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【全文無料】黒ガイアッシュ覇道解説【勝率7割越え】

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1.序文

小判です。
今回は最近CSで使用していた黒ガイアッシュ覇道についての文章を書きました。

直近の3CSで使用し
4/10ガルドcs 5-1 3位
4/16デッキーcs 4-2 7位
4/17デッキーcs 5-1 6位
同上(シェアした友人) 5-1 5位
という優勝とまではいかなかったものの、8割近い勝率と良成績を収めることが出来ましたので、この機に構築、及び構築論についてまとめていくつもりです。

前置きはここまでにして、本編に進みます。
(以降、常体を用います。)

2.構築経緯

黒型にすることによって発生する利点、及び欠点を構築の経緯と目的と共にまとめる。

◇構築上の目的

今回目指したのは
①赤単・JO・アナ退化の3対面に対して受けギミックを成立させること
②能動的なボード&リソースコントロールができること

の2点

①について、シータ型と同様に受けて返す術を確立させることが必要である。環境内の殴るデッキに対する受け札として鍵になるのがG・Sの枚数と、《一王二命三眼槍》の存在。
【赤単】・【JO退化】に対してはG・Sを始めとした受け札でキャッチして《カツキング》や《ガイアッシュ》を起点に返す、という構図が作りやすい。
特筆すべきこととして、【JO退化】対面では《禁断のモモキングダム》を想定する都合上G・Sを当てられない可能性も大いにあるため、盾に2枚以上現実的に埋まり得る枚数を確保したい
また【アナカラー退化】などの除去札のほとんどを無効化する対面において《一王二命三眼槍》の通りが良い(というか対抗策として用意できる)のも周知の通りである。

②について、現環境における《カツキング》&《プチョヘンザ》による盤面制圧の通りが良いのは《カツキング》を採用した【volzeos-balamold】が示した通りだと思う。
真面目に盤面を作るデッキを牽制し、先に動く対面に対して《ガイアッシュ》&《覇道》でカウンターを図るというシータ基盤のそれから特別コンセプトを変える必要はない……

という訳でもなく、実際《カツキング》+革命チェンジにおるボードコントロールが通用しない対面は多く、カウンターがコンセプトに据えられている以上、基本的にはデッキ全体が受け手に回ることが多い。6マナ支払って繰り出される《ガイアッシュカイザー》に圧がないと言えば嘘になるが、《覇道》をキャストして攻め込むのに1ターンラグが生じるのが何よりも致命的で奇襲性がないのが能動的な動きの弱さを際立たせている。
《カツキング》、《ガイアッシュカイザー》は盤面で勝負する時に輝くカードであり、いずれも手札を整える役割を担ってはいるもののリソース勝負を背負えるとは言いにくい。この点で、盤面で戦わない対面におけるリソースゲームを成立させる存在が必要だと感じた。

《ガイアッシュカイザー》が処理されることで生じるラグを埋めつつ、単独でリソースゲームを優位に傾けられるもの、そこで辿り着いたのが《ロストRe:ソウル》だった。
黒単でG・Sを持ち、6マナ時の《ガイアッシュカイザー》から繋がる7コスト、それでいてシンプルな全ハンデス。必要な役割を全うするには十分なスペックである。

《一王二命三眼槍》と《ロストRe:ソウル》。この2つの要素を以って黒型を組み上げるに至った。

◇黒型の利点

・相手の戦力の直接的な妨害手段の増加(今回でいう《ロストRe:ソウル》)
・独自の受け札が採用できる(《一王二命三眼槍》)
・《天災デドダム》

◇黒型の欠点

・色基盤の不安定性
・《モモキングRX》+革命チェンジ、及び《アルモモ》の放棄

◇構築論

現環境において《モモキングRX》+《アルモモ》による牽制を狙うのは【JO退化】がより早く《アルモモ》を呼べることから、環境全体である程度対策が進み、以前よりはその強みが失われている。
そのため《RX》+《アルモモ》を切り捨てるのはそこまで痛手ではないと断定した。
それ以上に問題なのは、4色基盤を成立させること。
各色の枚数、単多色比率に細心の注意を払いつつ、それでいて動きを弱くしないことに用心しなければならない。
・序盤に《デドダム》を使用できること(アナカラー色の枚数)
・中盤に《カツキング》を使用できること(シータ色の枚数)
・多色事故の発生率を可能な限り抑えること(多色枚数)
・《一王二命三眼槍》を早期に使えるようにマナ色を用意できること(赤黒の枚数)

