麹甘酒が発酵食品なのか考えてみた

昔飲まれていた麹甘酒は全て発酵食品だったと思います。今飲まれている麹甘酒は発酵食品ではないと思います。一部の人々が指摘しているのは発酵食品は活動している菌が生きている中で原料を変化させできたもの。高温(麹の活動できない温度)で作る甘酒は麹の作った糖化酵素を使った酵素反応でしかない。というもの。私もこの考え方が正しいと思う。
昔は60℃で保温する事が非常に難しかった。江戸時代の麹甘酒売りが60℃に保った麹甘酒を作る事ができたのかと考えると無理ではと思う(60℃で甘くなるとか知識さえなかったのでは)。そんな事ができる様になったのはごく最近ではないだろうか。少し前の農家さんが生活の中で作っていた麹発酵甘酒は麹が活動する温度に保って作っていたので今高温で作られている甘酒程は甘くなかった。
このnoteを書き始めたきっかけは以前書いた記事のコメントなんだけど。
味噌屋さんのページも示されていたけど、状況が違う気がした。
https://note.com/ymurai_koji/n/ncd29f70e9eda
上記ページに「麹菌が生きているの定義は、『胞子を形成して増殖する能力、及び、菌糸を成長させて酵素の分泌能力が失われていない状態』としておきます。そして、その能力が失われた状態を死んでいるとします。
結論から行きます。『麹菌は60度~70度ぐらいでほぼ死にます』。麹菌自体が胞子の状態であり乾燥しているほど比較的高温でも耐えます」とあります。麹菌が死に始める温度は47℃とされています。発酵は生きた菌の活動で成分が変わる事をいうので麹菌が活動している状態は高くて40℃程度だと思います。
発酵の場合、成分比率が「生物が活動できる比率から大きく逸脱しない」事で安全性が担保されている面があると思います。例えば砂糖はシロップ漬けとして保存食を作るのにも使います。微生物を殺せる状態(強毒)な訳です。甘酒を発酵させる事で作ればできた甘酒はその意味で安全性を持っているといえますが、糖化酵素を不自然な状態で働かせて作った甘酒にその意味での安全性は期待できないと思います。多くの種類の消化酵素を作る麹菌と多くの栄養素を持つ米を組み合わせているので、糖質(澱粉)・脂質・蛋白質・等々様々な成分について組み合わせ総合的に云えそうです。
発酵ならあり得ないですが酵素反応なら麹菌の耐糖性が制限になって47℃という温度になる前に死に始めていたかも知れません。
醤油や味噌・日本酒・醸造酢・みりんなど多くの発酵・醸造製品で微生物が生きて行っている活動でできた有用物質を使っています。
生きている微生物の活動を使っているという事が健康や安全を考える上である程度重要なのではないでしょうか。
ただ、そんな味噌でさえ不自然な作り方で飲んで体調が悪化する人もいるわけです。純粋培養酵母で作った殆どの味噌で体調が悪化する人々がいるそうです。そんな患者さんが体調を悪化する事なく使える味噌を蔵付き酵母を使った味噌造りを復活させる事で実現した福井の味噌メーカがあるそうです。

上記ムック形態書籍に『
●眞鍋かをりさん×伊達伯欣さん対談
 砂糖をやめると、からだが変わる?』という記事があります。眞鍋かをりさんは砂糖中毒状態からそれに気付き変えた方だそうです。砂糖を食べる事を避ける様に変えると砂糖が入った食品が甘すぎると感じる様に味覚が変わったそうです。味覚は習慣で大きく変わる事がわかります。出来合いの食品を買ってきて食べて甘すぎると感じない方は自然の味覚を失い現代的な味覚に変わっている方だと思います。市販の麹甘酒の多くは甘すぎてそのまま飲もうとは思えません。美味しいという感覚は主観的なもので簡単に変わるものです。
麹甘酒は自然な優しい甘さと云われますが、高温で糖化させた麹甘酒が自然な優しい甘さだとは思えません。不自然に強い甘さだと思います。
今は昔とは大きく変わってしまっているものが多いです。自然なといわれてはいるが、実は不自然なもので溢れています。
人気の外食店は甘い(砂糖の使用量が多い)といわれます。それに慣れた人々はそれを美味しく感じます。体がそんな状態なのは永く健康に過ごす為にはかなり危険の増えている状態といえます。
山田豊文監修のムック形態書籍にみかんのビタミンC含有量(1950年頃と2000年頃)も載っていた本がありました。みかんに含まれるビタミンCはその間1/20に減っている(食品成分表に)のだとか。それを読んでそういえばみかんの味って変わったなと思いました。昔は酸味を感じるみかんがそれなりにあったが最近は減ったなと。
甘酒の材料でもあるお米についても大きく変わったと云われている作物の一つです。日本の食文化として、ケ゚の日(普段)はうるち米を、晴れの日(特別な日)にはご馳走で餅米(餅やおこわ)を食べていたと云われています。ところが最近ではうるち米を餅米的に変えたお米を食べる様になりました。(餅米とうるち米を交配させたいわゆるコシヒカリ一族のお米)それにより生活習慣病になり易くなったと云われています。コシヒカリ一族はもちもちしていて現代人の口に合うけど、食内容を大きく変えたと云われています。
昔ながらの品種を選ぼうと思っても難しい状況になってしまっています。
コメントには『甘酒を50度台で作ったときに麹が生きていたかはどうかはあまり問題ではなく、麹が生きていた時に作った酵素により食べ物が分解され、おいしく栄養たっぷりになっているので、今回トライした作り方でも、「発酵」と呼んでいいのではと個人的には思っている次第です』と書かれていました。微生物が死滅する程糖が増えて高濃度になる作り方を行いながら自然な優しい甘さと思う事には違和感を感じます。発酵食品で体にいいから食べて健康にという昔の発酵甘酒。糖分割合が増え過ぎ(不自然に増やして)食べ過ぎにならない様に注意して食べる必要がある。忘れると体を壊しかねない食物に変わっている。糖化酵素を不自然に強く働かせ砂糖を作る様に作った現代人の味覚に合う甘酒。
体を壊さないためには認識・意識した方が良い事ではないかと思います。現代人の多くが体に良いと云われている事で体を壊しているのですから。

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