塩と健康

今、現代医学では塩分摂取を極端に嫌っている印象がある。でも、塩ってそんなに嫌う必要があるのかな。その部分が強く疑問となっている。
知り合いの老人が降圧剤と塩分摂取の制限を指導されたそう。そのあと、少しボーっとして転んだ(鼻の骨折ったりしたそう)とか。
私は話を聞いて降圧剤飲まない方が良いよ、塩分控えなくって良いよと助言したのだけど。かなり強くいった事もあり、病院で医師から降圧剤の量を半分に変えてもらったとか。

血管が破れるか破れないかなんて個人差が非常に大きい。200mmHgで危ない方もいらっしゃれば350mmHgでも全く問題ない人もいらっしゃる。塩分摂取が血圧と関係するかについても個人差が非常に大きい。日本人の場合は70%の人は関連性が低いとわかっているそうだし。
塩分はしっかり摂った方が体温が高く維持できて良いという方もいらっしゃるし、血圧が高くなるのは全身に酸素や栄養を運ぶために必要だから体が血圧を高めているという事もいわれる。
血圧が高いからとやみくもに塩分を控える様指導したり降圧剤を飲ますのは良いとは思えない。

心配ならできる事も沢山あるし。血管が破れるのが怖いなら血管を丈夫に・しなやかにする事の方がずっと役立つし、血管中に溜まっているゴミを減らす方がずっと良い。要はしっかり体を動かそう・悪いものを食べるのは控えよう等の方がずっと大事なんだと思う。

そもそもボーとしてしまったり、血圧さがっても生活に支障がでるような血圧の下げ方はするべきでない。過度な減塩や降圧剤は余程の状態でない限り可能な限り避けるべきだと思う。
良く和食の塩分の多さが和食の数少ない欠点だという言われ方をするが、私はそこに根拠を感じてない。
味噌や醤油・漬物などは確かに塩分が多いが、それが短命化に繋がる・長命化に繋がるについては明確でない。味噌や醤油で血圧が20mmHgあがるけれど、血管の圧力耐性が30mmHg~50mm上がるかも知れないのだし。
今は本物の味噌・醤油を使っている方が稀な時代だから摂った方が良いよとはいい難いのだけど、良質な味噌・醤油ならしっかり使った方が体には良いという事は間違いなさそう。

西洋栄養学では軽視されていたミネラルのナトリウム(塩分)とカリウムに注目し、さらにそのバランスが崩れすぎれば病気になると訴えました。

「文明先進国の食事は不自然でひどい内容になっている」とアメリカが指摘する100年も前から、日本には、「自然法則に沿った食事をせよ!」と訴えていた偉人がいました。
玄米食・自然食を最初に訴え実践した医師・石塚左玄です。

食事も修行である。食事で人格形成ができる。食を道楽の対象にしてはならない。食養(食物修養)は食育の原点であることを説いた。

明治の末に白米食の見直しと玄米食の復活を訴えました。食養の指導により、「食医」として多くの病人を救いました。
石塚左玄は、自然食・玄米食の開祖として「食養道」の普及に大変活躍した人物です。
今、世界中で認められている食養(玄米植物食)の元祖は日本人であるということに誇りを持ちたいものです。

栄養学的に玄米に不足しているのは、一部のアミノ酸とビタミンA・Cくらいで、これは、若干の植物性たんぱく質、野菜などで補う事ができるのです。何も難しいことはありません。
玄米ごはんにすりゴマ+根菜や海藻のお味噌汁+副菜一品+漬物。こうすれば、比較的簡単に、栄養バランスが保たれた食事メニューが完成します。玄米菜食は、副食を少し考えれば、人間に必要なミネラルやビタミンがしっかり摂取できるので、健康維持には最高のスタイルといえるでしょう。

食養とは(NPO法人日本綜合医学会)

和食は植物中心の食事なのでカリウムが多い。カリウムが多いので味噌や醤油で多少塩分を摂ってもナトリウム/カリウムの値は適度な範囲に保たれる。漬物の減塩はナトリウム/カリウム比を崩す。カリウム過剰も問題なのだ。
植物食の和食に関しては塩を控える事がそれほど有益ではないが、動物食を多く含む場合には塩を控える事は有益なはず。ただ、動物食材は腐り易く保存の為に塩を使っていた側面もある。腐敗という更に悪い事態を避ける為に悪くはあるが塩が使われていたという面もありそうだ。

現代の塩と健康について考える時、不自然で異質な問題もある。それは添加物の問題。以前、阿部司氏の著書「食品の裏側2」を読んだ。Amazonの書評に目次がでているので多分該当箇所と思われる部分を引用しておく。

5章 添加物が本当に怖い理由
 ◆添加物の間接的影響
  1日分の塩分をたった1食で取る

状況は変わっていない
(書評へのリンク)

書かれていた内容は「海水は塩辛くて飲めない。しかし海水より塩分濃度の高いカップラーメンの汁は美味しく飲める。それは添加物の作用による。」といった事だった。手元に書籍が無いのでそのままの表現ではないが。
私は食べないけど、お店でよりおいしく(旨味が強まった)とか書かれている宣伝文句を見る度に塩分量の変化を観察していた時期がある。新製品で美味しくなったという度に旧製品と比べて塩分濃度が上がっていた。カップ麺だけではない。多くの製品で塩分量の割に塩辛さを感じない商品はある。魚肉練り製品だって製品に依る塩分濃度の差は大きい。
塩分濃度を高めれば塩分の旨味を引き出す効果で旨味が強くなる。添加物塩辛さを感じなくする事で塩分濃度を高めれば旨味が強いと感じさせる事ができる。廉価な塩で手っ取り早く味を良くする事ができるわけだ。塩分控え目を売りにする商品とは全く違って旨味を強める事で味を売りにして販売している商品も多いわけだ。そういう製品を食べると、人体の味覚に依る安全性を担保する機能をかい潜って過剰な塩分を摂取してしまう事になる。
そういう摂り方をしてしまうと、塩は危険な程摂ってしまう事に成り兼ねない。

現代の生活では塩は使う方と使わない方の差が大きい。出来合いの物を食べる事が多ければほぼ使わないという方もいらっしゃるだろう。塩を使った保存食を自身作るという方は結構使うかも知れない。そんな事で自然塩を使おうとか海塩を使おうとかいう話はあまり関係がないという方も多そうに感じている。
塩をそのまま口にする様な使い方、例えば熱中症予防に少し塩を加えた水をのむという様な場合にはミネラルバランスの整っている海塩が良さそうに思う。成分的には精製塩と岩塩は大差ない。岩塩は長い時間掛かって自然に精製された塩という感じで塩化ナトリウム濃度が高まっている。塩化ナトリウム濃度の高い塩を嫌うなら岩塩は使うべきではなさそうに思う。
野菜に塩を振る場合には野菜に多く含まれるカリウムと塩に含まれるナトリウムを適当な割合にする事が大きな目的なのだから精製塩・岩塩でも良さそうに思う。
塩分を含む味噌や醤油も野菜に過剰なカリウムとの調和をとるためと考えれば特に減らす事が良いとも思えない。
様は他の食物との関係で調和する様に摂った方が良さそうに思っている。野菜をしっかり食べる者は適度に塩分を摂った方が良い、カリウムの摂取量を無視して塩は何グラムに減らす様指導するのは健康に良いと思えない。
塩摂り過ぎで体調が悪いとか特別な事があれば当然減らす事も必要になるのだが。

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