この4つの条件をクリアできなければコンセプト通りの動きができないと考えた。
そこで各色の枚数、及び単多色枚数比率に以下の目安を設けて構築した。

青:15
黒:13
赤:13
緑:25
単色:多色=17:23

色基盤が複雑である以上、マナ加速が重要な役割を担っている。そのため緑の枚数を最も多く設定。
《デドダム》、《カツキング》、《ガイアッシュカイザー》等のデッキの根幹を担うカードが持つ青を次点で多く設定。
黒は3t目の《デドダム》キャストを狙うための最低限度の枚数で設定。
赤は《一王二命三眼槍》の役割対象となる各種殴るデッキに対して間に合わせるために黒と同程度の枚数にするという意での設定。
多色枚数はこれまでの体感に基づく数字なため、あくまで目安として設定した。

以上の点を基に完成したのが次項の構築①である。

3-A.構築①

4/10入賞時のもの
戦績
1回戦 アナカラー退化 〇
2回戦 volzeos-balamold ×
3回戦 赤緑アポロヌス 〇
4回戦 JO退化 〇
5回戦 JO退化 〇
6回戦 アナカラー退化 〇   3位

青:18
黒:12
赤:12
緑:30
多色:25

◇《地龍神の魔陣》

上記構築の枚数配分を見て感じただろうが、目安から大きく逸脱している。
赤黒色は少なく、そして青緑色に寄せているのは、《地龍神の魔陣》の採用に伴うものである。

先述のように、序盤のマナ加速にはマナ色を補うという役割もある。
《地龍神の魔陣》は、このマナ色を補うという部分に重きをおいた初動呪文であり、かつG・Sを持つため不安定なこのデッキの序盤をやり過ごすには適任だと感じた。
多色25枚で2→4→6を狙うのはやや無理があるが、個人的には2→4→6をあわよくば狙いつつも、基本は3→5→7のマナカーブを実現できれば良いと解釈している。
《地龍神の魔陣》は中盤以降は軽くなった《カツキング》として手札を整えるために使うことがほとんどで、終始腐りにくいのも利点であった。

◇《一王二命三眼槍》の枚数

このデッキにおける《一王二命三眼槍》は専ら【アナカラー退化】を始めとした攻撃してくるデッキに対してジャスキルをずらすことにある。
そのため当初は2枚で調整していた。必要対面では盾からの期待値や《カツキング》などのルーターから回収が見込めること、そして本体の色の微妙さが際立ったためである。
しかし、2枚のみの採用ではいくらなんでも手札にそう簡単に集まってこない。S・TとG・Sだけで易々とターンが返ってくるほど楽ではないため、《一王二命三眼槍》で確実にキャッチするためにも増量することにした。

それに盾が0の状態でこのデッキにターンが返ってくるということは、《ガイアッシュカイザー》+《覇道》のカウンターを許すだけに留まらない。
《カツキング》の革命0と《一王二命三眼槍》の鬼エンドが起動し、これら2種が突如優秀なアタッカーに変貌する。《一王二命三眼槍》の鬼エンド効果は、山札の一番下を《地龍神の魔陣》や《カツキング》で固定することで確定ガチャにできる。
この攻守のいずれにも使えるという点で、3枚以上採用すべきカードだと感じた。
ただし色が弱いという事実は不変であり、4枚目の採用に関しては若干やりすぎ感があった。

◇《Dの暴毒ヴェノミックハザード》

・赤黒の色の弱さ
・貼るタイミングの少なさ
無限ターンは魅力ではあるが、この2点から今回は採用を控えた。
ただし、最近環境内に《Dの妖艶マッドデッドウッド》が散見されるようになり、フィールド張り替えの役割も担えるようになったため、採用の是非を再検討すべきかもしれない。
《ヴェノミックハザード》を採用する場合、それに伴って《機術士ディール/本日のラッキーナンバー》が採用候補に挙がるなど細かな調整が必要になる。
※《ヴェノミックハザード》と《本日のラッキーナンバー》の2枚コンボで毎ターン《本日のラッキーナンバー》が詠唱可能。

◇構築①の課題点

上位入賞したとはいえ、反省点はいくつか見受けられた。
1.色事故率が抑えられていない。
2.それでいて多色事故を頻発する。
3.8コスト帯が多すぎる
4.《ロストRe:ソウル》が強いのに、使いにくい
5.墓地が腐る

この5つである。
ここで、まず色マナを整えるために採用されていた《地龍神の魔陣》の評価を改める必要が出てきた。
《地龍神の魔陣》を打つための配分は再度見直され、それと同時に多色枚数や、8コスト帯の《プチョヘンザ》《ドギラゴン剣》《デッドダムド》の枚数も見直すことになった。

