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わたしはいま、雲の上にいる。

わたしはいま、雲の上にいる。
雲の上にいるから、空には雲一つない。
上から見る雲は、ぼこぼこしていたり、ファサファサしていたり、ファッサーっとしていたり、もりもりしていたり、ごりごりしていたりする。

気象のなんたらを全くわからないわたしにはこの雲たちが下の世界におとす天気がどうなってるのかわからないけれど、地球ってすごいなぁなんて幼児並みの感想しかもてないけど、そんなこんなで空の旅を満喫している。

実はいま、10年ぶりに、ひとりで東京にむかっている。
夫に子どもたちを任せて、自分の喜びのために東京にいく。
それがたくさんの人にお世話の上で成り立っていることの重さを感じつつも、こんなふうに自分の衝動に素直に動けることはこどもを授かって10年間なかったことなので、とてもありがたく、自然に手を合わせてしまう。

夫にとっては、4人のこどもを一人でみるというのはやはり楽なことではなかろう(わたしは毎日やってるけどね。)と思い、肉じゃがと、鶏と大根と卵の煮物と、ロールキャベツを作ってきた。

ついでに、本当は、最近、夫に妻らしい優しさを向けていなかったことを反省したのでバレンタイン用のチョコケーキを作ろうと思っていたけど、時間が足りなかった。

夫には、日頃あまり買わないいいチョコレートを準備しようかとも思ったけど、横文字もわからない(プジョーPEUGEOTを「ペウゲオット」とよぶほど)彼にとってはどこかで舶来品のチョコを買うよりも、作る手間をかけたほうがきっと日頃の感謝も伝わるし、喜んで食べてもらえるだろうなと思って手作りすることにして、夫のぶんは買わなかった。

でも、こどもたちと、友人のおうちの息子さん(日頃とってもお世話になってるお礼に。)には、市販品でもいいかと買っておいた。
バレンタインに、とうちの子どもたちと友人にはチョコを渡した。

結局、夫には、なにもない。

朝、みんなの前で、他愛もなく、「おかーちゃんから昨日もらったバレンタインのチョコ、たべていい?」と兄へ相談する弟。
それを聞いて、寂しいともうらやましいともなんとも言わない、妻からやさしさが享受されないことが日常になった、夫。

日頃の感謝を伝えるつもりが、逆に3倍増で子どもへの愛と夫への愛に差が出た事象を生んでしまった。
まことに残念。

ほんとはケーキ作りたかったんだけどごめんねっていうほうがいいか、でもそれもついでっぽくて言い訳がましくてちょっとアレかな、その自問自答の結果、なにも彼に伝えなかった。

つまり、ここに残ったのは、「市販品だろうが愛の一つの形としてバレンタインにチョコをもらったこどもたち(と他人の息子)」と、「手をかける方法を選ばれはしたが、結果的に市販品のチョコすらもらえないどころかバレンタインにすら触れられない夫婦」という、なんとも、世知辛い結果だけ。

夫婦のコミュニケーションって、面と向かって大事な相談をすることより、こういう小さなことが大事よね。

一人旅の身軽さについて書こうと思ったら、いつの間にか夫婦の在り方について、の話になってしまった。

とにかく、最初は快くではなさそうだったけど、まぁいってらっしゃい、という感じで送り出してくれただんなさま、ありがとう。
洗濯はたぶんしない、もしかしたら洗濯物を出さないようにするためにお風呂にも入らないかもしれないけど、送り出してくれただけで感謝します。

日曜の夜のゴミ出しはしてくれるかな?とか、こどもたちは洗って干してる上靴を忘れずにもっていけるかな?とか、心配です。

水筒のパッキンをいつも外して乾かしてるけど、だれも外れてることに気づかなくて水がダダ漏れしそうだからぎゅっとはめてきた。
タオルも、足りなくならないように、全部乾燥機にかけてきた。
こどもたちが飲んでる薬もセットしてきた。
各所におられる関係各位の友人たちへも、わたしがいない間(土曜の昼〜月曜の朝まで)に想定されるご迷惑についてご協力いただいて、旅立てる。

本当にいろんな協力をえて、わたしが自分の「好き」に正直に動ける時間を頂いていることに深く感謝します。

と同時に、女の人が家を空けるときにやる、様々な準備や手配や気配りの数々、男性の皆様にはできますか?週末出張に行くとき、好きな時間にシャワーをあびて、作ってあるご飯を食べ、自分の身支度をして、自分に必要なだけの荷物を持って、駅まで送ってもらってますけど、逆だったらできますか?

と、問いたい。

っとまぁ感謝を述べるつもりが、問題提起に終結した、久々の投稿。

もうすぐ、江戸に着陸します。

スカイマークでもらったキットカットチョコ、おいしかった。
でも、ネスレ社はコートジボワールで子どもたちを奴隷のような扱いでチョコレート農園で仕事させてるんだよなぁって、結局ぼーっとできないフライトでした。

愛してるよ、だんなさま。

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