朝井リョウ・加藤千恵のオールナイトニッポン0について

2015-2016にやっていた朝井リョウ・加藤千恵のオールナイトニッポンが好きだったので、何が面白かったのか考えました。


* 朝井リョウの視点の面白さ。
エッセイなどを読んでもわかりますが、朝井リョウさんの物事の見方が面白くて好きでした。面白さには大きく分けると、共感することによる面白さと、ギャップの笑い(日常と違うこと)への笑いの2種類があると思うのですが、その両方の特徴があったように思います。ダイビングが楽しめない(生きていること以外できない)とか、温泉旅行にカップルで行くのが恥ずかしい(どうせ服脱ぐのに、服を着て集合するところ)とか、その他いろいろ。共感することにしても、なんとなくもやもやと心の中にあったものを言葉として表現してもらう気持ち良さもありますし、単純に、そんな見方するの?っていう驚きの面白さもあります。そういったナナメ?の視点があったりすると、その視点・考えにがんじがらめになってしまい、動けなくなってしまったりすると思いますが、朝井リョウさんはそういった中ガンガン行動してエピソードを作っているところも特徴かなとも思います。その後始まった「ヨブンのこと」というラジオ番組ではさらに実験的な企画をしていて、企画力・行動力すごいなと思います。


* 徐々にあらわになる加藤千恵の異常性
最初は上記のような朝井リョウの視点の異常性が目立っていましたが、途中から加藤千恵さんの異常性も目立ってきます。セフレって不幸?とか、優しさはデータとか。朝井リョウ→異常、加藤千恵→ノーマルの構図に慣れてきたところで、時々挟み込まれる、加藤千恵→異常、朝井リョウ→ノーマルの構図への転換は、ヘビーリスナーほど面白く聞いていたのではないかと思います。


* 真剣さ
何かに異常に真剣な人は、みていると面白いということがあります。これは馬鹿にしているとかではなく、単純にその人の真剣さが面白いのです。クレイジージャーニーとかが面白いのもそういうとこがあるのかと思います。朝井リョウさんはハロプロ、加藤千恵さんは岡村靖幸・人狼などに対して、異常な真剣さ・熱を持って語ります。ハロプロや人狼に詳しくない私が聞いても、その真剣に語っている様がとても面白かったのだと思います。

* 素人・裏方がやっていることの面白さ
お二人とも小説家なので、基本的には裏方です。その裏方が芸能界を経験していく話は、芸能人がやるラジオでは聞けない話で新鮮さがあります。また、お二人ともラジオが好きなので、ラジオリスナーとパーソナリティーが同居していることにより、ラジオリスナーが共感するような話(エピソード的にはリスナーは体験できるようなものではないが、他の芸能人のエピソードよりはリスナーに近いような感覚)が多かったように思います。ゲストでオードリーが来た時にはしゃいでしまい、その後すぐ反省したりするところとか。表でしゃべっている自分と裏方があまり前に出るべきではないという葛藤が見え隠れするのも良かったです(http://news.line.me/issue/oa-jolf/117f6082d21f)。他のパーソナリティよりリスナーに近いお二人の言動・エピソードが他のラジオにない特徴・面白さだったように思います。ラジオ・ラジオ・ラジオのコーナーが最終回を迎えた時に、自分たちが好きなラジオっぽい企画(だんだんぐちゃぐちゃになっていくコーナー)ができたと喜んでいたのが印象的でした。


* 作家としての視点
“国境”(小説の書き出しに使えそうなフレーズを募集するコーナー)や"何故この人と話をすると楽になるのか"(ありそうな新書のタイトルを募集するコーナー)、芥川賞発表後のトークなどは、作家だからこそできる話で面白かったです。前述のクレイジーさがあっても、ただの素人のようにはしゃいでしまったとしても、作家としての仕事(本来の仕事)をしっかりやっているところが見えるから、聞いていられたのかなとも思います。


いろいろ書きましたが、また聴きたいってことです。

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