映画も大好き。


ちなみに去年は367本観た。
ほぼWOWOWで。
全くあてにならない点数も付けてる。
点数無視で印象に残ってるのが[哭悲/THE
SADNESS][ボーダー・二つの世界][ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえりお母さん~][MEN 同じ顔の男たち][RRR]。去年はインド映画にハマりましたねぇ。


今年観た中で一番印象に残ってるのが中国映画[小さき麦の花]


双方の家族から疎まれ蔑まれた貧農のヨウティエと身体に障害を抱えたクイイン。
貧しい村のさらに貧しい二人。(俺ら東京さ行ぐだなんてもんじゃない)
そんな二人がある日、お前ら結婚しろと勝手にくっつけられる。(初めての対面が鏡越し)
そんな二人の貧しくはあるが俺達には絶対的に欠けている心の豊かさ、文明社会とはかけ離れた生活、そんな日常を追っている映画。


広大な中国に暮らす人々の中には今だにこんな生活をしている人々がいっぺぇいんだろうなぁと。
便利が当たり前だ、便利になることこそが文明だ、などと考えがちなこんなちっぽけだけど恵まれすぎてる島国の人々とは全く違うんだなぁと。
どっちがいいとか悪いとかそんな話ではない。
ただただホントにイロイロと考えさせられたんですよ。


理不尽な事でも望まれれば黙ってそれを受け入れるヨウティエ。

始めはクイインの失禁を見て見ぬ振り(でもこれはやさしさから)後には黙ってそれを当たり前のように拭き取るヨウティエ。

隣家から借りた有精卵を温める電球の灯りでクイインを喜ばすヨウティエ。

実兄からめんどくせえ用事を頼まれ帰りが遅くなったヨウティエを寒い中真っ暗な道で待つクイインに彼女の体調を気にして思わず声を荒げてしまうがクイインはヨウティエの為に
温かいお湯を懐に忍ばせており、そんな気持ちを愛しく想うヨウティエ。

小麦の収穫時に手足に障害がある為、力仕事が苦手でヘマばかりしてるクイインに「たらふく麦は食うくせにそんなこともできんのか!ロバだって餌をやれば働く!」とキレてその後、突き飛ばすヨウティエ。(いやいや、そんなに怒らなくてもと誰もが思うはず)

身体中麦だらけになり麦でかぶれたクイインをなかなか激しい流れの川で洗い流してやるなかなか武骨なヨウティエ。
その後その川で溺れ死んでしまうクイイン。


多少ネタばれになってしまったがまだまだ大小いろんな出来事がありますから。

あっ、実兄が虫に食われた腕をカエルで毒抜きしてるシーンはちっと笑えます。

ラストシーン違和感ありありなんですが、多分検閲入ってますなぁ。なんせ中国ですから。


自然との営みに合わせるかのように、あまり言葉を交わす事がなかった二人が朴訥だけど心のこもった言葉を交わすようになっていく様がなんとも言えない。

飼ってるロバがまたいい味だしてんだよなぁ。

何に一番ビックリってクイイン役の女優以外みんな素人。監督の近親者、知人なんだって。

タイトルにある[麦の花]とは、誰でも簡単に作れる小さな魔法なんだって。
その花は時と共に儚く消えていくが、心に刻まれたその輪郭は消える事がないっつう事なんだって。



俺は自分の心の貧しさを思い知らされた。




本当の貧しさとは?本当の豊かさとは?本当の幸せとは?
見返りを求めない尊さとは?
慈愛とは?
優しさとは?
愛しさと切なさと心強さとは?
ささやかな喜びに満たされた二人の普遍的な日常を観てあなたは何を想う事でしょう。

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