功労者表彰事業(事業№1)を考えてみる

静岡市の事務事業評価シートを見て、指標設定の妥当性を中心に感想をコメントします。

評価シートの概略説明はこちら

事業№1 功労者表彰事業

1 概要

総事業費 350万円(事業費200万円+人件費150万円)正規職員0.2人工

アウトプット指標 審査委員会の実施
         表彰式の実施回数
アウトカム指標  表彰式来客数

2 指標の設定について
(1) アウトプット指標 × 
 審査委員会や表彰式の実施は”事業執行”そのものであり、事業が提供したサービスの量を測ることができるものではない。他に良いデータがなければ代替指標として採用することも考えられるが・・・ 
提案する指標 → 表彰者数

(2) アウトカム指標 ? 
 この事業のアウトカムってなんなんでしょうか。別に考えてみましょう。

3 その他
 表彰された人たちは既得権益団体の偉いさんがほとんどです。令和3年度 令和4年度

4 この事業のアウトカムを考えてみる。

 行政評価におけるアウトプット・アウトカム指標の定義については、様々な表現がされていますが、個人的に最もしっくりきているのが、次の定義です。(政策評価システムにおける「業績測定」と論点抽出 宮本幸平 2012)

これを私なりに本事業に当てはめるとこんなところでしょうか。

これを見ると、本事業は芸術関係の展覧会開催に似たところがあります。
展覧会の場合、アウトプット→入場者数、アウトカム(短期)入場者の満足度、アウトカム(長期)→住民の芸術活動の活性化
結論としては、アウトカムを定量的に測定するのは困難だと思います。被表彰者や関係者にアンケートをとっても「受賞できて良かった」以外の答えなんて期待できませんし、そう答えた人を噓発見器にかけるわけにもいきません。長期アウトカムについても、市表彰のために頑張ろうと思いますか?という質問をしても意味はないでしょう。
ここまで読んでくれた皆さんは、この事業のアウトカムは、何だと思いますか?

いきなり難しい事例になってしまいましたが、一般的な事務事業の例(講習会の実施)に当てはめるとこうなります。