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建設業で働く女性のためのユニフォームデザインプロジェクト

~「新3K(給与・休暇・希望)+かっこいいをカタチに」~

全国建設業協同組合連合会

 3 年間もの長きにわたった新型コロナ禍も一段落し、全国建設業協同組合連合会(青柳 剛 会長)では建設業界のイメージアップおよび建設業界の魅力発信のためのプロジェクトを再開しました。
 平成30年度「ユニフォームデザインプロジェクト」、令和元年度「一緒に考えようKOJICHUプロジェクト(仮囲いデザインアイデアコンテスト)」、令和2年度「一緒に考えようKOJICHUプロジェクト(仮囲いデザインアイデアコンテスト)第2弾」と過去3回にわたり、学生の感性と情熱を傾けた作
品を建設業界イメージアップとして表彰してきました。
 前回のユニフォームデザインプロジェクト「自信と誇りを着る」から5年が経過し、建設業界で働く女性が徐々に増えるとともに、業界内での女性活躍の場も広がりつつあります。
               *  *
 このような背景から、今回は「建設業で働く女性のためのユニフォームデザインプロジェクト」と称して、「かっこいいをカタチに」をテーマとして女性用ユニフォームを学生の皆さんと考えようというプロジェクトを企画しました。
 毎日着ているユニフォームに必須である安全性・快適性といった機能面に加え、今回のコンセプトには先述した女性の視点からの「デザイン性」も重視して「かっこいい」を形にした作品を感性豊かな学生から募集することが決定しました。
 5年前のユニフォームデザインプロジェクトと同様、東京モード学園(東京都新宿区)との産学連携のケーススタディとしてプロジェクトをスタートしました。

♦参加資格 東京モード学園の学生
♦審査員
審査委員長 古谷 誠章(建築家・早稲田大学理工学術院 教授)
浜田 沙織(株式会社ワーク・ライフバランス 執行役員)
三上 美絵(フリーライター・広報研修講師)
武山 利子(宮城建設女性の会2015会長・株式会社武山興業 専務執行役員)
谷脇  暁( 一般財団法人建設業振興基金 理事長)
佐古 かがり(エムシーアパレル株式会社 デザイナー)
藏谷 伸一(全国建設業協同組合連合会 政策参与)
♦協賛・後援
一般社団法人全国建設業協会 一般財団法人建設業振興基金
東日本建設業保証株式会社  西日本建設業保証株式会社

令和4年7月12日 オリエンテーション

 本プロジェクトのキックオフとなるオリエンテーションを東京モード学園コクーンタワーにおいて開催しました。
 同学園の学生に対して、建設業界の現況やプロジェクトの募集要項などを説明しました。
 参加学生は同学園の学生約400名が対象であり、自由かつ斬新な発想で作品を求める旨を資料に基づいて説明し、学生は熱心に耳を傾けていました。

令和4年10月5日 事前審査会

 本プロジェクトに対して同学園2年生111名、3年生105名、4年生118名、合計334名からユニフォームデザインが提出されました。多数の作品が寄せられたため同学園内での予備審査を経て、東京建設会館(東京都中央区)において事前審査会が開催されました。
 白熱した議論が交わされた結果、12作品が選出され公開審査会に進みました。

令和4年10月18日 公開審査会

 12作品をデザインした学生によるプレゼンテーションを実施する公開審査会を東京モード学園コクーンタワーにおいて開催されました。

 

 本審査には行政・関係団体・協力会社・学生等が多数出席する盛大な催しとなりました。
 開催に先立ち、青柳会長から東京モード学園の関係者と参加学生に対しての御礼の挨拶があり、「各分野の審査員と一緒になって新しい「女性のためのユニフォームデザイン」の観点から建設業の将来像を語ることが出来ればと思っています。」との発言がありました。
 佐藤 信秋、足立 敏之 両参院議員、長橋 和久 国交省不動産・建設経済局 局長に来賓としてご挨拶をいただきました。
 12作品のプレゼンテーションが行われ、審査員から学生に対してデザインについての特長等について質問がありました。
 審査員からのユーモアあふれる質問や学生の当意即妙な回答により、時折、会場内から笑い声も出る和やかな審査会となり、会場は大いに盛り上がりました。
 審査の結果、以下の学生が入賞を果たしました。

 最優秀賞 
 田中 アリスさん
 (ファッションデザイン学科2年)
 優秀賞 
 MyaMoonAein(ミャ・ムーン・エィン)さん
 (ファッションデザイン学科4年)
 金蘭(ジン ラン) さん(ファッション技術学科4年)
 入 選 
 星野 未栞さん(ファッションデザイン学科2年) 
 増田 菜々子さん(ファッション技術学科4年)
 山下 春佳さん(ファッションデザイン学科2年)

 

 最優秀賞を受賞した田中アリスさんは、建設業で働いている友人の意見を
参考にして、足長効果のあるパンツ等の特長あるデザインにより、ユニセッ
クスで性別を問わず「かっこよく」着用できる点をアピールして、審査員か
ら高評価を得ました。
 また、優秀賞を受賞したミャ・ムーン・エィンさんと金蘭さんも家族の話
や自身の経験からヒントを得た独創的な作品を製作して、会場の出席者から大きな拍手を受けました。
 入賞作品は、入賞作品発表会での披露のため、ミドリ安全株式会社に試作品を委ねました。

 

令和5年2月22日 入賞作品発表会

 入賞作品発表会を東京モード学園コクーンタワーにおいて開催しました。発表会は配信先を限定しライブ配信も行いました。

 

 発表会の冒頭、青柳会長から「建設業の新3 K(給与・休暇・希望)に「かっこいい」を加えたかたち・新4 Kを積極的に広げていこうと思っている。このプロジェクトを通じて一緒に建設業のことを考えてくれ、身近なユニフォームで表現してくれた会場の皆さんお一人お一人に感謝します」との挨拶がありました。

 

 その後、東京モード学園が演出を手掛けたショーが始まり、ユニフォームを着用した同学園の学生モデルとデザインを制作した入賞者が会場内のランウェイを歩き、会場は大きな拍手で包まれました。
 入賞者の皆さんは自身でデザインしたユニフォームが、実物として完成したことに対し一様に感動の言葉を述べ、また、一作品ごと、ミドリ安全株式会社の企画・制作部門であるエムシーアパレル株式会社デザイナーよりポイントを説明していただきました。

 

 特別ゲストとしてご出席いただいたファッションイベント「東京ガールズコレクション(TGC)」の池田 友紀子チーフプロデューサー、田嶋 康弘地方創生管掌のお二人から総評をいただき、入賞者にはTGCの招待券が贈られました。
               *  *
 発表会の終了後の記者会見において青柳会長は建設業界におけるイメージアップとしてのファッションの重要性を改めて発言しました。
 また、浜田審査員は「ユニフォームで多様性を表現することは大変意義があると思う」と述べられました。
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 8か月間にわたるプロジェクトは盛会の内に終了し、女性が活き活きと「かっこよく」働いている業界へと変貌を遂げている建設業界の魅力へのアピールに対して伴走できたのではないかと考えております。
 今後も業界のイメージアップに資する取り組みに尽力して参ります。

 

 最後に本プロジェクトにご支援・ご協力を賜りました関係者各位に厚く御礼を申し上げます。

[全建ジャーナル2023.4月号掲載]

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