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自己紹介草(#毎週ショートショートnote)
枕元の目覚まし時計がルルルル、と軽やかに鳴った。
と同時に、勝手に体がはね起きる。
昨日までの怠惰な自分がウソみたいだ。
顔を洗い、鏡を見て大きく深呼吸をした。
さあ、旅立ちの時。
ついにこの日がやってきたのだ。
「自信を持て。大丈夫さ」
鏡の向こうの僕に笑いかける。
慣れ親しんだ部屋も今日でお別れ。ドアノブを静かに回した。
その途端、眩い光に包まれた。
同時に僕の体から、すごい力で何かが引きずり出されていく。
「…ッ…くううッ…!!」
激しい衝撃に、気が遠くなった。
◇
「あれ、ここは…」
気がつくと、僕は黒い土の表に顔を出していた。
頭上には青い空。初めて浴びる優しい陽射し。
ああ、これが世界ってやつか。
辺りを見回せば、そこら中大勢の仲間たちがいた。
「ハコベと申します」
自己紹介をしながら胸が高鳴る。
「初めまして、ナズナです」
「ホトケノザってんだ。ヨロシクな」
春の野辺はサワサワと、賑やかなことこの上ない。
ま、人間には聞こえないだろうけどね。
(411字)
「王様のアイデア👑」とのコラボ企画へのバージョンアップ(⁉)、誠におめでとうございます。
OL時代(大昔)、地下街にお店があって、気合いを入れた贈り物を選びたい時にはよく行ったんです。
決して広くはない店舗に、粋でお洒落な物がギッシリ。懐かしい記憶が甦ります(^-^)
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