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【オリジナル】新時代の「キクチVチャロン」解説【全文無料】

1.始めに

こんにちは、小判です。

今年から新たに施行された新レギュレーション「オリジナルフォーマット」、皆さんご存じだと思います。

むろん私も、このレギュレーションでのデッキの調整をしてきました。

しかし、昨今のコロナ禍による公認CSの開催中止が告げられ、大会系のイベントはリモートCSの開催に留まることとなりました。

私自身もリモートCSに参加しようかとは考えましたが、設備が揃っていない都合から緊急事態宣言下でのCS出場を断念し、調整に没頭することにしました。

そこで、今回は私がオリジナルCSに向けて調整していた「キクチVチャロン」の解説をしていきます。

私が大会で使用することが出来なかったため誰かに使ってほしいという意味と、供養の意を込めて全文無料、投げ銭方式での公開とします。


2.給水所

解説本編に移る前に、ちょっとしたコラムを載せます。

皆さん、「即死コンボ」というものはご存じでしょうか。

読んで字のごとく、決まってさえしまえば相手を即死させることができる、必勝の一手です。

具体例を挙げるなら、「ナウオアネバーループ」や最近の物では「ドッカンデイヤーループ」など過去から現代にいたるまで数多く環境に躍り出てきたループデッキも、まさしく即死コンボです。デュエルマスターズ特有のシールドトリガーによるカウンターを許さず、本来のゲーム性からどこかかけ離れた、即死コンボによるエクストラウィンというのは、いつの時代にも存在しています。

「キクチVチャロン」もこの即死コンボの1つで、

《キクチ師範代》(もしくは《カレイコ》)と

《Vチャロン》を揃えることで、相手のシールドをすべて山札に封じ込め、そのままダイレクトアタックするというシンプルなシールド全焼却コンボです。

このギミック自体は2年ほど前から存在しますが、現代にいたるまで青黒ハンデス軸のものなどどこかファンデッキレベルに留まっていました。

しかし、十王篇に突入して事態は急変。まずはこちらをご覧ください。

《Jの旅路》の登場により、新たなコンボ始動ルートが確立され、赤黒のカラーリングに可能性が生まれました。

これだけではありません。十王篇には赤黒のカラーリングのデッキパワーを押し上げる鬼の軍勢がいます。

さて、前置きはこんなものにして本編に移ります。


3.デッキリスト

まず草案時のリストから

特筆すべき点は2つ

まずは《獄鬼夜城》から

(向きがアレなのは許してください)

このカードが「キクチVチャロン」を変えたと言っても過言じゃありません。《獄鬼夜城》下で、《Vチャロン》を出すと、相手のシールドを山札の下に送ったタイミングで鬼タイム起動、そのまま盾追加を許さずダイレクトアタックが可能になります。D2フィールドなため除去手段も比較的少ないため場持ちが良く、3ターン目までに貼れれば最速コンボ始動には間に合い、かつビートプランに移行しても腐りにくいのが素晴らしいです。

次に、《ジャオウガ》、《邪王門》、《プリプリズン》のパッケージについて

《邪王門》は赤黒にとって英雄とも言うべき、能動的、受動的どう使っても強い、最高の一枚です。今回はこの《邪王門》を主に能動的に、攻撃面で使用します。そのための起爆剤がこれまたお馴染みの《ジャオウガ》です。盾回収で《邪王門》だけでなくコンボパーツをかき集めます。この2枚は、よく使われる2枚なわけですが、問題は最後の1つ《プリプリズン》です。

このカードは《邪王門》から捲る最大の当たり札になります。ジョーカーズサーチ→《Vチャロン》の踏み倒しという完璧な仕事を果たします。

このデッキが《ジャオウガ》&《邪王門》を採用する決め手になった一枚です。

素でトリガーをもつので、アグロ山にコイツを踏ませて、返しに《獄鬼夜城》を貼って、攻撃革命チェンジ《旅路》→《Vチャロン》起爆みたいな動きをすることもしばしばあります。

この《邪王門》を動きを太くするため、《キクチ》《カレイコ》は不採用です。

ところがこの構築にはいくつか難点がありました。前述の通り、《キクチ》《カレイコ》を不採用にしたために、すべての動きが《獄鬼夜城》依存になってしまいました。イメージとしてはルーターの減った「青魔導具」です。《新世壊》に依存する癖に、多色まみれでかつ《ゴンパドゥ》がないみたいな感じです。このことによりコンボの再現性が大きく落ちてしまいました。

