施策評価について(その1)

施策評価というのは、以前に解説した政策体系の3段階(政策-施策-事業)の2段階目に関する評価です。

浜松市を事例にして、見ていきたいと思います。なお、浜松市による呼称は(基本政策-政策-事業)の三段階です。浜松市HP


施策名 新産業の創出と既存産業の高度化による活力ある地域経済の実現

1 施策内容
 施策内容は大きく4つに区分されています。

・低金利かつ固定金利である市制度融資の取扱金融機関に対し利子補給を行うことで、市内中小企業や開業後間もない企業、開業後一定期間経過し、事業拡大を検討する企業、事業を承継する企業等に対する融資の円滑化を図り、新事業展開や新産業を創出させるための支援を行う。
・中小企業の円滑な事業承継を支援するため、経営者に対して事業の早期準備を促すとともに、後継者不在による廃業の防止を図る。

・市民生活に密着した特定計量器が適正に維持されるよう、検査を通じて、計量の安全安心を図る。
・適正な計量について啓発し、普及指導を行う。

・包括的民間委託の枠組みにより小型自動車競走事業(オートレース事業)を継続する。
・小型自動車競走事業特別会計から一般会計へ繰出し、可能な範囲で収益事業として市財政に寄与する。
・内部留保資金(基金)の一部を活用して、小型自動車競走場施設の改修整備を行う。

・はままつ産業イノベーション構想に基づき、地域経済の持続的な発展のため、(公財)浜松地域イノベーション推進機構を中心に地域産学官金が連携し、既存産業の高度化や成長市場・新産業の創出を目指した。

2 施策指標
 4区分ごとに指標が設定されています。

新規融資あっ旋件数(申請件数)

はかりの定期検査における合格率
商品量目立入検査における適正商品率

オートレース事業の収益保証額

新技術・新製品開発などの事業化件数
産学官金連携による新事業プロジェクト件数
自動車の電動化等への取組レベル向上社数

3 施策評価
 「進んでいる」、「計画通り」、「遅れている」の三段階評価です。。

4 施策と事業との関係
 これは下表のとおりです。

4 この施策評価シートを見ての感想
・施策目標がない???
 施策名が目標を端的に表していると言えなくもないのですが、AからDまでの各内容が施策とどう関連しているかが、統一的な施策目標がないので、”よくわからない”という状態になっていることは言えると思います。
・なぜ、計量検定やオートレースがこの施策に入っているのか、理解に苦しみます。理由はなんとなく想像がつきますが、それは、又、別稿で。
・施策評価が2年分掲載されているのは、見やすくて良い部分だと思います。
・各事業と施策の紐づけは、きちんとやっています。これはよくできている部分だと思います。

 次回以降で、施策評価シートの具体的内容や施策と事業の関係性(指標は?目的は?)について、詳しく見ていきたいと思います。