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形式は大切か?

 若い頃、人に習うのが嫌いだったんです。こと音楽は先生について学ぼうとしたことは一度も無かった。そんな自分が音大に通っている理由はいくつかあるのですが、その一つが形式を学びたいと考えていたからです。

 形式にハマらない生き方をしたいと常々思ってきたので、音楽も形式的でないものを作ってきました。書いてきた合唱曲のテキストは昭和の詩人達の詩で、殆ど全部が自由詩。形式的な音の数やら繰り返しやらが全く無い。それをベースに音楽を書いていくと、形式に当てはめづらい。そんな理由で音楽の「形式」には疎いんです。

 犬の動画を作るに当たってDTMにて音楽作りをはじめたとき、「AメロBメロ」とか「サビ」とかを意識している自分に気付き、はたしてこれは形式なのではないか?と考えました。形式から逃れよう離れようとしていた自分が、形式を求めている。または感覚的には形式の持つ力みたいなものに納得している。人間が美しいと感じるものを積み上げたものが形式だとしたら、理論を学ぶのはわるいことではないよね?

 ではクラッシック音楽の形式を学ぶなら?人生残り時間も少ないので、独学よりは人に習った方が早く学べるよね?という考えで音大別科の受験を選択したのです。

 さて、個人レッスンのA先生のそのことをお話ししました。

先生は即答なさいました。

「形式は大切です!」


(5月25日注釈 マガジンに収録しました)

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