過去の仕事でのできごと②

前回のつづき。

夜間仕事が大半ではあったけど、昼間の仕事も結構あった。

仮設で建てられている壁内での作業とかメンテ中のエリアでの作業だった。

毎回担当の場所によって管轄する人達が変わるのだがそこは昼間で壁を隔ててすぐ近くにお客さんがいるにも関わらずめちゃくちゃ怒鳴る人が仕切っていた。

よくそんなにずっと腹から声出していられるなと思うくらい、全ての指示を怒鳴っていたので、皆その人のことを恐れ、嫌っていた。

完全に悪口なのだが、皆その人のことを「金髪ブタ野郎」と呼んでいた。

私は、なんて酷い悪口!と思いつつ、「金の豚ってめっちゃ縁起良さそう」と思った。

私の上司たちは毎度毎度その現場に入る前に少しでも怒鳴られないように仕事の順序や内容を何度も見直していた。

最強のラスボスを前にセーブポイントで攻略法を探している感じだ。

「DREAM王国の裏側にいる、闇を抱えたラスボス」
そんな存在だった。

そんな中、私はまだ初心者ということもあってか、一度も怒鳴られたことがなかった。

たぶん、「女でまだ若くて初心者」だから。

助かった、という気持ちと、何で同等に扱われない?というモヤモヤとで複雑な気持ちだった。

任せられた仕事は「ビスの頭を周りの色と同じ色で塗る」という、周りと比べたら地味な作業だった。紙コップに出した塗料を調色しながらちょびちょびと筆の先で塗っていく。

失敗しようのない仕事で助かったが、手に持つ紙コップの塗料をこぼしたらTHE ENDなのでそれだけに注意をはらっていた。

ながれる陽気な音楽と、常に聞こえる怒鳴り声、緊張感でカオス状態。

「前はあんな人じゃなかったのにね…」
という話もちらほらと聞いた。

同じように上の人に罵倒されてきたのか、もっと違う、あまりに辛い人生経験をしてきたのか。

それは分からないけど、「そういう人もいる」くらいに自分とは切って離して捉えるのが自分には健全だなと思った。

人の人生を勝手に想像するのは失礼だし、怒鳴りはするが仕事は正確だし、指示も的確だったからだ。

しかしながらこれは明らかなパワハラだし、常に怒り怒られるというのは確実に精神が削れるので、「怒鳴る方も怒鳴られる方も自分の心のケアを第一にしてくれ」と願うばかりだった。


私ももし人に強く当たりそうなったら、自分の心身のケアをまずしよう。


今回はこんくらいにしとこかな〜

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