをしている年輩者がいた。白いポロシャツに褐色の手足や顔が伸びていた。ゴルフ三昧なのだろうか。