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型月円卓好きに贈る『アーサー王物語』のススメ(200):死ぬほど長いトリストラム卿の冒険~アレクサンダー卿の冒険~

前回までのあらすじ:アレクサンダーが父の死の真相を知った。

アレクサンダー卿の冒険(第35~36章)


アングリディーズ「さて、わたしはそなたに要求し命令します。わたしの祝福と騎士としての位にかけて、マーク王に復讐し仇を討ってください」


アングリディーズはこう言って気絶した。
アレクサンダーは母のところに飛んでいって抱きかかえて言った。


アレクサンダー「母上よ、あなたはわたしにたいへんな重荷を与えられました。でもその時が来たならば、必ずマーク王に復讐することをこの場で誓います。このことを神と母上に賢います」


こうして祭日は終わった。それからアレクサンダー卿は同じ日に騎士となった20人と馬上槍試合を行った。
アレクサンダー卿は見事全員に勝利した。
だが、この20人のうち1人はマーク王のところへ行って、アレクサンダー卿が騎士になった事、アングリディーズが与えた重い使命などをマーク王に伝えた。

<ツッコミ>
ち、チクリ魔~~~~!!!!
いきなり前途多難だぞ!!!!


マーク王「何と悲しいことか、悪い計略にあうとは。あの幼い裏切り者は死んだと思っていたのに。ああ、いったい誰を信用すればいいのだ」


マーク王は剣を手に取り、サドック卿を殺すために部屋中を探し回った。

<ツッコミ>
キングオブお前が言うなじゃん???王だけに。
裏切ったのはお前だし、悪い計略をやったのもお前だし、信用できる相手がいないのもお前のせいだよ!!!!!

サドック卿はマーク王が迫ってくるのを見て言った。


サドック卿「気をつけろマーク王よ、それ以上近づくな。確かにわたしはアレクサンダーの命を助けた。それを後悔したことは一度たりともない。
あなたは卑怯にもその素晴らしい手柄を好んで、彼の父親ボドウィン王子を殺してしまった。
だからわたしは父の仇を討つ力をアレクサンダーに与えたまえと、全能の神イエスに祈っていたのだ。マーク王よ気をつけろ、今こそアレクサンダーは騎士となったのだからな」
マーク王「ああ情けない。わたしの目の前で裏切り者が、のうのうとしゃべっているとはな」


<ツッコミ>
だから裏切ったのはお前なんだっつうの。

そこにマーク王の騎士4人が来て、サドック卿に切りかかった。まあ全員サドック卿に殺されたんだけど。
サドック卿は自分の部屋に武具を取りに行ってから去っていってしまった。
サドック卿に敵意を抱いていないトリストラム卿、ディナダン卿、ファーガス卿が皆留守だったのだ。

マーク王はブチギレた。アレクサンダー卿とサドック卿を絶対に殺そうと決意した。

一方アレクサンダー卿が騎士になった事を知ったトリストラム卿は、すぐに手紙を送って「急いでアーサー王の宮廷に行きラーンスロット卿の保護を求めろ」と伝えた。
アレクサンダー卿はその意見に従おうと考えていた。

マーク王の方は、アレクサンダーの事おを知らせた告げ口野郎を呼んでこの国にとどまるよう告げた。


告げ口騎士「王よ、そうせざるを得ないのです。自分の国にはもう戻れませんので」
マーク王「無理は言わぬが、そなたには今まで自分の国で持っていた土地と同じものをこの国で与えよう」


なおこの告げ口野郎はまもなくサドック卿に殺されてしまった。マーク王はキレた。
モルガン・ル・フェ王妃と北ウェールズの王妃に手紙を送って頼み事をした。
どうもこの二人の魔法使いの王妃、国中にいる魔女たちやマラグリン卿やブルーンズ・サン・ピティ卿といった騎士を支配しているらしい。

<ツッコミ>
クソカス卿、この王妃たちの配下か……。
だからあんなにクソカスなんだな……。

そいつらを配置してアレクサンダー卿を逃げられないようにしてから捕らえるか殺すかしてほしいと依頼した。

一方命を狙われる事になったアレクサンダー卿は母と別れる時に父の形見をもらったが、それを生涯身に付けてきた。

<ツッコミ>
マジか……血がついたダブレットとシャツをずっと……?
正直ちょっと引くんだが……?

