#寡黙する魔物
「水無瀬はさ、言葉を大事にしてこうよ」
「言葉を大事にしていきます」
復唱した言葉は魔法であり、呪いにかかった瞬間でもある。
去年の年末、事務所退所と同時に曲を出すことを決意した。
作曲者に依頼したのは2020年12月。
はじめてこういった仕事を個人でコンタクトした。
今までどれだけ大人におんぶに抱っこだったかを痛感した年末だったことを覚えている。
時は遡り2019年年末、わたしは無職になった。
無職になったとはいえ事務所には入っていたけれど、輝かしい未来は見えなかった。
事務所HPの【水無瀬ゆき】はスクロールしなければ見れないほど底辺に落ち、望んでいたバースデーイベントも自分だけ開催されなかった。
そういったことが多々ありファンがざわついていたことは知っていたが、弁明することもできず無力さを知った。
当時、戦力外通告をされた気分だったことを覚えている。
今となっては冷静に考えることができるけれど、そういった差異が見えるたびに自分に暗い気持ちが芽生え、元メンバーと連絡を取らなくなった時期もあった。
嫉妬していたのだ。
2020年夏には200万ふっかけられたりした。
このnoteを見てる人は絶対にわたしに壺や英会話の教材などを売り付けないでほしい。
疑うことができないのだ。
だから前の事務所ではドッキリはNGにしていた。
まぁ、そんなことはさておきこのような出来事で”この業界”に飽き飽きしていた時期があった。
だけれど、200万ふっかけられた時に助けてくれたのも”この業界”の人であり、フェイクか否か。
それは自分で見極める必要があることを学んだ。
そして、わたしをずっと気にかけていた元メンバーの荻野可鈴の存在がすごく大きかったと思う。
彼女の存在がなければ今頃実家で”こどおば”になっていたであろう。
ここであったことはわたしの大切な思い出なので書くのは割愛します。
総じて2020年は学びの年であったと思う。
やろうとしたことが結果的に全てが学びになった。
そうして2021年、活動のはじめにファンクラブの【水無瀬荘】を作り、【脈ありパルス】の作詞やその他の作詞も行った。
ファーストシングルということもありレコーディングは3日使い納得がいくまで録った。
約4ヶ月、1曲作るにはとても長い。
ただそれだけ時間をかけてよかった。
事務所をやめたシンガーは今までの自分のことを比喩して曲を出すことがある。
根っからのオタク気質のわたしには、待望のファーストシングルがそんな曲だったらとても悲しい。
だからこそ、脈ありパルスの歌詞にはそういったことを絶対にしたくなく、とにかく少女漫画のようなフィクションを狙った。
はじめての作詞には戸惑うことも多かった。
可愛い曲調とは打って変わって、自分の書く歌詞はとてつもなく暗かった。
単純に明るいことよりも暗いことの方が書きやすいのかもしれない。
よく考えれば、人の嫌なところは容易に見つかるのに良いところは見つけにくいというし、おばちゃんの井戸端会議は基本、悪口である。
マイナスの方が出しやすい。
そんな事実を知ってはまた落ち込んだ。
そうしてわたしは語彙と感情の旅に出た。
映画や漫画、小説、そしてたくさんの曲を聴いた。
図書館にも行ったが、本のページに鼻クソがついていたから行くのをやめた。
そして何よりもまだ名前も歌詞も出来ていない作曲者さんからもらったデモを1日中聴いた。
ちなみに歌詞の”恋もどき?もどき?もうドキドキ!”ははじめて聴いた時に思いついたワードでそれは一度も変えずに採用した。
聴けば聴くほど少しずつワードが生まれて、全部歌詞が書き終わった時はお母さんに「聴いて聴いて!」とアカペラで歌った。
そうして出来た歌詞は歯が痛くなるほど、甘くて可愛い歌詞になった。
ハッキリ言うけど、脈ありパルスの歌詞は最高。
これ以上可愛い歌詞はない。
親バカかもしれないけれど、こんなに可愛い曲を悪く言うところが、ない。
ただ、どうしてもわたしには空白の一年があり、やはりブランクを越えるのは単純にはいかない。
どうしたものか。
今まで会った人や新しい人と会話出来れば良いのに。
そうしたら宣伝できるのになぁ。
え?
それやればいいじゃん。
なんなら配信しながらやったらおもしろそうじゃん!
ということで今回、LINE公式登録者1000人企画をしたいと思います。
過去にお世話になった関係者、そしてファンのみんな。
これからお世話になりたい人、関係者の関係者、これからファンになるかもしれない人。
そしてキミとまた楽しいことがしたい!
ということでこれから企画を練ります。
次のnoteをおたのしみください。
今の世界の状況はお世辞にも良いとは言えないけれど、これから面白いことをして1人でも多くの人が笑顔になることを願ってます。
というか、わたしがみんなを笑顔にします!
こんなに言葉を書いたのは数年ぶりです。
言葉は大切にすればするほど重くて紡ぐことが困難になるけれど、今回みんなに伝えられてよかったなぁ。
寡黙する魔物が喉からいなくなって本当によかった。
これから刮目よろしくお願いします。
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