暗号学的ハッシュ関数とは?

今回は、暗号学的ハッシュ関数の特性について解説します。

暗号学的ハッシュ関数とは?

暗号学的ハッシュ関数とは、任意の長さの入力データから固定長の出力データを生成する関数であり、その入力データに対して繰り返し適用することでハッシュ値を求めます。このハッシュ値は、入力データが少しでも異なる場合には全く異なる値を取るため、データの改ざんや偽装を検出するために用いられます。

暗号学的ハッシュ関数には、以下のような主要な性質があります。

ハッシュ値の一意性

同じ入力データに対しては、必ず同じハッシュ値が得られます。ただし、異なる入力データに対しては、ハッシュ値が全く異なるという性質があります。

ハッシュ値の一方向性

入力データからハッシュ値を求めることは容易ですが、ハッシュ値から元の入力データを求めることは困難です。これを逆算することは、数学的に極めて難しいため、現実的には不可能に近いとされています。

ハッシュ値の衝突耐性

異なる入力データに対して、同じハッシュ値が生成されることを「衝突」と言います。暗号学的ハッシュ関数は、衝突が起こる確率を極めて低く抑えることが求められており、多くの暗号学的ハッシュ関数は、衝突が起こる確率が非常に低いとされています。

ハッシュ値の漏洩耐性

入力データが少しでも変更された場合には、異なるハッシュ値が生成されるため、ハッシュ値を利用してデータの改ざんや偽装を検出することができます。これにより、暗号学的ハッシュ関数は、データの整合性を保証するために利用されます。

まとめ

  • 暗号学的ハッシュ関数とは、任意の長さの入力データから固定長の出力データを生成する関数

暗号学的ハッシュ関数は、情報セキュリティにおいて重要な役割を果たしており、様々な用途に利用されています。例えば、パスワードの保管や認証、メッセージの改ざん検知、デジタル署名などが挙げられます。

ただし、最近では、暗号学的ハッシュ関数の脆弱性が明らかになり、セキュリティ上の問題が指摘されているため、より安全な暗号学的ハッシュ関数が開発されています。SHA-3(Secure Hash Algorithm 3)やBLAKE2などの新しいハッシュ関数が開発され、採用されることが増えてきています。


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