人に認められる

もともと占いで稼ぐつもりが無かった私

私が占い師になったのは、ある宴会で人に話しかけてもらいたかったからだ。

自分から話しかける勇気の無い私が、人から話しかけてもらえる方法を考えた結果たまたま持っていたタロットカードを持って行ったことがきっかけ。

なんでタロット持ってるんだよってツッコミはさておいて、そんな自分範囲の理由で始めた占いなため、そのことで金を取るつもりは元々なかった。

なぜなら「話しかけてもらう」という対価を先にもらっているから。

そのお返しとしての占い。

それ以上の物をいただくなんて恐れ多かったのだ。

定期的に開催されている宴会なので、次に参加したときには私の顔を見るだけで「今日も占いやっていますか?」と尋ねられた。

作戦は成功した。そのことが嬉しかった。

その宴会では「占いの人」として認知されたのだ。

幸いなことにその宴会内で他に占いをやっている人はいなかった。

占いを出来る人はいたし、プロも遊びに来ていて冷や汗をかいた。

なにせ当時の私はカードの意味がほとんどわからずに感覚でやっていたから。

意味のわからないカードは後から必死に調べて補完した。

話しかけてもらうという目的だからこそ出来た拙い占いも充分に効果を発したのだ。

ある時その宴会で仲良くなった人に言われたのは「お前は金を取れ」と言われた。

その宴会ではチップやらお捻りを推奨していたこともある。

最初は受け取ることを渋っていたが半ばムリヤリ受け取らせられて、他の人からもお捻りをいただけるようになった。

その宴会の代金は3,000円。

いつのまにか占いだけでその宴会代をペイできるようになっていた。

認められればお金をいただける。

その成功体験は結果私を占い師にすることになった。

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