《地龍神の魔陣》が失われた場合の色配分は、初期構想の枚数を目安にすることにし、そして《ロストRe:ソウル》を活かすため改めて3→5→7のマナカーブの実現を念頭に置いて、改めて構築することとなった。

3-B.構築②

4/17入賞時のもの
(4/16、及び4/17友人に渡した構築は上記のものから、
《火噴く》→《ヴィオラ》としたもの)
戦績
4/16            4/17
1回戦 キクチVチャロン〇  1回戦 グルメ墓地×       
2回戦 JO退化〇       2回戦 ラッカ鬼羅〇      
3回戦 アナカラー退化〇   3回戦 クローシス邪王門〇    
4回戦 青魔導具〇      4回戦 JO退化〇         
5回戦 JO退化×       5回戦 チョイスワンショット〇  
6回戦 アナカラー退化×   6回戦 赤緑アポロヌス〇     それぞれベスト8

青:16(15)
黒:13(14)
赤:15(14)
緑:28(27)
多色:22(21)

◇《ヴィオラの黒像》

構築①における課題点1.2.4.5.を解決し得る一枚。
単色トリガーで不足しがちな黒を補い、腐りがちな墓地も利用できる。
黒単色を増やすことで、《デドダム》《ロストRe:ソウル》の再現度向上にも一役買っている。
【アナカラー退化】対面で各種大型に動きを制限されないのも高評価。
あと《デッドダムド》が乗る。
4/16時点で3枚だったが、実戦での使用機会が少なかったことから4/17では後述の《火噴くナウ》に1枚枠を譲っている。

◇《ドンドン火噴くナウ》

構築①における課題点1.4.を解決させる…というよりは《ヴィオラ》との相性やカード単体での強さを買って採用した。
黒単色と緑単色が増えたかわりに不足した赤、青の枚数を補っている。
3→5→7マナカーブの再現率を上げつつ、《デドダム》及び《カツキング》の実質的な5枚目以降という認識である。
4/16時点で2枚の採用だったが、4/17では個人的な好みから3枚に増量している。

◇革命チェンジ先の枚数

構築①では3枚だった《プチョヘンザ》だが、構築②では2枚まで落としている。
多色兼実質緑単という点を嫌っての配分だったが、減らしたことが祟って4/16の【アナカラー退化】対面を落としている可能性があるため、一概にこの枚数が正解とは言えないようである。
《プチョヘンザ》の3枚目を採用するか《ミラダンテⅩⅡ》を採用するかのどちらかを推奨する。

◇《闘争類拳嘩目ステゴロカイザー/お清めシャラップ》

上記課題点1.2.5.の解決を見込めることから、構築①から1枚増量した。

《お清めシャラップ》側に関して、【アナカラー退化】を想定する上で墓地をリセットできるカードのバリューは高い。それだけでなく使い終わった《覇道》や《デドダム》、《火噴く》で墓地に落としたカードを山札に戻すことで、山札の純度を高く保つことが出来る。
マナさえ伸びていれば、《カツキング》を駆使して山札に返した《覇道》を拾いに行くことも可能である。
また、マナ回収が可能な上面も重宝する。《プチョヘンザ》に革命チェンジしながらマナ回収を行うことで、盤面制圧をしながら手札の質を上げることが可能になる。下面として使うことが多いので手札に帰って来るのがありがたい。

∞.総括

コンセプトが《カツキング》コントロール+《ロストRe:ソウル》+カウンター《ガイアッシュ》という【5cザーディ】寄りのものに変貌したことで、雑なパワーカードであらゆる対面と戦えるデッキになったと思う。
多少構築の変遷はあったものの、同一デッキを3度使用して全てベスト8以上の結果を残すことができたため、環境的にも他デッキに引けを取らない良いデッキに仕上がったと自負している。

色配分にさえ気を遣えば自由枠も多く、環境に応じて枚数をいじったり個性を出しやすいデッキだと思うので、ランキングポイントレースのお供にでも是非手に取っていただければと思う。

【終わりのあいさつ】(以降敬体)
ここまで読んでいただきありがとうございました。
全体的に硬めの文章になりましたが、久しく思考をアウトプットできて楽しかったです。
僭越ながら投げ銭を設けさせていただいたので、私の瀕死の財布を助けていただける方はよろしくお願いします。
生きる糧になるのでTwitterのフォローもしてもらえると嬉しいです。
それでは、また逢う日まで

小判(@zakoban2nd)



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