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4年半通った千里眼を本気で解説する。

** インスパイア(英: inspire)**インスパイア - ラテン語の「in-(中へ)」+「spirare(息、息吹)」から、(思想や生命などを)吹き込んだり、感化、啓発、鼓舞、または奮い立たせたり、ひらめきや刺激を与えたりすること。インスピレーションの動詞形。

なるほど「二郎インスパイア」なんてただの二郎系ラーメンを真似ているというだけの造語だと思っていたが、上記の意味合いをそのまま当てはめるならば、どうやら違うらしい。

そう、記事のタイトルでもある千里眼はその「二郎インスパイア」にまさに属するラーメン屋ではあるのだが、今回まさか筆者が大学・大学院時代に足繁く通ったその店についてnoteを書くことになるとは、一体全体何にインスパイアされたのかはよく分かっていない。

プロローグ

まず二郎系の店全般に言えることだが、このお店もまさにビギナー殺しの店である。なんとなく有名だから行ってみたとか、行列が出来てて面白半分で並んでみたとか、そんな人らが着丼するまでに何かしらで痛い目にあっているのをこれまで幾度となく見ている。

しかし、正しいルールを知っていれば、あの本田翼ですら1時間並んででも行く味に出会えるわけだ。そう、あなたも明日からノンry。

冗談はさておき、以下の長々しい説明は詰まるところ千里眼におけるギルティ※を起こさないための作法及び美味しく満足して帰る方法だと思ってくれればいい。RPGの攻略本に近しいものだ。

※リンク先は本家二郎の物なので流し読みでOK。

さぁ、以下より冒険の案内を行う。

** 整列前~整列時**

アクセスを確認しておこう。食べログではこう記載がある。

ご覧の通り、駅から行こうとするとやや遠い。
筆者は引越す前の自宅では徒歩5分だったため最近まで知らなかったが、バスが圧倒的に楽である。渋谷駅から[渋55]のバスに乗り「代々木上原」で降りよう。
それか乗り換えアプリの行先を「千里眼」と入れて検索掛けても良い。有名店のためか、機械が最適なルートを示してくれる。

店の付近は閑散とした住宅街に東京大学リサーチキャンパスが佇んでいるくらいで、正直何もない。しかし、近くまで着けば探すまでもなく異様なまでに行列をなした黄色と赤の看板の店が見つかる。そうそこがまさしく千里眼。

冷やし中華の期間(6~9月)限定なのか、今年から整理券制度が始まっている。あまりの行列に近隣住民から苦情が入り、何度か警察に指導されてしまったためか、いよいよ店のシステムまで今年から変貌を遂げてしまった。

整理券制度についてはTwitter公式アカウントが詳しい。

端的にまとめれば
整理券&食券を買う
→整理券に指示された時間に並ぶ
→食す

が基本的な流れになる。

恐らくだが、例えば20時に並べば20~21時代の整理券は購入できるので、整理券を買ったらそのまま列に並べばいい(筆者がそうだった)。

その列に並ぶのに際して1つを注意しよう。
最初に上記①に示すように店に沿った列に並ばないと徒労となる(常連の筆者も知らず②に並んでしまった)。

また①に並んで自分の順番が来ても、整理券及び食券の購入はお店の人に呼ばれるまで待っていよう。自分の意志で入ってしまってはだめ。

さて、無事に食券の前に立てたらまずは整理券(無料)をポチる。
肝心の食券だが
・ラーメン(中/大)
・冷やし中華(小/中/大)

この2本勝負。1つ言えるのは、小でそこらのラーメン屋の大盛りはあるので、胃袋ととカロリーと相談しながら選ぼう。
ちなみに、筆者は冷やし中華(中)+豚1枚追加=1,000円で攻めた。

また、食券購入の際に五千円札、万札は使えないことも注意(言えば両替はしてもらえるが、お店の人は常に忙しいので予め千円札か小銭を用意しておこう)。

券を買ったらそれを家宝の様に大切に所持し、黙って整理券の時間に画像②の最後尾に並ぶ。
この時期は暑い。にも関わらず、室外機から熱風とジャンキーな匂いが立ち込めてくるため、来店する度の拷問だと昔から思っている。

この際
・2列で並んでいたり、道にはみ出して並ぶ
・大声でしゃべる

と注意されるので、高まる気持ちを抑えてトッピングのコールを何にしようか考えておこう。

** 入店時~着席時**

ここでもお店の人に呼ばれからやっとの思いで店内に入ると、店内の待ちは着席3+立1,2名。
美味しそうに麺をすする人たちを面前にし、空いたお腹にボディーブローが刺さる。来店する度の拷問その2。

間もなくして座席に着く前にお店の人から
「麺の量はどうされますか?」
と訊かれるが、これは
「What kinds of tickets did you buy?(勇者よ、何の食券を買ったんじゃ?)」
という意味なので
×「冷やし中華!」ではなく
◎「冷やし中華の小です!
と元気よく答えるとなお良し。

蛇足だが、硬め柔らかめなどのオーダーはこの際にしよう。筆者は特別したことがない。

座席の案内は空いたところから順次だが、2人で行けば向こうは察してくれるので1度は別の席になっても焦らず待とう。余程なことない限り、食べるまでに隣の席にしてくれる可能性大。大好きな彼女に寂しい思いをさせたくないジェントルマンも安心だ。

