建設業のNEWS TOPICS(2023.9)
1日 国土強靱化に6.2兆円/各府省、24年度予算概算要求
各府省庁が財務省に提出した2024年度予算の概算要求のうち、国土強靱化関係の防災・減災対策の計上額がまとまった。総額は前年度予算比30.9%増の6 兆2101 億0 百万円。うち公共事業関係費は20.7%増の4 兆7903 億65 百万円。「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」4年目分の予算は、編成過程で計上額を決める事項要求とした。
4日 一時帰国費用の助成開始/JAC、特定技能外国人の支援
建設技能人材機構( JAC)は特定技能外国人の母国への一時帰国でかかった費用を一定額助成する支援制度の申請受け付けを開始する。働きやす
い職場づくり支援の一環で、1人当たり5万円(1回限り)を本人または受け入れ企業の口座に振り込む。
5日 落札者の75%が表明/国交省、総合評価賃上げ加点
国土交通省は直轄工事を対象に賃上げ表明企業を総合評価方式の入札で加点する措置の2022年度実績をまとめた。22年4月の加点措置開始から23年3月末までの賃上げ表明者は競争入札参加者の67%に当たる3010社、落札者の75%を占める2029 社に上る。22 年の暦年単位または22年度の事業年度単位で賃上げを表明した企業のうち、7月までに実績が確認できた暦年表明の367
社は全て賃上げ目標を達成したことも分かった。
6日 週休2日実施率99.6%/国交省、22年度の直轄土木工事
国土交通省は2022年度に直轄土木工事で実施した週休2日の実績をまとめた。港湾・空港関係を除く集計で、週休2日対象工事として公告した7284件のうち7257件で週休2日に取り組んだ。
実施率は99.6%となり前年度から2.2ポイント上昇。全体の4分の3を占める発注者指定方式の現場閉所が押し上げた。国交省は建設現場のさらなる働き方改革の推進に向け、引き続き休日の「量」を追い求める従来方針から月単位で週休2日が確保できる「質の向上」への転換に努めていく。
7日 22年度は前年度の10倍に/国交省、単品スライド適用急増
国土交通省の直轄工事で物価変動分を工期末に精算変更する「単品スライド」条項の適用が急増している。同省の調査によると、港湾空港関係を含む土木全般や営繕など地方整備局締結契約で2022年度(速報)に274件の工事に適用した。▽全体▽単品▽インフレ-の3種類のスライド条項という現行の枠組みができた14年度以降、最多を更新。資材高騰が顕在化し始めた21年度(28件)と比べても約10倍の大幅な伸びとなる。
8日 自治体工事で導入拡大/国交省、CCUSインセンティブ
建設キャリアアップシステム(CCUS)の導入や活用に積極的な元請企業を評価する動きが、地方自治体で着実に広がってきている。国土交通省がまとめた最新の調査結果(8月21日時点)によると、都道府県で地元建設業協会の同意が前提になる同省直轄Cランク工事でのCCUS活用モデル工事を実施済みまたは予定しているのは青森、山形を除く45都道府県。2023年度以降、新たに5県が実施表明した。都道府県や市区町村が発注する工事でも同様の動きは増えている。
11日 業法・入契法改正へ/基本問題小委、中間まとめ決定
国土交通省の中央建設業審議会(中建審)と社会資本整備審議会(社整審)産業分科会建設部会が合同設置する基本問題小委員会の第5回会合が
都内で開かれ、法令や運用の改善を提言する「中間取りまとめ」が固まった。テーマは持続可能な建設業の構築。国交省は将来にわたる担い手確保
や直面する資材高騰などの課題に対応するため、中間取りまとめを踏まえ建設業法や公共工事入札契約適正化法(入契法)の改正を検討する。2024
年通常国会への法案提出を目指す。
13日 24年度も当初予算で継続/国交省、建築BIM加速化事業
国土交通省は2022年度第2次補正予算で創設した「建築BIM加速化事業」を、24年度も当初予算で継続して取り組む。一定の要件を満たす建築物の新築プロジェクトを対象に、設計BIMモデルや施工BIMモデルの作成にかかる費用を幅広く補助する。プロジェクトの設計や施工を直接請け負う元請の意匠設計事務所やゼネコンだけでなく、下請の専門設計事務所や専門工事会社も補助対象とする。24年度予算概算要求に必要経費として80億円を新規計上した。
13日 24年4月1日から一部施行/政府、改正建築物省エネ法
政府は改正建築物省エネ法の一部規定の施行期日を定める政令を閣議決定した。2024年4月1日に施行する。同法では延べ3000平方メートル以上の木造建築物を建てる際、建物を防火区画で区切ることで、木材を石こうボードなどで覆う規制を回避できるようにする。
19日 処遇改善の抜本強化へ決意/大臣と建設業4団体と意見交換
斉藤鉄夫国土交通相と建設業主要4 団体は東京・霞が関の国交省内で意見交換会を開き、技能労働者の賃上げや工期の適正化を官民一体で強力に進めることを確認した。半年後に適用が迫る時間外労働の罰則付き上限規制に触れ、斉藤国交相は「ピンチをむしろチャンス」と捉え、これを機に労働時間短縮や処遇改善への取り組みを「抜本的に強化しなければならない」とした。
20日 「GX 建機」認定制度固める/国交省、2機種で13年度内開始
国土交通省は2023 年度に創設する「GX( グリーントランスフォーメーション)建設機械認定制度」の内容を固めた。当面は国内メーカーによる開発・試作が進展する電動式の建機に認定対象を限定。認定規定を公表した上で申請を受け付け、年度内に型式認定を開始する。認定型式の機体に表示可能とする認定ラベルの図案も決めた。
22日 一人親方の労災報告制度で大枠/厚労省、特定注文者らに義務化
厚生労働省は都内で有識者会議を開き、建設業の一人親方など個人事業者の安全衛生対策の一環で、労働災害の実態把握を目的に新設する報告制度の大枠を示した。休業4日以上の死傷災害について、被災した一人親方自身が直近上位の特定注文者や現場管理事業者への伝達を義務化。特定注文者らには、必要事項を補足した上で労働基準監督署に報告する義務を課す。2段階による報告スキームについて、会議に参加した建設業界の関係者らは、義務化による特定注文者らの負担増や現場の混乱が懸念されるとし、スキームの見直しを訴えている。
22日 1回目支払いを開始/福祉共済団、契約者割戻金制度
建設業福祉共済団は建設共済保険事業の経常収支で生じた剰余金を契約者に全額還元する「契約者割戻金制度」の1回目支払いを行った。対象は制度導入初年度の2022年度契約者。直近3事業年度分の余剰金平均値(20~22年度5億9600万円)を原資に、個々の契約者割戻基準保険料の総額から算出した22年度の割戻率は20.53%。契約者1者当たりに平均で2万3800円を支払った。
[全建ジャーナル2023.10月号掲載]
<以下広告>
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?