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いのちが喜ぶ、「軽井沢禅的リトリート」参加者のご感想 VOL.1

久雄さん・裕紀子さんご夫妻インタビュー

軽井沢禅的リトリートの第1回目(2023年3月3日(金)~5日(日))にご参加頂いた久雄さんと、プログラムを久雄さんに薦めて下さった奥様の裕紀子さんにお話を伺いました。

左から、久雄さん、裕紀子さん、小森谷浩志さん

ファイア後に起こった夫の変化

久雄さんは昨年、お爺様の代から続いてきたご自分の会社を売却され、時間にも心にも余裕が出来、第2の人生を謳歌している……はずなのですが、裕紀子さんに映る久雄さんは何だか元気がなくなっていくようで……。

裕紀子さん
「最初は家にいて毎日家事を一緒にやってくれて、子どもたちや自分との時間も増えていいな、と思っていたのですが、結局毎日同じことの繰り返しじゃないですか。今まで会社のトップを張ってきた夫には刺激がなくなってきたのか、だんだん主人の表情が曇って、顔色まで悪くなってきたような感じがして心配していました。
丁度その頃、友人がこのプログラムを立ち上げ、内容を聞いて自分が行きたい! と、思ったのですが、いやいや、行くべきは今の夫の方だと思い、彼に薦めてみたのです。」

久雄さん
「祖父が立ち上げ、父が社長だった会社で、一般社員として大学卒業後から働いていたのですが、私が38歳の時に父が末期癌になり急遽社長に就任しました。
当時はもちろん右も左も分からない状況でしたし、自分が社長業をやりたいとも思っていなかったのですが、従業員やその家族のことを思うと投げ出す訳にはいかず、そこから昨年までの十数年間は無我夢中で走り続けた感じですね。
それで昨年、やっと自由な立場になり時間も出来たので、どこかに籠ってこれからの自分探しをしようと思っていたところ、妻から今回のプログラムのことを聞きました。
自分一人で山籠もりしても何も出てきそうもなかったので、参加してみようと思いました。2泊3日という期間も、参加者が8名という小規模な人数も丁度よかったと思います。」

ご自身にとってトランジションとなるタイミングで、「軽井沢禅的リトリート」へ参加してくださった久雄さん。

リトリートから戻ってきた夫の姿に妻は……。

奥様の勧めで参加した久雄さんですが、軽井沢から帰ってきた久雄さんの変化に裕紀子さんは驚愕したそうです。

裕紀子さん
まず、見た目が全然違うので驚きました。えっ?同一人物?って言うくらいです。薄黒かった顔が透明感のある、つるんとした顔になって、表情も明るくなり、憑き物が取れるってこういうことなのかと思いました。
それから会話も、言葉の一つ一つに重みがあって、心の奥底から出てくる言葉だと感じました。私との会話が「共鳴」している、いや「響鳴」している、とまで思いました。
今まで饒舌な方ではなかったですが、この軽井沢での出来事の話は尽きないようで、私もその場にいるような臨場感を覚えましたし、こんなにイキイキと話をする彼を私は初めて見ました。私は送り出した立場でしたが、自分にも返ってきたものがあったように思えて、送り出してよかったと心から思います。」

久雄さん
「一緒にプログラムを受けた初対面の仲間からも初日の印象と最終日、3日目の印象があまりにも違うので驚かれましたね。(笑)
プログラムの中で色々な人と対話しているうちに、すっかり忘れていた過去のことを波が襲ってくるように急激に思い出してきた瞬間があったんです。
過去に自分が言われたこと、大切に思っていたこと、興味を持っていたこと、好きだったこと、楽しむこと、感動したこと。もう長いこと自分の奥底にしまい込んでいた様々な思いや感情がよみがえってきたのです。
その時に初めて、会社を引き継いでからの時間、自分に制限をかけて、自分が楽しまないように、いかに鎧を着て、自分を押し殺して生きてきたのかと気が付きました。」

久雄さんは3日間のプログラムの中で、本来自分が「喜びと感じること」「幸せと感じること」を呼び起こすことが出来たようです。社長業という重圧の中で、会社と従業員を守るために封印してきた「自己」を、仲間と対話を重ねることで見つけなおすことが出来たのです。
だからこそ、長年、傍で寄り添ってきた裕紀子さんが見違えるほどの変化が、外見にも内面にも起こったのでしょう。

