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型月円卓好きに贈る『アーサー王物語』のススメ(6):ガーウェイン卿毒殺未遂事件~決闘の顛末~

前回のあらすじ:グィネヴィア王妃のために決闘してくれる謎の騎士が現れた! 一体何スロットなんだ……。

決闘の顛末(第7~8章)

何故かフランス出身でグィネヴィア王妃と不倫してそうな気がする謎の騎士は、王と話した末、彼がグィネヴィア王妃のために戦うという事になった。
ボース卿以外は皆その正体には気がついていない。
マドール卿と謎の騎士は1時間近く決闘を繰り広げた。ここが本来は一番の見せ場なのだろうが、真面目に決闘しているという事はツッコミどころが全くないという事なので盛大に飛ばさせてもらう。

いくらマドール卿が強かろうと、相手は作者の寵愛を受けたラーンスロット卿……じゃなかった、まだ謎の騎士だった。とにかく勝ち目はなく、案の定負けた。
負けたマドール卿は命乞いをしながら降参し、王妃の告訴を取り下げると言い出す。
(あ、従兄弟の名誉より自分の命の方が大事なんすねとか言ってはいけない)

謎の騎士は王妃を永久に解放する事を条件にマドール卿の命を助ける。アーサー王はグィネヴィア王妃の命の恩人に感謝し、兜を脱いで休むよう告げた。
謎の騎士は兜を脱ぎ、ここで正体がラーンスロット卿だったと分かったのである。
な、何だって! まさか謎の騎士の正体があのラーンスロット卿だったなんて!(すっとぼけ)

それを知ったアーサー王はグィネヴィア王妃と共にラーンスロット卿のところの行き、礼を述べた。それに返答したラーンスロット卿の言葉がこちらである。


「王よ。王とわが王妃の争いごとに対しては、わたしはいつでも お味方して戦おうとしております。
なぜならわたしを輝かしい騎士団の一員に任命してくださったのは王ですし、またその王妃はわたしに栄光をもたらしてくださいました。
実はその日、わたしは恥をかくところだったのです。騎士叙命式の日にわたしは急いでおり、剣をなくしてしまいました。
あなたさまの王妃がそれを見つけ、裾の中に包み、それを必要なときに渡してくださらなければ、居並ぶ騎士のなかで恥をかくところでした。
ですから、アーサー王よ、あの時以来、良きにつけ悪しきにつけ、わたしは王妃さまの騎士になることをお誓いいたしたのです」


それを聞いたグィネヴィア王妃は、あんなにひどい仕打ちをした自分にこれほどまで親切にしてくれたラーンスロット卿を思い、悲しみのあまりに泣き崩れてしまった。
そして騎士たちが集まってきて互いに喜び合い、2人の騎士は手当を受け傷も癒え、平和が戻ったのであった。めでたしめでたし。

<ツッコミ>
いやいやいやいやいや? 何も解決しとらんが? パトリス卿を殺した犯人わからんままだが?
あとその馴れ初めエピソード何? どこに書いてあった?
(『アーサー王物語』、伏線もなく湧いてくる新設定が多すぎるのでちょくちょくこういう混乱が起こる)

さて、本当に「めでたしめでたし」で終わったわけではなく、ちゃんと後日談がある。
キャメロットに湖の乙女が訪れ、王妃の悩みを聞くと真犯人とその動機を詳らかにしてくれたのだ。
犯行がバレたピネル卿は逃げ出し、今度こそ平和が戻った。
パトリス卿は立派な墓に埋葬された。めでたしめでたし。

<ツッコミ>
雑!!!!! 真相究明パートが雑!!!!!
かの有名な「デウス・エクス・マキナ」のやり口である。「書きたいとこ書いたからあとは適当に済ませよ」と言わんばかりだ。
「乙女えもーん! 私の無実が証明されたのはいいけど、パトリス卿を殺した犯人がわからないよー!」
「しょうがないなあグィネヴィア太くんは。タイムテレビー!」
もうこういう事じゃん。便利すぎる。

そんなわけで、ガーウェイン卿毒殺未遂事件は幕を閉じた。
今後もこんな感じで紹介をしていきたい。

では、また次回。

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