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二度としたくないライブ

─もう二度とこんなライブはしたくありません。


そうジミンちゃんが言ったとき、会場にいる本国アミ達は一体どういう気持ちだったのだろうか。私は韓国語がわからないから、もしかしたら和訳とはニュアンスが少し違ったのかもしれない。それでも、声の出せない、立ち上がることも出来ない、許されているのはアミボムを振り、クラッパーを叩くだけという中で一生懸命応援したファンがその言葉を受け入れるには、少なくない時間が必要だったのではないかと思う。


だが、果たして彼の言葉は間違いだったのだろうか。


私は間違いだと思わないし、彼がそこでいう意味があったのだと感じる。もちろんわざわざ言わなくても、という気持ちもよく分かる。あの言葉が一部の人を傷つけ、心に影を落としてしまう可能性もわかる。
きっとあの言葉に傷ついてしまった人達は、


「(皆の声が聞けない、いつも通りに楽しめない)こんなライブは二度としたくありません」


と捉えたのではないだろうか。私もそうだった。一番最初に彼らがそう言ったとき、確かにチクリと胸に棘が刺さった。声援が聞きたい、armyの声が聞きたいと常に言っている彼らの言葉があったからだ。
けれども、まだ1年ほどの浅い年月ではあるが、私の知っている彼らはそういう考えだけで言葉を発する人達だったのだろうかと思い返したとき、もしかしてあの言葉は、


「(army達がこうして自分達を目の前にしてこんなに苦しそうに不自由に応援しなくてはならないのに、自分達にはどうすることもしてあげられない)こんなライブは二度としたくありません」


だったのではないかと思ったのだ。もちろん最初の、いつも通り楽しめないという気持ちもあっただろうが、きっと彼らの焦点はそこではない。
そしてそう思えたとき「だから彼らは立ち止まらずに成長していけるのだ」と納得できた。

本意とは関係なく、素晴らしいライブでした、と言うのは簡単だ。アイドルとして、そのように言うのが正解ですらあるのかもしれない。
そんな中でarmyを8人目のメンバーかのように対等に向き合ってくれている彼らが発した「今の彼らの言葉」は、確かに柔らかく、あたたかいだけのものではなかったし、あまりにも不器用だと思った。だがそこには、もう二度こんな窮屈な思いはさせたくないし、したくない。必ずまた皆で大声で騒ごう!その日が来るまで絶対に俺たちは立ち止まらないから、という決意のようなものがあったように感じた。

もちろんこの言葉の真意は本人達にしか分からない。これは私の希望的憶測が多分に含まれた解釈である事も承知している。それでも、こんなに売れているのにいつまでも不器用で不完全で人間くさい私の大好きな彼らが、私たちに向けて発した言葉をしっかりと受け止めて信じていきたいと思ったことに、今は何の迷いもない。





※ジミンちゃんがお話してくれた言葉は、便宜上「こんなライブは二度としたくない」としていますが、意訳である事をご了承いただけると幸いです。

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