これを受けて調整した結果のリストが以下のものです。

結論から言うと、《ジャオウガ》&《邪王門》&《プリプリズン》のパッケージを切りました。大きく枠を取る上に、動きの再現性が低く、始動を遅らせる要因になっていると感じたためです。

代わりに採用されたのが、まず《キクチ》《カレイコ》。《獄鬼夜城》の5,6枚目としての採用です。

この《獄鬼夜城》下でのビートプランを現実的なものにするべく、サブプランである《アイアンマンハッタン》、手札の減らない盤面処理として《ジャドク丸》の採用。

そして盾回収と相性の良いストライクバックによる受け札としての機能を持つ《秩序の意思》を採用しました。手打ちも現実的に可能な一枚で使い勝手がいいです。ただし、《キクチ》がいる状態だと封印を付けることが出来ないのが大問題です。いづれ変更したい枠です。

変更点は以上です。

このリストでは

序盤はルーターを使用、パーツをかき集める

中盤は《獄鬼夜城》もしくは《キクチ》をセットしコンボ始動の準備、次ターンに《旅路》&《Vチャロン》起爆

と動くのがメインになっており、ある程度動きが一貫しており安定感が増しました。

ビートプランに関しても、場持ちの良い《ガシャドクロ》や、《ジャドク丸》や《秩序の意思》による盤面処理で序盤をやり過ごし、《旅路》&《マンハッタン》で駆け抜けるという動きが可能です。

動きの大まかな解説は以上になります。


【追記】
時間があったので、上記構築における問題点を加味した新しい構築を貼っておきます。採用候補や書きたかったことも色々書いてあります。

《キクチ》(《カレイコ》)下で機能不全に陥る《秩序の意志》を不採用にしました。
また、盾回収の裏目を無くすため手札に抱えられる受け札である《百鬼の天邪閣》、《革命の鉄拳》を採用。いずれも手打ちも現実的である点が高評価です。
《百鬼の天邪閣》は、《オニカマス》のような選ばれないアタッカーを処理したり、パワーラインを下げることによる殴り返しや《革命の鉄拳》の処理範囲拡大が可能な点が素晴らしいです。
ただ、いずれも盾0の状況でしか使用できないため、盾がなくなるまでに十分に対策した上で攻撃されるとひとたまりもないです。ひょっとしたらまだ他の良案があるかもしれません。

《カツラデランス/アフロ行きま~す》について
《アフロ》による手札入れ替えは、コンボ成立に向けての動きとして十分強いのですが、事実上のパスになるため、他の3コスト帯のクリーチャーを優先する機会が多くなってきたため、余ったマナで使用するくらいの方が柔軟に動けると判断し、枚数を削減しました。
《ガシャドクロ》や《ジャドク丸》、《マンハッタン》の存在が大きくサブプランをしっかりと通せるように構築段階で現実的な物とし、それでいてかつコンボ成立による即殺を狙えるような枚数としての2枚の採用に留めました。


採用候補一覧
《アンヤク夜叉》
メリット:手札に抱えられる受け札、ハンデス・ジョー星以外の方法でケアできない
不採用理由:除去範囲が3000以下と限定的、能動的に使いにくい

《革命の裁門》
メリット:条件を満たせば確定除去、手札に抱えられる受け札、手打ちしやすい
不採用理由:上に同じ、条件を満たさないと受け札にならない

《ルネッザーンス》
メリット:セルフハンデスへの回答
不採用理由:能動的に使いにくい、ハンデス以外の対面で腐りやすい

《プリプリズン》
メリット:踏ませた返しにカウンターができる、盾0の状況で横展開が可能
不採用理由:思いの外刻んでくる対面が少ない、受け札にならない、踏ませても処理されるケースが多い

《フンバルさん/フンバフライダイ》
メリット:低コストでの除去、踏ませた返しのカウンターができる
不採用理由:受け札にならない、《アンヤク夜叉》同様除去範囲が限定的

《絶望と反魂と滅殺の決断》
メリット:ロングゲームを可能にする、全ての効果が腐りにくい
不採用理由:そもそもこのデッキのやりたいことから逸れる、このカードを採用してロングゲームに持ち込むくらいならデッドダムドを使う

《サイコロプス》
メリット:大型を展開された返しのカウンターになる、手札入れ替えが可能
不採用理由:デスザークの減少などに伴い無くても大丈夫な状況が増えた、環境によっては採用の余地アリ

追記分以上

現在のオリジナル環境において、ある程度戦えるレベルまで調整したので、一定の勝率が見込めるのではないかと思っています。なぜかいきなり勝てるし、使ってて楽しいデッキなのでぜひ使ってみてください。

終わります。


小判(@zakoban2nd)

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