突然の猫ミーム(#毎週ショートショートnote)
「ほんとによく食べるねえ」
黒白のハチワレは夢中で3杯めの猫缶にがっついている。
もとはお隣に現れたノラだったが、いつかわが家の方に棲みついた。
愛猫を老衰で亡くした私にとっては思いがけない出会いで、残っていたフードをやるうちにすっかり懐いたのだ。
若い雄で、体も大きく食欲は旺盛だ。以前の子の数倍の量を1度にぺろりと平らげる。
最近は、このフード代が質素な年金暮らしを圧迫し始めた。
「だけど可愛いもんねえ…」
ヘソ天で寝転ぶ姿を眺めてはため息が出る毎日。
◇
あ