好きなマンガ-4「最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか」

悪役令嬢モノの大半は、王道というか定石というか形式美というか、まず冒頭ソッコーで王子に婚約破棄されます。早いものは一番最初のセリフが婚約破棄です。ただ、そうすると1コマ目に主人公でなく悪者王子を書かなければいけないのが作家としてのジレンマでしょう。
ということで「最後に~」では5コマ目でめでたく婚約破棄されます。

単行本1巻5コマ目


この「最後に~」ですが、この漫画の最高なところは、主人公のスカーレットさんは、自分を陥れたやつらを、拳でぶっ飛ばしていく、というところです。


気合を入れるスカーレットさん。1話から。カッコイイ。

さてもうこの漫画の独自の吹っ切れ方で読みたくなってきたところだと思いますが、ネタに走るわけでなく、ストーリーや世界観もしっかり考えられており、話がすすむと悪役令嬢恋愛モノというより、宗教戦争を描くお話になってきます。

ちょっと主人公お嬢様の強さがチートすぎるとか、後にわかってくる能力アレコレやら要素盛り込みすぎという懸念もありますが、それを丁寧にひとつずつ描き切ってしまうほおのきソラ先生の強烈な画力(絵・構成ともに)が素晴らしいです。話の巧みさ、絵のすばらしさ、そしてキャラの特性と3重にぶん殴られることになります。

2022年5月現在、5巻まで出ていますが、婚約破棄編は1巻で終わっていますので、とりあえず1巻だけ読んでみてもいいのではないでしょうか。

ちなみに5巻まで行くと、1巻の頃は「こぶしで殴る」だったのが「乱舞」になります。

「この漫画は私のためにある~~」という親近感ある漫画というよりかは、エンターテイメントで見せていくマンガだと思いますで、そういう意味では万人におすすめできます。面白悪役令嬢マンガ10傑に確実にはいる名作です!!

アルファポリスで1話が読めます。


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