📚49_365冊目📚

反応しない練習
草薙　龍瞬

〜どんな悩みも解決できるシンプルな“考え方”がある〜

人はどんな悩みを抱えているのか？
・いつもの生活に追われて、余裕がない
・今の仕事に満足していない。
・先のことを考えると不安になる。
・嫌なことや失敗が重なって、落ち込んでる。
・人間関係でストレスを感じている。

これらの悩みは全て “心の反応” から始まっている。

１）出来事や事象を見る
２）心が反応する
３）怒りや悲しみなどの感情が発生する

２）の反応を止めることで、感情をコントロールすることができ、心の余裕が生まれる。

○ “悩み” を無くそうとしない。理解する。
「悩み」は生きている以上、起きて当然。
それらに不安を感じず、悩みを理解して解決することができると考えることが第一歩。

悩みには「理由」があり、「解決策」が必ずあると理解する。

苦しみの原因は “執着” にある。

人間は “求める心” によって “７つの欲求” を抱えている。
１） 生存欲（生きたい）
２） 睡眠欲（寝たい）
３） 食欲（食べたい）
４） 性欲（交わりたい）
５） 怠惰欲（ラクをしたい）
６） 感楽欲（音やビジュアルなどの快楽を楽しみたい）
７） 承認欲（認められたい）

心が反応し、感情が揺さぶられている時は、反応の原因を理解しようとする。
それだけで、随分と自分を俯瞰して、冷静に考えることができる。

〜 心の状態を「キチンと」見る 〜
１）動作や感情を言葉にする
２）感覚を鋭敏に捉える
３）頭の中の状態を把握する
・貪欲⇨求め過ぎて、渇望している状態
・怒り⇨不満や不安に反応し、イライラしている状態
・妄想⇨現実から離れ過ぎた、自分が作り出した想像に心を乱されている

ブッダの教えは「ある」ものを「ある」とシンプルに、客観的に捉える “ニュートラル” な視点である。

〜 無駄に判断をしない 〜
人は多くのことを判断し、そこからストレスや不安を感じている。

判断をすることで、「わかったフリ」が出来て、気持ち良い。
判断することで「認められた気持ち」になる。⇦承認欲求を満たせる。

〜 人は３つの執着によって苦しむ 〜
１）何かを得たいという執着
２）得たものを失いたくないという執着
３）苦痛と感じているものを手放したいという執着

現実とは常に「無常」。変わりゆくものである。

〜 慢という病気に気をつけよう 〜
「自分は偉い」「優れているはずだ」「自分は正しい」と考えてしまう心理。

「自分は正しい」という思い込みは絶対に捨てて、真実と相手の利益のためを思って行動しよう。

〜 つい「判断」してしまう反応からの卒業 〜
１） 判断したことを自覚する
２） 自分は自分と考える
３） いっそのこと「素直」になってみる⇦心の方向性を決めて、流れに身を任せる

〜 自分を否定しない。どんな時も 〜
自己否定（不快）から生まれる反応は２つ
１）攻撃（自分または他人への破壊衝動）
２）逃避（現実から目を背ける）
※「何とかしないと」という思考が、新たな不快を生み、怒りを増長させる事になる

〜 「自由な心」を取り戻すためのエクササイズ〜
１）一歩、一歩と外を歩く⇦五感がキャッチする情報と自分の反応に目を向ける
２）広い世界を見渡す⇦イライラする相手ばかり見てしまっているので、豊かな人、優しい人、魅力的な場所などを見る
３）私は私を肯定する⇦ありのままの自分を認めてあげて、自己肯定感を高める

「自信」は出来る見通しが立った時に、初めて持てるもの

〜 マイナスの感情で損しない 〜
感情をめぐる悩みは大きく２つに分けて考える
１）不快な感情が湧かないようにする。湧いてしまった感情は、早めに解消する。
２）相手とどう関わるかを考える

「感情」は自分サイド
「関わり方」は相手の出方次第で変化する

相手の罵声や攻撃は受け取らないが正解。
反応しなければ、相手は自分で咀嚼するしか無くなる

自分と相手は全く違う脳を持っているのだから、
自分の考えと相手の考えが合わないのは当たり前
相手の反応は全て相手に委ねて、行動をコントロールしようとしない

反応しないために「心の半分は前（相手側）に、残り半分は自分側に使う」
前の心で相手を理解する
自分側の心は、受け取った言葉や体験に対する自分の反応を感じ取る。

〜 相手との関わり方について 〜
基本原則は以下の通り
１）相手を判断しない
２）過去は忘れる
３）相手を新しい人として見る
４）「理解し合う」ことを目的とする
５）「関わりのゴール」を見る

人間は「快」と「不快」のどちらかを常に生きている
幸せになりたいなら、「快」の反応を大切に
不幸せになりたくないなら、「不快」な反応に縛られないこと

「快」の反応を大切にするために、欲は求めれば良い。
我慢して、苦痛に耐えて、「不快」な反応に縛られていても、苦しいだけだ。

「他人」からの評価が気になる人は、承認欲求に縛られている

「他人からの評価」は所詮「妄想」の産物

「妄想は確かめようがない」から「放っておく」のが一番

“怒り”を「結生」させないように
⇨結生してしまった怒りは、ことあるごとに心の反応に顔を出し、不快を与える

“怒り”をどうしても収められないなら、怒りの源から距離を置く

「比較する」ことは、非常に不合理な行動である
１） 自分の状況は変わらない
２） 常に優位に立っていないと不安を感じる
３） バーチャルな妄想の話なので、手応えはない

“承認欲” は動機に使用するべきで、それそのものを得ることが目的になってはいけない

「正しい努力」とは、自分の基準を満たすために行動する様子
誰かに認められるのは、結果であり、あなた自身にコントロールできる事象ではないので、指標にするべきではない。

〜 競争のカラクリを理解せよ 〜
競争は “貪欲” が生み出している。
生命を維持するから、承認を求めるに移行した段階で、他社と比較し、地位や名誉を勝ち取ることが目的となる。
自分に必要な物は幾らなのか、本当に大切な物は何であるかを理解してプロセスを楽しもう。

バーチャルな数字を競い続けるラットレースに完全な勝利は存在しない
ルールを変えて、自分が満足できる競争に参加しよう

「心の内側を見ず、外の世界ばかりに囚われている人は、欲望に流される。
　心の内と外の世界、両方を見て、煩悩に覆われないクリアな心を持てば、自由で平穏に
　生きられる。」

人間関係をまあるく収める４つの心
【慈】相手を慈しみ、相手のために行動しよう
【悲】相手の悲しみ、苦しみを理解しよう
【喜】相手の喜びを素直に受け止めよう
【捨】固執せず、依存せず、中立心を持って、手放そう

価値のある人生を送るために気をつける “５つの妨げ”
１）快楽を求める心
２）怒り
３）やる気の出ない心
４）そわそわと落ち着かない心
５）疑い

これらは必ず人を襲ってくるので、小さな穴を見落とさず「漏れ」が出ないように注意して過ごそう。

自分の心に正しい「よりどころ」を作る
辛い時は、まず自分を頼れ