コロナ禍における今後の英語教育

 ある小学校で英語専科をしております。
 授業や単元など、全て【外国語・英語】に関した発言となります。

 新型コロナウィルスに対して今後どのような指導を行うべきか。
 SNSで話題になる【9月スタート】や【全員一年留年】
 これらはおそらくないと考えておくと無難でしょう。
 そこで【いかなる形であれ、1年分のカリキュラムを修了させる】ことが重要だと考えます。

 ここでさらに重要になるポイントは、【いかなる形】ということです。
 先日、文部科学省からも、家庭学習で示した範囲は再度学校で指導しなくてもよい、という通達が来ました。
 つまり、【家庭学習で取り組ませた=授業を進めた】となるわけです。

 その上で学校が再開に対して想定される案は2つ。
1.学校が再開された日から年度内で可能な授業回数を計算して、単元の時数を圧縮してカリキュラムを修了させる。
2.年間のカリキュラムに合わせて家庭学習に取り組ませ、従来通りのカリキュラムを行わせる。

 それぞれの案に対して、メリットデメリットをあげながら考える。
 前提として、ゴールデンウィーク明けに授業が再開されたとする。
 年間のおよそ5分の1ほどの時数が欠けたことにな状態である。

1.学校が再開された日から年度内で可能な授業回数を計算して、単元の時数を圧縮してカリキュラムを修了させる。


【メリット】・教師が児童の実態を把握できる。・デジタル教科書や教師の発話にて「聞く」時間が確保できる。・学習機会が平等に与えられる。【デメリット】・単元あたりに裂けられる時数が少なくなり、学習の密度が濃くなる。・再び休校になった場合、取り返しが難しい。・休業中に児童は英語に触れる機会が極端に減る。

2.年間のカリキュラムに合わせて家庭学習に取り組ませ、従来通りのカリキュラムを行わせる。

【メリット】
・休業中にも児童の英語教育の機会が与えられる。
・再び休校になった際にも、柔軟に対応できる。
・学校が再開した場合にも、時数にゆとりが生まれる。
【デメリット】
・QRコードなどICTが関わる場合は、児童の家庭環境に左右される。
・児童の実態が把握的ない。
・「書く」活動が中心になり、正しい言語習得の順序ではなくなる。

もちろん、これ以外にもたくさんあると思います。

 どちらもメリットデメリットがあるので、一概にもこちらが良い、ということはありません。
 ただ、上に書かれたことで一番望ましくないことを避けようとすれば、自ずと考えが整ってきます。
 それは【1】の【デメリット】にある【休業中に児童は英語に触れる機会が極端に減る】だと思います。

まとめ

 そこで考えられるアイディアが、
 家庭学習でできる単元とそうでない単元に分け、それぞれ対応する
 ことです。

 自分ことを述べる【発表】の単元は、家庭学習でも対応できます。
 しかし、【やりとり】がどうしても必要な単元は、学校で行わなければならないでしょう。

 この分類作業こそが極めて重要な課題だと考えます。
 単元を分類し、できる単元は家庭学習で行わせます。すると、年間を通してして、ある程度余裕が生まれるでしょう。その時間で、家庭学習に当てた単元の復習を行うのです。

 どのような家庭学習を行わせるか、ではなく、どの単元なら家庭学習で行わせられるか。
 そう思考を変えてみると、見えてくるものがあると思います。

 


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