無事、着席出来たら家宝の様に大切に持っていた整理券と食券をラスボスへの挑戦状かのようにカウンターへ提出。

待っている間に装備品であるティッシュ、紙エプロン(券売機の上)、お水、蓮華、を準備。もう敵は目の前だ。

** コール**

座席の目の前の数字に注目。1~12のいずれかの座席番号が記載してあるはず。高々2桁の数字を1つだが、これを暗唱しておくとこの後コールで焦らない(経験談)。

麺が茹で上がったアラームから程なくして

「○番(座席番号)さん、ニンニク入れますか?」

という精霊(店員さん)からの一声が掛かる。

1つ肝に銘じておいて欲しい。
これに「ハイ」と答えたらもう負けだクエスト失敗。

これを直英訳するなら
「Do you need "NINNIKU" ?」
となるが、千里眼圏の国語では
「What toppings would you like? (勇者よ、戦(いくさ)前のトッピングはどうするのじゃ?)」
という意味になる。5W1Hで始まる分にYes/Noでは答えてはいけないことは中1で習ったはずだ。五月蠅い。

さぁそこでいよいよ呪文タイム。
賢者は訊かれる前から決めているはずだから、それを唱えるだけ。

筆者は冷やし中華の場合決まって
「ヤサイマシマシアブラマシマシベツサラニンニクガリマヨ」
と唱える。余分な話である。

解説しよう。
まずトッピングは(冷やし中華を想定するが)
・ニンニク(刻みにんにく)
・ヤサイ(大根のツマサラダ)
・アブラ(背アブラ)
・ショウガ(刻み生姜)※
・カラアゲ(揚げ玉を唐辛子でまぶしたもの)※
・ガリマヨ(ガーリックマヨネーズ)※

となっている。ヤサイは最初から少し入っていることに注意。

それぞれ唱えたものを適量入れてくれる。
量の調整は語尾に「マシ」または「マシマシ」と付け足せばいいが、マシマシはビギナー向きではない。それは現場で頼んでいる人を見て理解すると良いだろう。

ちなみに※マーク付きの物は言えば別子皿に入れてもらうことができる。
カラアゲはカリカリ状態でないとダメなので、必然と別皿マスト。

「いったいどのトッピングにすれば?」
という質問に関しては難しいのだが、悩んだら以下を唱えて欲しい(異論は認める)。

「ゼンブデ、カラアゲガリマヨリョウホウベツサラ」

上記6トッピングを程よく入れてくれ(ゼンブ)、カラアゲとガリマヨを別小皿(カラアゲガリマヨリョウホウベツ)で提供してくれる。1回で千里眼のトッピングタイトルを全制覇できるお得っぷりだ(ショウガは新人のトッピングにつきベンチ外にしても良い)。

追記:口煩いことを言えば、アブラとガリマヨはマストだが混ぜるとややくどい。ガリマヨは別にするのが吉。シンプルに攻めるなら「ヤサイアブラベツサラガリマヨ(ニンニク)」でも良い。1回目の来店で自分の好みを知ってほしい。

ここまで来たらこの日のクエストは終盤に差掛る。

** 戦う(食す)**

呪文を唱えて約30秒後、ラスボスの召喚獣が現れる。
その悍ましい姿にスマホのシャッターを切れずにはいられないが、ここまで来ると大概腹が減って仕方がない。構図なんて崩れる。

ここまで来たらもう五月蠅いことは言わない。
たかが1杯の冷やし中華を食べるために、ここまでこんな文章を読んでくれた貴君に感謝したい。

さぁ欲望のままに貪り喰らうがいい。きっとお喋りする間はない。

表面のシャキっとした野菜と味付きのアブラが見事に調和し
冷水でしっかりしめられた極太麺は胡麻ダレをコーティングして防御力を高めてる。
ほんのりレモン風味のする鶏チャーシューに舌鼓し
そして、味変にニンニクとガリマヨ、カラアゲを少しずつ足したら
〆には卓上のを入れてサッパリと完食し、スタンディングオベーション。

気持ちが悪い味の表現をしてしまったが、ここらへんは語彙がある貴君に後日改めたものを伺いたい。

完食したらお皿は卓上へ、ごみは券売機横のごみ箱へ、テーブルを軽く拭いて「ごちそうさまでした」とひと言伝え、戦いの地から退こう。

エピローグ

たぶん好きな人とバードkiss以上のことは出来ないが、ブレ○ケア、リンゴ、緑茶あたりを黙って摂取しよう。匂いの呪印を抑えることができる。

きっと満腹となりインスパイアされた貴君には
ニンニクを入れたことへの後悔など、殆ど起きていないはずだ。

編集後記

千里眼に通い始めてからかれこれ4年半も経っていた。

お店から広報を頼まれたわけではないが、甲子園の魔物ならぬ冷やし中華の怨念にインスパイアされ勢いで駄文を綴ってしまった。羞恥。

日頃物書きを行う立場でもなければ自己ブランディングが苦手な性分なため、きっとこのnoteはpublicではなくlocalに読まれたら封印するつもりである。申し訳ない。

ひと夏の思い出に、千里眼の冷やし中華
いかがですか。


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