もゆもゆに露出計を捧ぐ Side Story

はじめに

はい皆様こんにちは。れんずでございます。今回私は東京大学きらら同好会の合同誌『micare』に「もゆもゆに露出計を捧ぐ」として露出計を作ろうという記事を出しています。きらら同好会の記事に露出計なんて...と思われるでしょう、間違っていません。

この本誌の記事やこの記事の結論はいたって単純、次の3点です。

ぎんしお少々は最高
露出計は自作できる
でも買った方が良い

まあ、自明ですよね... ともかく、本記事では『micare』に寄稿している「もゆもゆに露出計を捧ぐ」では本筋から逸れた雑多な感想・性癖語り・技術/カメラの話題に寄りすぎた部分を適当にまとめていこうと思います。文章の進め方は若鶏にこみ先生のブログ・週報や、ちうね先生の取材記みたいなものを想定しています。私の文章より8桁ぐらいは面白いので、こちらもぜひ......

先生方の文章力には遠く及びませんが、毒は流していないつもりなので適当にオタク語りを見守ってやってください... 露出計の実際の制作過程は本誌の方に掲載していますので気が向いたときにでも紙の本で買っていただいて、他のつよつよ寄稿者様の文章に目を通していただければ、と思っております。まあ、ソースコードはきら同公式Githubで公開していますので、露出計づくりだけならすぐに試せます。

ぎんしお少々は最高

『ぎんしお少々』というこれはこれはもう最高な(語彙力)作品があります。表紙絵のくりくりおめめの視線とカメラレンズの質感にぶち抜かれて即買いを決めました。ストーリーもあたたかく、せりふ回しもよきよきで絵も美しく、極めて優r......最高です。マジで最高なのである意味危険で、気がついたら増殖しているんですよね、恐ろしい。恋アスと並んで応援したいきらら作品ナンバー1の座を占めています。

さて、ぎんしお少々の主人公 塩原もゆる (私は勝手に もゆもゆ と呼んでおりますが...) は Diana+で撮る写真家です。しかし失敗写真を量産することもしばしば。そもそもDiana+って(私は持っていませんが)露出はいくつかのシーンからしか選べないようで、FとSS(シャッタースピード)は固定だそう。そういうカメラで撮っては失敗写真を量産し、そのたびに好きになるもゆもゆはドエm...いや、なんでもない。

しかし大事なフィルムが真っ白・真っ黒で現像から上がってくるのは、傍から見ている窒素分子としてあまりに忍びない、いずれもゆもゆも35mm一眼などに手を出したときに右往左往するのはかわいそうだ、というわけで自己満足の贈り物として露出計を作ってあげたいと、そういう感情になったわけです。

まあこれはだいぶ盛ってて、お気持ちの30%ぐらいは自分の露出計が死んでいるPENTAX SP/KMに露出計をつけて、デジタルで参考露出を測らなくてもいいようなシステムを組みたいというのがありましたが...。

カメラのおはなし

オタクにとってカメラは宗教。今日もNikonのこんなとこがいいCanonのあんなとこがいい、FUJIFILMがどうしたLUMIXがこうであると論争が起き、とどまるところを知りません。私のカメラは PENTAX ですねぇ... カメラと言えば Nikon Canon の現在、私はあろうことかPENTAXに手を出しちゃいましたよ... 自分の技術思想(後述)に共鳴したってのもありましたけど、アストロトレーサーを使いたかったんですね。赤道儀なしで(あまり)流れない星空が撮れるって言うんだからこれは刺さる、星空少年Lv.1 としても元天文部長としても。加えて、マウントがPENTAX Kシリーズ以降ずっと同じなので、大昔のレンズも最新のデジカメで使うことができるのが大きな魅力です。なんならKマウント以前のマウント、M42スクリューマウントレンズも、安いリングをかませば使うことができます。いいね。まだカメラの真価を発揮させたと確信できる画を撮ったことがないのでアレですけど、いちどほんとうに暗い場所へ三脚とカメラ担いで出かけて、夜通し星空を眺めながら写真を撮りたいものです。

しかしPENTAXの新しいAPS-Cサイズフラッグシップ機 K-3 Mark III、ほしいっすねぇ... 店で触ってみても、手に収まるしシャッターはきびきび動くしファインダーはきれいだし... 私はPENTAX KPを常用しているのですが、現在KPを使い古してこの子を完全に理解したいという気持ちと、K-3 Mark III 最強では...? という気持ちが入り乱れています。

このPENTAX KPは私がちゃんと使っているはじめての1レフでして、とりあえずずっとマニュアルで撮っています。いずれKPの内蔵機能を使い倒しつつ、K-3 Mark III の価格が落ち着くか、フルサイズ1眼を買えるようになるまで待とうかというのが私のデジタルカメラ戦略です。

カメラといえばもうひとつ。PENTAX SPにも触れておきましょう。

画像1

この子は程よい重量感とシャッターの音が気に入っています。素の状態だとスタイルもすっきりしていて好きなんですよね。パンターとかT-54みたいな感じ。フルマニュアルのカメラってみんなそうなんですが、FとSSを外の明るさと自分が撮りたい画に合わせて全て世話してあげる必要があります。めんどくさい... でも現像後にデレます。写るってことですね。機械式フィルムカメラはツンデレです。ツン要素が強いです。アヤヤみたいなめんどくささ。アヤヤが素直になるということはすなわちデレたということです。気になるでしょ...?

