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最近の電動キックボードなどの利用緩和に伴う法改正に疑問符

2023年12月、長野県軽井沢町で電動キックボードに乗っていて大型バスと衝突して死亡した当時39歳の女性が、無免許運転と信号無視、ノーヘルメットの道路交通法違反の疑いで被疑者死亡のまま書類送検されたというニュースがありました。
この事故は信号機がある丁字路交差点で、電動キックボードに乗っていた女性が信号機が赤なのに交差点に進入して左折しようとし、直進してきた大型バスと衝突し死亡したものです。その後の調ベで女性の電動キックボードは、最高時速が20キロを超える「一般原動機付自転車」に区分され、運転免許がなければ公道を走ることができないのにもかかわらず、女性は運転免許を持っていなかったことが分かっています。すなわちこの女性は無免許の上に、信号無視までしていたのです。こんな無法者に突撃されたバスの運転手は災難でしかありません。
交通事故の場合、一般的に歩行者と自転車なら自転車、自転車とバイクならバイク、バイクと乗用車なら乗用車、乗用車と大型バスなら大型バスと、大きいほうの責任割合が高くなります。これは破壊力の強いほうがより気をつけないといけないからと一見合理的なようですが、それも時と場合によります。今回のように一方的な法令違反の場合にまでそれを持ち出し、なんら落ち度がないにもかかわらず“バス”というだけで責任を押し付けられたのでは堪ったものではありません。
その意味では女性の落ち度のみを明確に認めた今回の処分の意義は大きいでしょう。このニュースを見て“平気で信号無視を繰り返す自転車乗り”が減れば幸いです。電動キックボードは2023年7月の道路交通法の改正で、免許所持とヘルメット着用が必須だったものが最高速度によって「免許が必要、不要」「ヘルメットが必要、不要」に分けられました。しかし、電動キックボードはスピードが出ないから安全というわけにはいきません。なぜならこの乗り物には小さな2つの車輪しか付いていないからです。自転車やバイクもそうですが、2輪車はある程度のスピードを出すことによって安定して走行できるのです。スピード違反はダメだからといって不安定な状態でよろよろと路肩を走られたのでは周囲のドライバーは恐怖でしかありません。そんな危険な乗り物の規制を国はなぜ“緩和”したのでしょう。
ソーラーパネルやEV自動車など“電気関係”のほとんどは今や「メイドイン中国」です。電動キックボードも御多分に洩れていません。まさかとは思いますが、親中派の連中が「自己の利益と引き換えに国民の安全を売り渡した」なんてことがあったらわたしは許しません。

百田尚樹のニュースに一言 令和6年3月18日号より

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