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UKUSA(通称5アイズ)も場合によっては敵同士


同資料(注)には、「国家には友人も敵も存在しない。在るのは国家利益だけであると言われる」
とか、「今日の友人や同盟国も、いつまでも友人や同盟国であるわけではない」などと記述されており、現実主義的な国際関係の理解が、国家関係の基礎とされている。即ち、シギント分野でも、国益が合致する限りで協力し、一致しない範囲では互いを標的として情報収集の対象とすることが当然とされているのである。2015年のウィキリークスの漏洩事案では、ドイツ、フランス、日本など西側諸国の首脳の言動に関する情報が漏洩されたが、この程度で驚いてはいけないのである。他方、友好国もまた米国を標的にしているのであり、フランス、イスラエル、韓国は、対米諜報に積極的な国として知られている。
なお、シギント同盟諸国は極めて緊密一体化しており互いを標的としないことを合意しているが、スノーデン漏洩資料に よれば、米国の至高の国益に資する場合はそれさえも例外が認められる旨記載されている。これが、インテリジェンスの世界である。
仮にもし再びかつてのウィキリークスのような情報漏洩事案が発生した場合には、政府には、これが世界の現実だと国民を教育して欲しいものである。

『シギント 最強のインテリジェンス』茂田忠良・江崎道朗 (株式会社ワニブックス)より

(注)NASにとっては協力相手であると同時に標的でもある。情報公開されたNSAのある内部研究資料の表題は、「サード・ パーティ諸国: パートナーにして標的」であり、この本質を明確に示している。

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