実はフィルムカメラ、新しめの中古デジカメよりも安いので、もう一台お迎えしました。PENTAX KMがそれです。手持ちのKマウントレンズ、特にXR RIKENON 50/1.7 をフィルムで使いたいが、自動露出はいらないなぁ、星撮りをするから機械式がいい。そんな要求のもとたどり着いたのがこれです。まあいずれちゃんと使ってレポートを書くでしょう。

技術のおはなし

きらら同好会、技術力高くね...? なんか同人誌を自分がよくわからない拡張子とソフト使ってちゃちゃっと作るし、公式Githubもってるし... 技術系は一切標榜していないのにどうして... 会員が一番盛り上がる話題がプログラミングってどこのTSGですか...?

部員がコンピュータつよつよで、雑談会が何時の間にか競技プログラミングの解説会になっていたこともありました。プログラミングの話題でわからないことがあったら、きら同の雑談チャンネルに投げると10分しないうちになにかしらかえってきます。なんなんだよこの集団、やべえ。とはいえ、ここは「きらら同好会」なのできらら作品が好きならどんな東大生も歓迎です。

技術といえば、私は「ユーザーにとって必要十分な機能を備え、安い」製品/これを目指す会社が正義だと思っています。誌面に時々出てくる「技術思想」ってやつがこれです。PENTAX SPやRaspberry Pi Picoなんかがまさにその例です。

Picoのおはなし

ラズパイPico、マイコンボードとしてはたぶん最安値だと思います。一般的にマイコンとして知られているArduinoやESP32などは通信機能がついていたり、ついていなくてもどういうわけか値段が2000円を超えてきたりしています。Arduino miniだったかに780円の値札がついているのを秋月で見たことがありますが、品切れでした。このPicoも一時は品切れが続き、秋月でもスイッチサイエンスでも在庫なしの状態が続いていました。しかしこの夏以降供給が安定したのか第1波ブームが冷めたのか、店頭でも見かけるようになったため、気軽に購入できます。秋葉でご飯を抜いちゃえばもう1個追加で買える値段ですね。Picoが搭載しているRP2040というマイコンチップがそもそも安いこと、通信機能を搭載しないことで価格を抑えたのが安さの理由だと思います。通信機能を廃したことで高度なことを求めるユーザーには顧みられないかもしれないが、手に入れた圧倒的な価格力と本体の小ささはそれを超える利益があるとラズパイ財団は踏んだわけです。はたしてその目論見は一時の在庫払底、現在も購入制限が付くという大成功を収めました。今後も1匹のマイコンに処理を全部任せるタイプの機械を作るときには、これにお世話になることでしょう。

Pythonのおはなし

Pythonっていいですよね。いやわざわざここへやってくる人たちには自明かもしれません。たぶんdeepなところまで潜っていくとそれはそれで複雑な言語なんでしょう、なんてったってCの100倍遅いので。アセンブラを本で見たことある~レベルで知ると、Pythonの処理なんて膨大な量なのでしょう。しかし初学者にとってとっつきやすいのはいいことです。といい言うかまともに扱える言語がこれなので何でもこれでやるんですよね、遅いとわかっていながら...... まあ、C++も完全理解を目指して勉強していきましょうか。

ところで、adafruitという会社があります。そこがマイコン用にCircuitpPythonという言語を作って配布しています。会社HPには作例やドキュメントが非常に充実しており、お世話になりました。ひじょうに。こんなんで儲かるのか...? と思ってしまいますが、独自開発のボードやモジュール、他社の電子部品の小売りをしているそうです。自分の部品を買ってもらうために(だけではないかもしれないけど)Pythonの派生とはいえ言語とライブラリ作るんだからすごいことですよ。これからもお世話になります。

そんなことを書いていたら24日の8時。うわ~~~、大変だ......! 何か書きたいことが発生すれば、ここに追記していこうと思います。同人誌に文章+別立てnoteという形式、いいですね。伝えたいことを余すことなく伝えられ、編集追記もでき、物理本が手に残る。味をしめました。というわけで本日のよんこま文化祭ときらら同好会の新刊をよろしくお願いします~!

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