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ピースが揃うパズルから見えたもの - 虹ヶ咲 4th Live!の振り返り -

はるばる行ってきたよONAMBAの地。
今回は3rd Live!で書いたnoteの4th Live!版です。


自分がライブをどのように見ていたかを残しているため、今回もここのアレが!みたいなピンポイントの話よりも引きで見た話が多いです。折角なので展示にあったパズルとピースになぞらえて考えてみました。結果的に若干踏み込んでしまったため、難しい話を見たくない人は戻る方が良いかもしれません。


パズルが完成した場所

虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の今の姿をお祭りのように楽しむことに振り切れたライブでした。それはつまり、変化し続けることが組み込まれたグループとして、12人での始まりとここまでやってきた頂点を体験できたライブでした。

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スクスタをベースとしたライブはテレビアニメの起承転結に根ざした構成と比べ、テーマ性を広げて造り上げる構成です。そこに4thアルバムが部活動をテーマにした異色のコンセプトだったこともあり、歌を通してキャラクターの内面の答えを探すような捉え方ではなく目の前に広がる12人の世界を楽しむことに集中できました。

紡いできたピース(物語)がはまってパズルが完成し虹が架かる。L!L!L!のスクリーン演出を彷彿とさせるその展示は、自分にとってはようやく12人が揃うライブが見られたゴールと新たな始まりと感じられました。おそらくファンと関わる人の数だけパズル越しの景色があるように感じます。

新メンバー迎え入れから見る物語演出の変化

ミアとランジュを同好会へ迎え入れる演出はAqours 4th LoveLive!で見た「想いよひとつになれ」に匹敵する衝撃でした。進みも一定ではなく踏みしめるようにゆっくり進んでから速度を上げる細かさまで合流を引き立てていましたね。

その衝撃の強さの背景には、振り返れば栞子(小泉萌香さん)は初参加の2nd Live!でぬるっと登場したことも挙げられます。

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このような虹ヶ咲の物語を汲んだ特別演出はときスト(Road to Next TOKIMEKI Stories Project)になってから劇的に向上したように思います。例えば、R3BIRTHのファンミではフジテレビTWOの番組などを介してキャラクター・キャストの両面からそこへ至る物語を描き、始まりまでの道をファンと共有できるようになっていました。

それは単に放送しただけではなく、R3BIRTHを虹ヶ咲の物語に組み込んで受け入れてもらうために偉い人達が構想を練ったということです。そうしたコーディネートがなされるということは、今後もお祭り気分でライブへ行ったらとてつもない演出が待っているかもしれません。

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今では2人に手を差し伸べる側になった小泉さんでしたが、折しも誕生日のライブ開催で違うかたちで特別感があったのは良かったです。

総括すると、プロジェクトとしても全体図(パズル)と物語(ピース)への切り方に対する取り組みの変化を感じた一面でした。

セトリシャッフル

振り返ればシャッフェスもDAY2で入れ替えており、今回もファンのDAY2に対する"慣れ"を予見して組み込んだものと考えました。キズナエピソードはテーマが同じでもキャラクターごとに独立しているため、曲間の繋がりが弱く惰性感が出やすいからでしょう。ここが通貫した物語を持ち曲順と背景に膨大な情報量を持つテレビアニメをベースとしたライブとの違いです。

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流れも含めて美とするライブか、コンセプトから変幻自在に魅せられるか。今回はキズナエピソード→2nd Seasonのユニットのパートで編成したDAY1を起点としていたからこそできた変化球と言えます。パズルの景色はピースを入れ替えても造り上げることができる、そんな一端を感じた部分でした。Break The Systemを期待してコンセントレイト!が始まった瞬間、前田さんが話していたようにDAY2のDAY1だ(すなわち未知のライブが始まった)とスゴく楽しかったですね。

