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ツノガエルの保温について その二

前回はツノガエルの保温について、パネルヒーターを使った方法の失敗談を書きましたが、今回はそこからたどり着いた現在行っている保温方法について書いてみようと思います。

パネルヒーターによる保温に失敗した後、YouTubeも含めたネットでツノガエルの保温方法を検索したのですが、断熱材でケースを覆う、ツノガエルを入れているケースよりも一回り大きいケースにお湯を入れて、そこにツノガエルの入ったケースを入れるなど、あまり有効とは言えないものばかりが出てきました。

それでも色々見ているうちに、これはと言えるワードが見つかりました。園芸用のビニールハウスにツノガエルのケースを入れて保温するというものです。

ただそのサイトでは、どのような器具を使って保温するかまでは書いていませんでした。

そこで私は爬虫類用のヒーターで有名な暖突や、ひよこ電球を使うなど色々検討してみましたが、暖突などは上からの加温になるので、乾燥に弱いツノガエルには無理だろうと思いました。

そんなある日、アマゾンでビニールハウスを検索していたところ、「あなたへのおすすめ」欄に、昭和精機工業というメーカーの園芸用パネルヒーターというものが載っていました。

これは園芸用ビニールハウスの中で使うヒーターで、詳しく調べていったところ、「これは使えるかもしれない」という確信を持つようになりました。

そこで私はアマゾンで五段組の園芸用ビニールハウスと、250ワットの出力を持つ園芸用ヒーターを買いました。ワット数はもっと低いものも売っているのですが、付属のサーモスタットで温度は調節できるので、少し出力の大きいものを買いました。

それは今飼っているクランウェルが寒くなって、餌を食べなくなった12月頃だったと思うのですが、届いたビニールハウスを組み立ててみました。これはどの園芸用ビニールハウスもそうだと思うのですが、中国製のためかなりちゃちいことは確かです。

そして、その中にヒーターを設置しました。この時、注意しなければいけないことがあって、ヒーターを最下段の右に置いたら、サーモスタットは最上段近くの左に取り付けなければならないということです。

これはヒーターとサーモスタットをなるべく遠くに設置することによって、サーモスタットがビニールハウス全体の温度を感知するようにするためです。

私は現在、サーモスタットの目盛りを30度近くに合わせています。これで大体ビニールハウスの中は28度前後に保たれていて、真冬の朝方でも25度を下回ることはありません。

このセットしたビニールハウスの中に、クランウェルを入れて1週間ぐらい落ち着かせてから餌を投入したのですが、見事に捕食し、その後もコンスタントに餌を食べてくれるようになりました。

この時は自分の計画したことが見事成功したので、かなり嬉しい気持ちになりました。この保温方法だと、パネルヒーターだけの保温と違いツノガエルの身体を包む空気そのものを保温できるので、確実にツノガエルの代謝は上がり食欲が出たのだと思います。

園芸用ヒーターは15000円。ビニールハウスは4000円。この段階で2万円近くのお金を出費しましたが、趣味にある程度のお金は必要ですし、これでツノガエルが餌を食べてくれれば、それでいいと思いました。

それと私は園芸用ヒーターの加温によって、ビニールハウスの中が乾燥してしまうことを恐れたので、ペットボトルに装着して使用する加湿器を購入し、最上段で使用しています。この加湿器はORBというメーカーのもので、連続して8時間使え、霧を噴き出したままのモードと間欠式モードの二種類で使うことができます。

この加湿器が2000円程度でした。

ただペットボトル式といっても、かなりの量の霧を噴出するために、ビニールハウスの下の床には、ホームセンターで買ってきた波状のプラスチック板を二枚重ねて敷いています。

加湿器を使うためにビニールハウス全体の湿度も測るため、専門店に行き湿度も測ることのできる温度計も買いました。

クランウェルのケースには、それとはまた別個の温度計も入れています。

話は前後してしまうのですが、私はツノガエルの床材にフロッグソイルを使用しています。ただ加湿器による加湿は、ケースの中まではあまり影響が及ばないようで、ヒーターによる加温によってフロッグソイルが乾燥気味になっている時もあります。

そこで私は少なくても3日おきぐらいで、クランウェルの身体にペットボトルで水をかけてやり、霧吹きでフロッグソイル全体を湿らせてあげています。

私は現在、冬になるとこのビニールハウスの中で、クランウェルの他に、バジェットガエル、タイガーサラマンダーも飼っているのですが、ビニールハウスの中でも段数の違いや位置の違いによって、温度差が生じることも確かで、一回暖かいほうがいいだろうと思って、バジェットガエルのケースをヒーターの真上に持っていって、しばらくしてケースの温度計を見たら37度ぐらいになっていたことがあり、慌ててケースを動かしました。

もう一度、おさらいをするとビニールハウスの一段目にヒーターを置き、二段目には電源タップを置いています。そして三段目にタイガーサラマンダーのケース、四段目にバジェットガエルとツノガエルのケース、五段目に加湿器。そして五段目の上の梁の部分にサーモスタットを固定しています。

話をもとに戻そうと思いますが、これで私の中のツノガエルの保温方法は確立できたと思いました。
しかし二年目の冬がやってきた時、再びビニールハウスを組み立て、その中にヒーターを入れて保温してもクランウェルは、餌を食べようとしませんでした。

ここで以前の私なら強制給餌などを行ってしまい再び取り返しのつかない結果になっていてしまったと思うのですが、やはり失敗を経験している分、慎重になり保温しても餌を食べない理由が何かあるのではないかと思いました。

これは以前に書いた「フロッグソイルについて」でも書いたのですが、その頃クランウェルは水を張っただけの状態で飼っていました。

そして観察していると後ろ足で、ピチャピチャとケースをしきりに蹴っていたのです。

これに私はピンときました。土に潜りたいのではないかと。そこで家にあったピートモスという園芸用の土をケースに入れたのですが、クランウェルはそのまま全身を隠して潜っていってしまいました。

ただ私はクランウェルを無理やりピートモスの中からは出さずに、1週間ぐらいそのままにしておきその間にフロッグソイルを購入しておきました。

1週間が経過してクランウェルをピートモスの中から取り出し、ぬるま湯をかけてやるとすぐに脱皮を始め、いかにも目覚めたという感じでした。その1週間のうちでクランウェルは軽い冬眠状態に入っていたのかもしれません。

その後にフロッグソイルを入れたケースにクランウェルを入れてあげると、ちょうどいい感じに潜りました。しかし私は、またそこから1週間様子を見ていました。

そして1週間後、満を辞して餌を目の前に持っていくと、物凄い勢いで餌に飛びついたのです。あれほどの食らいつきはベビーサイズ以来、久々に見せるものでした。

クランウェルはピートモスに潜る前に、排泄物は全部出していました。そこで軽い冬眠状態から目覚めたため、かなりの食欲をみせたのだと思います。

それにヒーターの加温による身体の代謝の上昇や、フロッグソイルの環境による安心感も食欲に繋がったのだと思います。

このようなことからツノガエルが餌を食べなくなった時に、安易に「拒食」と決めつけるのは早過ぎるように思います。

これはなかなか難しいことだと思うのですが、「ツノガエルの気持ち」に立った時に何が必要なのかを考えてあげることが大事なことのように思えます。

ツノガエルの寿命は、うまく飼ってあげれば10年以上あると言われています。

大切に飼ってあげれば、ツノガエルはかけがえのないペットになってくれるでしょう。

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