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型月円卓好きに贈る『アーサー王物語』のススメ(235):円卓の崩壊~和解の勅書~

前回までのあらすじ:悪気なく煽ってくるラーンスロット卿。

和解の勅書(第13~14章)

激おこガーウェイン卿が馬上槍試合を申し出た。あ、戦争中でも試合とかするんだ……。
気性の激しいライオネル卿は早速応戦したが、ガーウェイン卿にやられてエクター・ド・マリス卿などに回収された。

<ツッコミ>
ライオネル卿、気性激しかったんだ……確かにボース卿を殺しにかかってきた時はだいぶ気性激しい感じだったな……。

戦闘が激しくなり、多くの者が命を落とす中、ラーンスロット卿がアーサー王側の人々を救うためにできる事をしていた。
ボース卿、パロミデス卿、サフィア卿など一度狙った敵を生かしておかない騎士3人、更にブラモー卿、プレオベリス卿、ベリンガー卿を加えた6人が相手に多くの損害を与えていたそうだ。
アーサー王はラーンスロット卿を殺そうと狙っていたが、ラーンスロット卿は決してアーサー王に攻撃しようとしなかったのだ。

一方狙った敵は逃さないという超かっこいい属性がついたボース卿はアーサー王と対戦し、アーサー王を落馬させた。
馬を降りて剣を抜いたボース卿は、ラーンスロット卿にこう言う。


ボース卿「わたしがこの戦いを終わりにしましょうか?」
ラーンスロット卿「そんなひどいことはするな。おまえの首が飛ぶぞ、それ以上王にもう触れるな。
わたしを騎士に任命してくださった気高い王が、殺されたり辱めを受けたりするのを、わたしは黙って見ているわけにはいかないのだ」
(ラーンスロット卿、馬から飛び降りてアーサー王を抱き起こして馬に乗せる)
ラーンスロット卿「王、どうぞこの戦いをおやめになってください。もしもわたしが本気になって戦ったなら、王の側には、勝利の誉れは得られないでしょうから。
いつもわたしは王に対し、自分の言いたいことを差し控えてまいりましたのに、王もそれにお味方の誰も、わたしに対して、少しも容赦はしないようですね。
ですから、これまでわたしが王のためにしてまいりましたことを思い出してください。今わたしは不当な扱いを受けているのですから」


<ツッコミ>
「わたしがこの戦いを終わりにしましょうか?」(ここでアーサー王を殺しますか?)
こわ……丁寧な口調で殺意を表明してくるのこわ……。
まあそれは良い。ラーンスロット卿、「今わたしは不当な扱いを受けているのですから」って何???
もしかして……自分に原因があるとは思っていらっしゃらない?

だがそう言われたアーサー王はラーンスロット卿から受けた優しさを思い出し、泣きながら「ああ悲しいことだ、何でこんな戦いが始まったのだろうか?」と言いながら走り去ってしまった。

<ツッコミ>
「何でこんな戦いが始まったのだろうか?」
ラーンスロット卿とグィネヴィア王妃が不倫をした上にガレス卿とガヘリス卿をうっかり殺したからでは……?

さて翌日、ボース卿が正面の軍隊を率いていると、ガーウェイン卿が槍を持って突撃してきた。
ライオネル卿の仇を取ろうとボース卿はガーウェイン卿に立ち向かい、お互い負傷し倒れる。
ボース卿はラーンスロット卿に助け出されて一命をとりとめ、ガーウェイン卿も無事だった。

ここでボース卿の代わりにか、ラヴェイン卿とアリー卿は戦って欲しいとラーンスロット卿に頼みだす。


ラヴェイン卿&アリー卿「というのは、あなたは我慢して、ご自分をおさえているように見受けます。だから味方に大きな損失を与えているのです。ですからどうぞ、敵と同じように戦ってください」
ラーンスロット卿「ああ悲しいことよ。わたしはアーサー王と戦う気にはなれないのだ。わたしが思うに、自分の好きなようにしていないと思えるのだ」
パロミデス卿「あなたさまが、一日じゅう敵に余裕をお与えになったところで、あなたに感謝などしないでしょうよ。もし彼らがあなたを捕らえたなら、あなたは死んだも同然でしょうね」