軽井沢の森の中で、いま自分に問いかける。

久雄さんを変えた3日間のプログラムの中で特に印象的だったのは「森に行くワーク」だったと言います。

久雄さん
「冬の軽井沢の森を歩きながら、小森谷さんから渡された一通の封筒を開くと、数枚入ったメッセージカードにはひとつひとつ「問い」が書かれていました。
緑が溢れ、木漏れ日が美しい爽やかで華やかな軽井沢ではなく、枯れた木々の、灰色の世界の中でその「問い」にこたえる自分は、まるで死後の世界にいるような不思議な身体感覚になりました。

軽井沢の3月上旬はまだまだ冬の世界。

だからこそ、自分だけに、自分の奥底だけに問いかけることが出来、自分にとって本当に大切なこと、本質的な「何か」が見えてきたように思えます。今までの自分は少しでも売上を、少しでも利益を、と経済的合理性だけを追い求めてきましたが、今後の生き方として「それじゃない」「そっちじゃない」ってことだけは、この「問い」の時間を経てはっきりとしました。

食からも、心と身体の変化を知る。

又、3日間の「食事」も印象的でしたね。初日、たべもの作家の和み(なごみ)さんが作ってくれた「いのちのスープ」を飲んだ時、お湯のように味がなく、何故、みんなが美味しいと感じているのか全く理解出来ませんでした。
それが、2日、3日と経つごとにスープの中に複雑な味を、旨味を、感じるようになり、3日間で身体じゅうが浄化されたような、身体の中に眠っていた何かが起きてきたような感覚になりました。」

和みさんのお料理のクライマックスは、心を込めてひとつひとつ仕込んだお料理で描く曼荼羅。毎回その季節の素材を使い、その時の場の力を得てデザインが出来るため、ひとつとして同じ形にはなりません。

 「精進料理」があるように、禅と料理は密接な関りがあり、自分の中に摂り入れたものが自己に大きな影響を及ぼすことも体感出来たようです。
帰宅してから久雄さんはこの3日間で口にした料理の美味しさ、自分が内側から変わっていった感覚を裕紀子さんに熱弁したようで、裕紀子さんはすべてにおいて久雄さんに大きく影響を与えたこのプログラムに心から感謝したと言います。

禅的リトリートで自分の心の声を聴き、また新たな出発へ。

裕紀子さん
「昨年、彼は仕事が一段落したとき、次にやること、次に情熱を注げるものを焦って探していたような気がして心配していました。
『本当にそれでいいの?』『本当にそれやりたいことなの?』と、思っていましたが、本人が決めたことに口出しも出来ず、こちらもモヤモヤとした時間を過ごしていました。
今回、今後の生き方として「進むべき方向でない」方向がわかっただけでも大きな収穫だったと思います。彼が本当に納得した生き方をしてくれて、明るく楽しく過ごしてくれていると、私たち家族も幸せですしね。
最近は、子どもたちと過ごす時間も増えたので、彼らともきちんと向き合えている感じがします。やはり、親と子がしっかりと時間を使って対話をすることが子どもにとって本当に大切なことなのだと感じています。
人生100年時代、私たちはまだ半分くらいしか生きていないので、この先の半分も、彼がイキイキとしてくれて、家族みんなで楽しく幸せに過ごせたらいいな、と思います。」

2回目の禅的リトリートに、今度は奥様の裕紀子さんが参加。新緑の森の中で問いかけます。


インタビューを終えて、久雄さん、裕紀子さんがとても深い信頼関係でつながれたご夫婦であることがひしひしと伝わってきました。だからこそ、裕紀子さんが久雄さんの本当の姿、内面、心の声を自分自身で再発見してきてほしいと久雄さんにこのプログラムを薦められたのだと納得いたしました。

企業のトップとして十数年もの間、売上、利益を追求する経済合理性の世界の中で自分を閉ざしていた久雄さん。軽井沢の静寂の中で自分に「問い」なおし、仲間と「対話」することで、本来の自己の姿を見つけ、自分だけでなくご家族を始め周囲の方々も幸せにされている姿が印象的でした。

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