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【物録】BCL遥カ…ナリ

SONYのPLLシンセサイザー方式による短波放送受信用ラジオが中華ラジオメーカーのTECSUNにDSP選局や音楽再生の機能面•シェアで凌駕されて久しい。(AppleのiPodにやられてから後の話ですね)

とはいえ、ラジオ作ってないわけじゃぁない。ご立派なことに中国生産のSONYラジオが売られてる。これは逞しい、と言ってあげたほうが良いのかも…むしろ、健闘しておられます。

YouTubeで往年のラジオ放送聴いていたら、「電波を受信して聴く」昔ながらのスタイルにも心惹かれる結果となり。もう思い出すのも憚られる「BCL」という検索wordをGoogle先生に尋ねておりました。

違法行為ギリギリの生き方を提言してくれることで有名な、三才ブックスの「今様、BCLラジオ」本をKindleにてしげしげと眺める。(正式書名「ラジオ受信バイブル2022」2022年02月01日発行)

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本誌にて往古BCLと喧伝されていた、短波受信を主体とするラジオで当代ススんでるモノは以下の5機種。

(01)ETON Elite Exective《米》
(02)ETON Exective Satelite《米》
(03)C.Crane Skywave SSB《米》
(04)SANGEAN ATS-909X《北米版》
(05)アイワ AR-MDS25《日本》

いわゆるDSPラジオと呼ばれるもの。

DSP(ラジオ)とは、Digital Signal Processing の略。従来のアナログ部品を使わず、アナログ信号をAD変換後デジタル処理でフィルタや復調などを行ってしまう。ラジオ用に専用のICを使い、バリコンやIFTもなく中波・短波・FMの全てのラジオ放送電波を受信できるデジタルラジオ。

5つのラジオを取っ替え引っ替え、比較検討した結果。本誌では(03)C.Crane社のスカイウェーブを推しておりました。早速、あちこち調べてラジオ商では老舗のApexRadioShopさん楽天店にて購入、配送。

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届いたラジオを開封するんですが、まぁ小さいのよ。往年BCL特化型ラジオのなんと大きかったこと。。アレを最先端と鼻の穴を膨らましていた頃を思い出し、しばし嘆息。おとーさん、すっかり小ちゃくなっちゃって…的な。

取説片手にローカル局をどんどんメモリーして参ります(AM3局•FM4局)。Radikoと比べると単純明快。2030年には中波はなくなって、FMのみの受信環境になるわけで。実質、このラジオはFM•時々短波用となるわけです。

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モノが手に入ったので白状しますが…。オークション市場で往年のSONYスカイセンサーICF5900やPanasonicクーガー2200(整備済み)を渉猟しておりました。実際、ラジオ起動してメモリーに入れた時点で思うのです。

果たして、あの大型ラジオを必要とするだろうか。

例のキャンプ導引book『おだやかに過ごす•はじめてのキャンプ』の最初の方に書いてあるFAQ。「キャンプは分かりますけど…。テント張り•炊事•就寝以外に何をして過ごせば良いんでしょう?」という、根源的な質問。

ある意味。「ラジオを聴く以外。何をして過ごせば良いんでしょう?」と問われるぐらいにBCLに突きつけられた破壊力のある目的意識問題。意味もなくラジオが家の中にゴロゴロ置いてあるお宅ってどうでしょうか。

百歩譲って。
昭和のあの時期。デザイン面でも近未来を予感させるメカニカルな操作パネル。一つ一つのつまみやボタンに割り振られた機能。見てても、触ってても…何か世界的な影響なんてなにもないのに惹かれるカンジ。

それが棚の上に「ポッ」と置いてあるだけで…ニヤニヤできるのが。あの時代のBCL特化型ラジオでございます。

カメラとかレンズとかとおんなじなのかもなぁ、と今なら思えるんですが。家族や年齢の近しい人々からは、そうは思わない(ラジオをわざわざ聴くためのラジオなんて興味ない)というムキもあって。ウチの兄貴はまったく見向きもしませんでした。

どちらかと言うと、ラジカセ志向でしたね。

斯く言うワタクシめも、ラジオブームが去って(去ったのか?)。いや、マイ•ラジオブームが去って。(笑)さっさとステレオラジカセに移行したのでした。

流行りものは…楽しめてなんぼ。夜な夜な意味もなく、アメリカやイギリスの社会経済やら。国家間紛争について…聴くともなくニュースを聞いていると。醸成される世界観、とでも言いますか。出来上がって参ります。

その延長線上に、作られていくアイデンティティ(自己同一性)があり。物事に対して掲げる旗色というものが生まれる様に…今なら思えます。大した延長線上じゃなかったなぁ。。ってのも含めて。(汗)

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そんな事を思いつつ。SW(短波バンド)へのメモリー登録は日本短波放送と日本向け海外放送では台湾の放送局のみでございました。いや、実際80年代と比べると減ってるんです、放送する国。

ネットに喰われてるんですよねぇ…いろんな意味で。

radikoもいいんですが、たまにはラジオで実際の放送を聞いてみるのも。良いものである、と思っております。(お粗末様です)