ラーンスロット卿はこの忠告と、ボース卿が重傷を負った事を考えて気を引き締め、敵を多く殺した。
ガーウェイン卿が負傷した事により、アーサー王側の士気は落ちてしまったようだ。

<推しが活躍した喜び>
ボース卿、大活躍している……重傷こそ負ったもののラーンスロット卿に相当貢献している……。
嬉しい……嬉しい……。

この戦いはローマ教皇の耳にまで届き、教皇はアーサー王にラーンスロット卿と和解しグィネヴィア王妃と和解するよう命じた。

<ツッコミ>
外部の人間が余計な口を挟んでくる~~~めんどくせ~~~~。

そう言われたアーサー王は困った。アーサー王は和解したかったが、絶対ラーンスロット卿殺すマンアヴェンジャーであるガーウェイン卿が許さなかったのだ。
グィネヴィア王妃を迎え入れる事は良いらしいが、ラーンスロット卿との和解は絶対に嫌だったらしい。それはそう。

なのでラーンスロット卿が行って帰るまでの無事を保証し、グィネヴィア王妃は過去の出来事に対して誰からも非難されない事を保証するという内容の手紙がラーンスロット卿に届けられた。


ラーンスロット卿「そのようなことは、考えたこともございません。王妃を我が王から引き離しておこうなどとは。そうしたのはこういうわけなのです。
すなわち、わたしのせいで王妃は火あぶりにされるところでしたので、わたしは王妃の命を救いし、王妃を危険な状態がなくなるまでお守りしておくのが、わたしの役目だと思ったのです。
でも今は神に感謝いたします。教皇が王妃に平和をもたらされましたので。
そして神のみぞ知ることですが、わたしには王妃をお返しするほうが、王妃を連れ去るよりは何千倍も嬉しいのです。
もしも往復が安全だという保証があり、また王妃が自由の身になられ、これまでどのように言われていたにせよ、これからは決して危険な目にあわないならですが。
でなければ、わたしはどんな危険な目にあおうとも、今までにないようなひどい争いから、王妃をお守りしたいと思っています」
手紙を持ってきた司教「そのように心配される必要はないでしょう。おわかりのように、教皇の言われることには従わねばなりませんし、あなたが危険にさらされたり、王が苦しんだりすることは教皇の名著になりませんし、くだらぬわたしめの名誉にもならぬことですかも」
(司教、アーサー王からの書状をラーンスロット卿に見せる)
ラーンスロット卿「これは非常に信頼のおけるものですね。わがアーサー王の直筆の書状と印璽※ですので信頼いたします。王は決して約束を破ったりなさいません。
ですのであなたは王のところにわたしより先においでになり、王にわたしのことをよろしくお伝えください。
そして今日より八日後に、きっと王のもとにグィネヴィア王妃をお連れするとお伝えください。
わたしは王妃につきましてはどうなりとも弁明いたしますし、王とガーウェイン卿は別としても、何事も恐れて言わないなどということはありません。これは王に対する愛のためです」


※印璽(いんじ)。国の大事な印的なものらしい(Google調べ)。

司教はカーライルにいるアーサー王のところにやってきて、ラーンスロット卿の答えを話した。
アーサー王は泣いた。

<ツッコミ>
マジか……アーサー王、本気でラーンスロット卿と仲直りしたいのか……。
そっかあ……。

ラーンスロット卿たちは着飾り、「喜びの城」からカーライルにやってきた。
そこでは多くの人が泣いていた。
ラーンスロット卿はグィネヴィア王妃を王に引き渡し、こう言った……というところで次回に続く。

では、また次回。

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