演じられた12人はソロとユニットを行き来してとてつもなく忙しかったと思います。なのできっと12人のタイムラインを作ったら面白いと思いました (他力本願)。

大阪へ架かる虹と「あなたと叶える物語」

2年以上前に『TOKIMEKI Runners』を通してニジガクが行く舞台の数だけ虹が架かるのかなぁと思っていたら、L!L!L!の応援メッセージの使われ方で変な声が出そうになりました。

まさかファンの応援がその虹だった。

ファンが架けた虹の先で咲かせる12人を踏まえると、改めてスクスタが「あなたと叶える物語」だったことを思い出しました。そしてその2nd Seasonのメッセージはステージに上がる人だけがスクールアイドルではないというものです。あの場で明確に説明されることはなかったけれど、京セラドームでのL!L!L!には作品テーマとコンセプトが深く描かれていたように受け取りました。自分もパズルに組み込まれてるピースの1つだったんですね。

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脱線しますが、虹ヶ咲の舞台がお台場になった理由を折々で考えることがあります。ファンがニジガクを応援する虹の架け橋になる演出が4thよりも前から意図されていた場合、虹ヶ咲にとってレインボーブリッジはお台場のアイコン以上の何かが込められているかもしれないのでしょうか...。

スクスタ 2nd Seasonは今後どのように吸収されていくか

虹ヶ咲 3rd Live!の挨拶において、当初の先が見えない雰囲気や地道に積み重ねていた時代がキャストにとって次へ躍進しようとする原動力に吸収されたように感じました。東京ドームや紅白と言い放った大西さんがとても印象的です。

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今回の4th Live!の根底にはあるスクスタ 2nd Seasonは、終わってみればコンセプトは良いのに物語の作り方が酷すぎたというオチでした。個人としては最後まで読み通してようやく虹ヶ咲がやりたいことを楽しめた一方で目の前の展開から全体像を予想して好意的に読み解いていくアプローチを取っていたことから、それがさながらピースからパズルを予想していくのと同じで展示にもにょった部分もあります。

そもそもスクスタに対する相手の姿勢を読みながら言葉を選んで話す環境は異常過ぎて嫌だと思ってましたし、アニガサキ↑の為にスクスタ↓で話す風潮も心底嫌でした。

そんなわけで、演じられるキャストにとって、またはファンにとっても、2nd Seasonが今後虹ヶ咲の歩みでどのように吸収されるのか気になるところです。

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キャストにとっては既に4th Live!でも予感させる部分はあり、涙の多さや連帯を感じさせる話から感じられます。虹ヶ咲の主なプラットホームはスクスタであり、そこが批判に晒され続けたら少なからず気苦労することもあったことでしょう...と勝手に察しています。

まぁ分からないことはさておき、作品としてはリアルタイムで物語を追ってきた多数のファンを自ら追い払うことになったと捉えています。そうした経緯もあって、とりわけ栞子、ミア、ランジュについてはステージに立って演じきったキャスト3人のおかげで改めて魅力に気づけたファンが多かったのは嬉しかったですし、R3BIRTHファンミに参加した身としてもR3BIRTHすげぇの声には少し誇らしくなりました。

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自分にとっては2nd Seasonははまったピースですが、今後に向けて余地や変化を残しているピースでもあります。ちなみに、スクスタ2nd Seasonも完結した今ならオチを知った上で読めば楽しめると思います。

優木せつ菜役楠木ともりさんを巡る視点

虹ヶ咲を応援するきっかけのひとつが1st Liveで聞いた楠木さんのMCでした。自分にとって応援する形や向き合い方の礎を造ったといって過言ではありません。だから優木せつ菜役は楠木ともりさんであってほしいです。


そのため偉い人には巧くコーディネートして欲しいと考えていて、実際ファンミでは巧く役割を与えられていると思いました。そう思う反面、今回の参加曲数の減り方を踏まえるとライブに制限を課したまま(心の目で見続けたまま)プロジェクトを進めていくことの限界を感じるようでもあります。そこと関係あるかは分かりませんが、楠木さんの挨拶からはご本人が続けたいかどうかまでは踏み込めなかったような印象も抱きました。