アレクサンダー卿はトリストラム卿が勧めた通り、ラーンスロット卿に頼るためにロンドンに向かった。
だが道を間違えてしまった。そこではキャラドス王が開催した馬上槍試合の勝ち抜き戦をやっていた。
アレクサンダー卿はこの試合に出場し、キャラドス王とその20人の騎士、パロミデス卿の弟のサフィア卿をボコして賞品をゲットした。

この戦いの一部始終を見ていた乙女がいた。
その乙女はモルガン・ル・フェ王妃のところへ行き、見た事を伝えた。


モルガン・ル・フェ「よくぞ知らせてくれました。それがわたしの会いたかった騎士なのです」


モルガン・ル・フェ王妃は婦人用の子馬で会場近くに天幕を張って長いことそこで休憩した。
そこに4人の騎士がやってきた。2人は武装し残りは武装していなかった。
彼らはモルガン・ル・フェ王妃に名乗る。
イライアス・ド・ゴメレ、カー・ ド・ゴメレ、武装していた2人だ。
ほかの二人はキャメラードの者で、グィネヴィア王妃の兄弟だ。
ガイ卿とガラント卿、武装していなかった2人だ。

騎士4人は若い騎士に倒された事をモルガン・ル・フェに話した。


騎士「その城の乙女が言うには、その騎士は若く最近騎士になったばかりとのこと、だがわれわれが思いますには、トリストラム卿やラーンスロット卿、それに立派な騎士のラモラック卿ほどの騎士でなければ、あの騎士の槍の一撃にはえられないでしょう」
モルガン・ル・フェ「さて、その騎士がこの国に滞在していることがわかれば、あまり時が経たぬうちにその騎士と会うことになるでしょう」


今度は先程の乙女に話が移る。彼女はアレクサンダー卿が4人の騎士を破った時にアレクサンダー卿を呼んでこう言った。


乙女「騎士さま、わたくしのためにこの国のある騎士と戦ってはいただけませんでしょうか。
その騎士は長いこと良くない隣人でしたし、今でもそうです。
名前はマラグリン卿と言って、わたくしの結婚を邪魔しているのです」
アレクサンダー卿「乙女よ。わたしがここにいる間にその騎士が現れたなら、その時は戦いましょう。あなたのためにこの体を危険にさらします」


<ツッコミ>
マラグリン卿、さっき名前が出てきたな。モルガン・ル・フェ王妃の配下だ。

マラグリン卿は乙女が呼ぶとすぐにやってきた。マラグリン卿とアレクサンダー卿は戦い、マラグリン卿は落馬させられる。
だがマラグリン卿はすぐに起き上がって徒歩での戦いを挑んだ。アレクサンダー卿もその戦いを受けた。
3時間ほど戦っている間に、モルガン・ル・フェがやってきてこの戦いを見物した。

マラグリン卿、割とベテランらしい。だからアレクサンダー卿も苦戦していた。
ついに二人ともうつ伏せに倒れた。


マラグリン卿「さて、騎士よ。しばらく手をやすめ、身分を明かしてくれ」
アレクサンダー卿「いや、それはよしておきたい。わたしがそうしたくなるまではな。だがそなたの名前と、なぜこの国に尽くしているのかを言ってもらいたい。さもなくば殺す」
マラグリン卿「よしわかった。よく聞けよ。この城の乙女への愛のために、
わたしは十人の騎士を殺し、自分の怒りと自負のためにもう十人殺した」
アレクサンダー卿「何たることか。騎士の告白でこんな悪辣なものは聞いたことがない。これ以上あなたを生かしてはおけない。さあ、覚悟はよいか。真の騎士としてそなたに警告するが、そなたがわたしを殺すか、わたしがそなたをやるかだ」


そして二人はまたぶつかり合い、ついにアレクサンダー卿はマラグリン卿を殺した。
戦い終えたアレクサンダー卿は馬に乗ろうとしたが、ひどい疲れのために乗ることができず、彼はこう言った。


アレクサンダー卿「おお神よ、助けたまえ」


そこへモルガン・ル・フェがやってきて、「しっかりなさい」と言いつつ担架に乗せて城に運んだ。
アレクサンダー卿、16もの傷のうち1つが致命傷だったらしい。

<ツッコミ>
アレクサンダー卿がモルガン・ル・フェの魔の手に!?
これは面白くなってきた。

では、また次回。

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