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21年勤めた会社を辞めて初の外出

健康保険の任意継続手続きのため築地を目指して外出。

任意継続には住民票が要るとのことで、まずはあざみ野駅の横浜市行政サービスへ。
あざみ野駅に着いてホームに降りると、売店横の自動販売機で購入者と売店のおばちゃんが大声でやりとりしている。
売店のおばちゃんは「ここに電話してください。うちと関係ないから」と主張して、
自販機に貼られているシールの電話番号を指差している。
言われた方は訳もわからずあたふたしている様子。そんな二人の姿を、近くにいた男の子が何事かと興味津々で眺めていた。

故障かな。何だろうな。
程度に思い、行政サービスを目指した。

行政サービスコーナーは空いていて、窓口のおばちゃん2人がおしゃべりで盛り上がっていた。
住民票申請書を書いて窓口へ。
申請書を手にした私が窓口前に立っても、おばちゃん2人はおしゃべりを止めないので、
先に印紙を買うのかな、と思って印紙販売機の方へ動いた。
するとおばちゃんが2人揃って「窓口が先ですよ!」と強めに言ってくる。

それならさっき対応しておくれよ、おいおい。

申請書を一通り確認して番号札を渡されて、
「番号で呼びますので少しお待ちください」
「呼ばれるまで印紙は買わずにお待ちください」と告げられる。

はいはい、買いませんよ、黙って待ってますよ。
私が欲しいのは印紙じゃなくて住民票ですからね。

印紙を買った後、何かの不備不都合で書類を発行できない事例が多いんでしょうね。
だから印紙は最後の最後に購入な訳ですよね。
事情はお察ししますよ。

おしゃべりしてる暇があったら、来た人にそれを伝えましょうね。

仕事を辞めて最初の外出でいきなりこの精神モードか。
先が思いやられるわ。
そんな事を思いながら、アイスコーヒーで気を取り直そうと自販機を目指す。

目の前にあったのは1缶100円の安売り自動販売機。
いや、ここはちゃんとした感じのコーヒーがいいな。
そう思ってわざわざタリーズの缶コーヒーがある自販機まで行って、140円のアイスコーヒーのボタンを押した。
すると出てきたのは小さなÉvianだった。
100mlですか?!という程小さな、初めて見る小ささのÉvianだった。

そうです、私はあろうことかあの自販機で購入してしまったのです。

売店のおばちゃんに事情を話す。
「アイスコーヒーのボタンを押したらこの水が出てきました」
この先に起こるだろう事は察しがついていたけれど、
人にはやらなきゃいけない時がある、モードになったのは何故だろう。
行政サービスのおばちゃんがおしゃべりしていなければ、自販機の方は静かに身を引いたかもしれない、とおばちゃんのせいにしてみる。

案の定売店のおばちゃんはさっきのシールを指差して、「ここに電話してください」と言う。
「そちらで電話していただけないんですか?」
言っても無駄な一言が、私を余計苛つかせることになる。
「うちの店とは関係ないんですよ」
それ言っちゃおしまいでしょの一言とは裏腹に、おばちゃんがかなり困り顔になってしまった。
おばちゃんと私のやりとりを、電車を待つ数人の人が見ている。

あれ、私が悪い雰囲気?

そうか。『売店の自販機』のような様をしているけれど、自販機と売店は全く関係ないんだね。
それは今承知しましたよ。

「もういいです」
そうとしか言えなかった。
立ち去る私の背中に、
「いいんですか?ここに電話すればいいのに」というおばちゃんの声が降りかかる。

もういいんです。本当にもういいですから。

少し離れた場所にある自販機買ったGeorgiaのアイスコーヒーが美味しかった。
やけに身に染みた。

退職最初の外出だというのにこのモヤモヤの連続はなんだろう。
帰って旦那さんに話そうにも、この手の話は聴く方もしんどいだろう。
だからここに書くことにした。

書く事を仕事にしたいなら、何でもいいから書きなさい。
おばちゃん達に書く機会をもらえたなと。
そう思うことにした。



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