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突き詰めると、ニジガクの個を見る自分と全を見る自分の折り合いがついていません。いわば片方の自分はL!L!L!で語られるメッセージに疑問を投げているような状態です。かといって万が一キャスト変更があった場合にそれを受け入れて物語を解釈するようになれば、結局変わっても良かったのかと内心では自分同士が殴り合うでしょう。それだけクリティカルな話です。

あの日あの12人でL!L!L!を披露したことは歌のメッセージに照らして少なからず背中を押したようにも感じられます。でもそれはそれとして、公式には出演数を減らすよ理解してね!と後ろ向きに言うのではなく、減っても全力で演出していくからね!位の前向きなスタンスを出して欲しいのが本音です。キャストに涙させたりファンに信じる信じないと二分させる前に、公式として”できることをやる”余地はあるように考えます。形が定まらないパズルのピースという矛盾やジレンマを覚えました。

前提としてご本人に非があるわけではないため、自分の中で折り合いを付ける為にはもう少し時間が必要なのかなぁとも思います。

スクスタベースのライブを楽しむハードルの行方

4th Live!のタイミングでさりげなくキズナエピソードに変更が入る発表がされました。

4th Live!参加者と話をしていてキズナエピソードを追い切れなかった声を度々聞きました。もちろん知らなくても楽しめますが、ゲームを殆どやらない人には攻略が壁になっています。公式も都度ダイジェスト動画を作って公開していましたし。今回の発表は歓迎したいですね。長らくはまらないピースがはまりそうな感じです。

5周年を迎えるPDPと新シリーズプロジェクト

5年と言えば新プロジェクトが生まれ...と書いていたら書き上げる前に発表されました。虹ヶ咲直系の後輩と決まったわけではありませんが、Liella!の時と比べて小さい告知と異色な展開はそう感じさせます。

勝手な推測ですが、時流としてゲームアプリからVTuberやARなどに移るのは自然なことでしょう。それでいて、虹ヶ咲9人がやってきた実況・レビュー動画といった活動にようやくスクールアイドルの時代が諸手を挙げて追いつくのかもしれません。(自分は好きだからニジガクもまたやってほしいんですけどね)

話は戻り、5年目を迎えた虹ヶ咲は活動期間で言えばシリーズの真ん中に立つこととなります。作品毎のフィールドで展開を加速していく時代において、リアルイベントでは大所帯故に小回りが難しい作品ですが、このままアニメ2期とスクスタを通してもっと進撃して欲しいと改めて思いました。完成させたパズルを更に大きなパズルのピースとして繋げて欲しいですね。(キャストが次に向けてのことを言ってくれるのがとても心強い🙏)


終わりに:自らの在り方を愛し進んで行く先の景色

パズルとピースになぞらえて振り返ってみました。12人で足並みが揃い楽しめたライブだからこそ、自分にとって4th Live!に至るまでのピースには積み重なっていたものがあって感想に出てしまった気がします。(お気持ち系はここに書いても自己満でしかないため、表現を最適化してアンケートに書いてます)

最初の方で書きましたが、同じパズルでもおそらく奥に見えるものはファンの数だけ違います。自分にとってのピースへ落とし込んで共有できるのも虹ヶ咲らしいところだと思います。

同じ楽しさ(トキメキ)を共有して背中を押されたり背中を押せたり。そんな虹ヶ咲らしい相互性がとても好きだと改めて理解できた4th Live!でした。しばらく期間は空いてしまいますが、自らの在り方を愛し進んでいく12人(13人)が作っていくものを楽しみにしていきたいと思います。

ちなみにこのパズル、虹に乗るニジガク以外にも星と雲でアイコンカラーが使われています。星であり雲でもあるところが何か示唆しているようで好きです。



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