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28.あなたは財産派?それとも資産派?

⬜︎「財産形成」と「資産活用 」
 
古く、中国では「貝」を通貨として使っていたことがあり、お金を表す漢字には資産にも財産にも「貝」が組み込まれています。
 
文字通り解釈してみると、「才覚を含め有形・無形の価値を有するものを財産」、「次のお金を産みだすものが資産」となります。
 
法律用語辞典によると、財産とは広く有形・無形の金銭的価値を有するものの総体をいう。例えば、財産権、私有財産等。また、特定の主体を中心に、又は特定の目的の下に結合している財産権の総体の意味に用いられる。各個別の規定は、積極財産(資産)だけを指す場合と、消極財産(負債)をも含む場合とがある。また、資産とは一般的には財産。会計学上は、企業によって所有され、将来において収益をもたらし得る財産。[有斐閣 法律用語辞典 第4版]とあります。
 
このように、漢字からも法律辞典からも読み取れるように、お金や知識や技術などの「財産」を一生懸命に育むだけでなく、その後は「資産」として所得を産み出すように有効活用することで、ちょうどいいお金持ちの条件の不労所得が手に入るということです。
 
 
⬜︎インカム・ゲインとキャピタル・ゲイン
 
日本では、「資産運用=値上がりを期待するもの」という認識が多く、そのため、多くの人が「怖い」という印象から資産運用との距離を置いています。
 
英語では、育てる運用(価値の増大)から得られる所得のことを「キャピタル・ゲイン」、資産が稼ぐ所得(定期的収入)のことを「インカム・ゲイン」と呼び、同じ資産運用でも「育てる(価値の増大)・稼ぐ(定期的収入)」という目的別に分類されています。

 
実は日本でも、キャピタル・ゲインは「譲渡所得」、インカム・ゲインは「利子・配当・不動産所得など」という分類はできているのですが、所得税の勉強はしている人はいても、7つの金融所得をバランスよく作る方法を伝授できるプロがいないため、税金の計算のための分類と認識されています。
 
 
⬜︎「元金を取り崩す運用成果」と「元金据え置きの運用成果」
 
「財産形成 = 儲け(育てる) = 現在評価 × 数量 − 元金」
 
「資産活用 = 稼ぎ(貸出す) = 数量 × 利子・配当・家賃など × 受取回数」
 
となるので、育てる運用の場合、結果にはプラスとマイナスが混在し、
そのため「怖い」というイメージがあるのです。
 
一方、稼ぐ運用(資産の有効活用)は、元手を崩すことなく、レンタルの仕組みを活用してその対価を得るため、利子・配当・不動産所得のように、ゼロ以上のプラスしか産まない運用となります。
 
しかし、利子・配当・不動産所得を生み出す「債券・株式・不動産」を「売買」することで得られる、名義を譲渡する所得=譲渡所得のほうに、販売する会社も懸命になり(販売手数料が得られるため)いつしか、「運用は怖いもの」となってしまったのです。
 
子供を育て、社会の一員として貢献の対価を得る(稼ぎ)ように、資産運用も、育てることと稼ぐことの両方を見てほしいのですが、まともな「金銭教育」がないまま現在を迎える日本にとって、「多くの人が世の中で言っていること(主流)」が正しく、少数であっても本当のことを言っていること(本流)がどうしても怪しいと思ってしまうのでしょう。
 
 

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