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フロッグソイルについて

前回はツノガエルの飼育におけるケースと床材について書きましたが、今回はその床材の一つであるフロッグソイルについて詳しく書いてみようと思います。

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私が飼っているクランウェルツノガエルの勝新は、去年の10月ごろから餌を食べなくなってしまいました。それでもツノガエルは餌を食べなくなっても、4ヶ月程度は大丈夫だと知っていた私は、そのまま様子を見ることにしました。

それまではケースに水を張っただけの飼育方法を行なっていたのですが、どうも勝新がケースの隅の方で床を蹴って、水をピチャピチャさせていることに気づき、これは土に潜りたいのではないかと思い12月にフロッグソイルを購入し、その中に勝新を入れてみると程なくして勝新は餌に食いつきました。

これにはフロッグソイルによる効果+保温方法が関係していると思うのですが、保温方法に関してはまた機会をみて詳しく書こうと思っています。

前回も記したのですが、野生下のツノガエルは湿った土や腐葉土に潜っていて、そこで餌を待ち構えていて捕食します。いくら人工繁殖によって完全にペットとして流通しているツノガエルと言っても、この習性は残っていて、土に潜りたがるのは本能なのでしょう。

フロッグソイルのパッケージにも、このようなことが書いてあります。

「本来、ツノガエル類は、水中ではなく、湿った土や落ち葉の中に潜んで生活をしています。
そのため、生息地のように体を埋められる環境を作ることでストレスは緩和されます。また、しっかりとした地表を再現することにより、丈夫な足腰をした健康的な体づくりに役立ちます」

うちの勝新も保温によって身体の代謝が高まった上に、「土に潜りたい」という欲求が叶えられたことにより、リラックスして食欲が回復した結果、再び餌を食べはじめたと思います。

また水を張っただけの状態で飼育したツノガエルは、確かに足がだらんと伸びた姿勢が多くなってしまうようです。それも床材が何も入っていないので、足の踏ん張りが効かないせいでしょうか。

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(以前飼っていたベルツノガエルです。水を張っただけで飼っていたので、足がだらんとしてしまったようです)

少し話は脱線してしまうのですが、ツノガエルが罹りやすい病気に自家中毒というものがあります。前回でも両生類は口からではなく、皮膚から水分を吸収していると書きましたが、特に水を張っただけの飼育環境だと、排泄した糞がすぐに水に溶けてしまい糞の毒素を体内に吸収してしまい病気になってしまうのです。
これはどのような環境下で飼育する場合であっても、ツノガエルが糞をした時には速やかに取り除いてあげましょう。

フロッグソイルには汚れを吸着する活性炭が入っていると表記されていて、尿などをした場合には吸着してくれる気がします。
しかし、フロッグソイルのパッケージに書いてあるメンテナンス方法には、「週に1~2度、汚れに応じて水洗いする」と書いてあるのですが、横着な私はこれをおこたっています(汗)
その代わりに「2~3か月ごとに全量を交換する」と書いてあるので、これは行うつもりです。

どのくらいの量のフロッグソイルをケースに入れるかについては、当然ケースの容量によって異なってくるのですが、私が使用している25センチ正方のケースで2キロのソイルを入れています。これで勝新はちょうどいい感じに潜ってくれています。

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(分かりにくい画像なのですが、現在勝新はこんな感じでソイルに潜っています)

ただし私が行なっている保温方法では、予想以上に熱の伝わりが強く、勝新が思いのほかに深く潜っていた時に、ケースの底面の裏をチェックしてみると、完全にお腹の皮膚がケースのアクリル面にくっついていました。

これはより水分を求めて深く潜って行った結果でしょう。一度は勝新がケースの中ではないどこかへ行きたがっている感じがしたので、ケースの中をチェックするとソイルがカピカピに乾燥していました。

そういった場合はペットボトルで水をケースの中に入れ、ピンセットでソイルをほぐすと元の感じに戻るのですが、ソイルを使用する場合には乾燥の度合いを、まめにチェックする方が良さそうです。
このため気づいた時には霧吹きで、霧を吹きケースの湿度を保った方がいいでしょう。

「フロッグソイル全体に水をかけ、湿らせてからカエルを入れてください。この際、かける水の量にご注意ください。飼育ケースの底に溜まったり、染み出しているような状態は入れ過ぎです」

とソイルの使用方法には書いてあるのですが、私は水をヒタヒタではなくヒタぐらいに入れています。それは先に書いたような乾燥を防ぐためです。

このようにツノガエルにとっては、いいことづくめのようなフロッグソイルですが、デメリットもあります。
一つには折角綺麗な色をしたツノガエルが土に潜ってしまって、完全に見ることができない。もう一つにはツノガエルの色が黒ずんでいってしまうということです。

二つ目に記したものは同化作用と言って、ツノガエルは本能的に周りの色と体色を同化させようとします。これも野生下から残っている本能で、外敵から見つかりにくくするためであると考えられます。

ですので、ペパーミントツノガエルも当初は鮮やかな緑色をしていた個体が、ソイルに潜らせたら次第に黒ずんでしまうという可能性もあります。
ちなみにうちの勝新は基本的に茶色にオレンジが乗っかり、そこにさらに濃い茶色のパターンが入っているのですが、まだソイルで買い始めて2か月ぐらいで、ケースから取り出して観察していないので、そのままの色なのか、それとも黒ずんできたのかは分かりません。

仮に透け透けのミュータントツノガエルを、ソイルで飼育してみたらどのような体色になるのでしょう。

しかし、よく見ることができない、身体が黒ずんでしまうというのは人間の都合で、ツノガエルにとっては落ち着いて、安心できる環境が一番なのでしょう。
私の場合は飼っている個体が「拒食」になってしまい、ソイルを入れてみたところ食欲が復活したので、とりあえずはこのままのスタイルで飼育を続けてみようと思います。

いずれにしてもフロッグソイルは、ツノガエルの床材として選択肢の一つに入れていいものであることは確かだと思います。

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