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レイズ額はBBの3倍がよいとされる数学的な根拠【ポーカー】

ポーカーのプリフロップでレイズする額はどれくらいがよいのか?

この問いに対して、ビッグブラインドの3倍という答えをよく聞きます。この答えがいつも正しいわけではないが、とりあえずこの額をレイズしておけば間違いないという1つの最適解になっていると思います。

ではなぜビッグブラインド(以下BB)の3倍がよいのか?

このレイズ額が自身や相手にどのようなプレッシャーを与えるのか、数学的な根拠でわかりやすい説明があったので備忘録も兼ねて書いてみました。なぜBBの3倍が最適なのか上手く説明できない人は、最後まで読んでみて下さい。

-- 参考書籍:ステップアップポーカー

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前提として、SBがチップ1枚でBBがチップ2枚。プリフロップでTTのカードが配られたとします(画像はAAだがスルーで)。

自分が最初にアクションするプレイヤーだったら、TTはフォールドするハンドではないはず。つまり最低でもコールとなる。だが今回はレイズするとして、ポットにはSB + BBの計3枚チップがあり、BBの3倍レイズすると6枚のチップをポットに入れることになる。

ここで考え方のポイントとして、TTのようないいハンドはコール分に相当する2枚のチップはもうポットに入っているものとして、ブラインドの3枚とコール分の2枚で計5枚のチップがポットに入ってると考えます。

BBの3倍にレイズして全部で6枚のチップを入れようとするならば、コール分の2枚を上回る4枚の追加チップがポットに入ることが正当化されなければならない。つまり5枚のチップを取るために4枚をベットしているわけで、ポットに対して5対4のオッズができたことになります。

このオッズはおよそ45%(4 ÷ 9 * 100)で、この勝率より多く勝つ必要がありますが、45%という数値はそれほど大きなプレッシャーにならないはずです。なぜならプリフロップで全員がフォールドしたり、フロップ後に相手がボードと絡まない確率は3分の2ほどある。

そう考えるとプリフロップでオリジナルレイザーがヘッズアップで勝てる割合は60%は見込め、必要勝率である45%を超える計算になります。
※あくまで数学的な根拠であり、プレイヤーのレベルやその他の要素は除外している点に注意

レイズすることで自分自身にもプレッシャーをかけるが、勝つ確率も大きく高めてくれます。まとめるとBBの3倍でレイズするというのは、比較的プレッシャーが弱く利益率を高めてくれるサイズと言えます。

ちなみにレイズ額をBBの4倍にすると、2枚のコールの上に6枚のチップを追加することになりポットにある5枚を取るため6枚をベットすることになり、オッズは5対6でおよそ55%の勝率が必要になります。もしレイズ額を5倍にすると60%ほどの勝率が必要で、このあたりで止めたほうがよい感じになります。これ以上にすると自分自身に”勝たなくてならない”とプレッシャーをかけ過ぎることにもなります。

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さいごに、コールしないようなハンドでレイズしたらどうなるかを数学的な根拠から考えてみましょう。

例えばプリフロップで72oという弱ハンドが配られたとします。このハンドでコールという選択肢は除外してフォールド or レイズで、ジャストコールできないようなハンドでレイズする場合はここでベットする全てのチップに対して数学的プレッシャーを考えます。

つまり0枚か6枚であり、ポットにあるブラインド分の3枚を取るために6枚をベットすることになり、オッズは3対6で67%ほどです。72oの屑ハンドで勝率が67%以上ないと割に合わない状況はかなり厳しいです。

以上がレイズ額はBBの3倍がよいとされる数学的な根拠になります。私も最初に本を読んでなるほど、と思ったので記事にしてみました。

ここで紹介したステップアップポーカーでは、ポーカーにおけるアクション全てに理由を持てをコンセプトに、数学的な根拠から様々なシチュエーションで最適なアクションを紹介してます。

ポーカーがステップアップしたい方は参考になるかもしれません。

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