メキシコペソ 7月5週目 ひょっとして日銀は口軽くないですか?

日銀会合

FOMCの利上げは世間の予想通りでした。インフレが鈍化しているので、今後の利上げ予想は難しいですが、物価と雇用が高止まりしているので、利下げがないことは想像しやすいです。
日銀会合はYCC情報に振り回されましたが、結果としてゼロ金利の継続とYCCの緩和。個人的な予想は0.75%までのYCC容認、一時的な136円ぐらいまでの円高、少し時間掛けでの円安再開だったので予想を外しました。

YCCで円高に振れるのは予想していましたが、朝起きたら141円まで戻していたのはビックリでした。今円高に振れる要因は日銀政策変更ぐらいで、重大な事件が起こらない限り当面円安傾向を止めようがない気がします。ただ盲信したら痛い目に遭いそうなので慎重にとは思います。また、個人的には145円ぐらいが日銀介入ラインかと注意しています。

2022年のメキシコ世帯収入

メキシコ一般世帯収入支出調査(La Encuesta Nacional de Ingresos y Gastos de los Hogares (ENIGH))からですが、2022年の月額平均所得は21232ペソとのことでした。(中央値は16000ペソぐらい)
ちなみに上位10%の平均は66900ペソで最下位10%は4400ペソだそうです。

数値は四半期なので3ヶ月分
最下位から10%毎10分割の平均値

ここでいうHogares(世帯や一般家庭の定義)が、世帯は2人以上で一人世帯除外?共稼ぎは合算なのか?妻が個人経営者や正社員、あるいは納税関係で世帯分離されるのか?税引前税引後?この辺りは正直よくわからないです。平均支出は月額13300ペソで、食品:37.7%、輸送通信:19.3%、娯楽教育:9.8%になるようです。
Ⅰ(貧困最下位10%)とⅩ(富裕最上位10%)の2016年と2022年を比較して、貧困の差が縮小していることを「深刻な経済危機と経済衰退をもたらした新自由主義的経済からの離脱、他国にはないメキシコ独特の経済モデル、メキシコのヒューマニズム」とAMLOは自画自賛でした。

インフレと失業率

7月中間のインフレ率が発表されました。年間インフレ率は4.79%(前回5.06%)、年間コアインフレ率6.76%(前回6.89%)といずれもインフレは鈍化中です。特に価格が抑制されたのが、食糧、住宅、エネルギー関係とのことです。但し食糧ですが年率7.19%、前々月が9.47%なので下がってはいるものの普通に考えれば十分高いと思います。観光関係と飲食店は年率10.05%と未だに高値を維持しています。
6月の失業率ですが過去最低の2.68%、労働人口は6030万人で前年同月では85.9万人増加、前四半期と比べ2万人増加しています。しかし、6030万人のうち3260万人が非正規(自給自足農業の自営業者など、SATや他の同様の制度に登録されていない零細企業で働く人々に加え、福利厚生や契約、社会保障も受けずに働く人々)とのことです。
インフレ率は鈍化していって政策金利が11.25%を越えるような利上げはないと思いますが、根強いと思います。

消費は好調

スターバックスやドミノピザを初め多くのレストランを運営するALSEAは第2四半期189億ペソの売上、前年同期比11.9%の成長でした。
ウォルマートも第2四半期2137億ペソの売上、純利益は114億ペソと売上では前年同期比9.3%、利益は5.1%増加とのことでした。
コンビニチェーン「OXXO」を運営しているコーラのFEMSAも純利益が18%増加と順調なようです。
INEGI(国立統計地理情報院)やANTAD(小売業組合)の情報ではありませんが、一部企業の業績を見ると消費は好調のようです。

トピック

通貨:
先週16.99から週末は16.67
FRBインフレ緩和でペソが上昇
ペソの見通しは良好でも短期的反発注意、そのときの抵抗線は17.00
BBVAは年末ドルペソレートを0.5%の利下げ込みで18.50へ修正
パリバは2024年末のドルペソレートを16.50と予測
シティは年末ドルペソレートを18.30から17.70へ修正
フィッチはドルペソは16.40に達すると予測

メキシコ株:
週末株価は53.5から54.9
2023年末の株価楽観値は61、目標は60へ上方修正
メキシコデフェンシブ企業が順調

メキシコ中銀:
現在11.25%:次回の政策金利は8月10日
6月22日の政策金利会合は利上げなし
年末目標金利は11.25%
メキシコ中銀副総裁は11月に利下げの可能性を示唆
IMFの経済成長率予測2.6%にメキシコ政府は3%越えを宣言

金融:
5月までの銀行利益が1140億ペソ、年々同期25%上昇
5月までの銀行の投資総額は3.2兆ペソ、前年同期の2.3兆ペソから増加
投資利益は1021億ペソで前年同期50%以上増加

消費者物価指数:
6月の年間インフレ率は5.06%、前月5.89%より0.83改善
6月のコアインフレ率は6.89%、前月7.39%より0.50改善
7月中間の年間インフレ率は4.79%
7月中間の年間コアインフレ率は6.76%
BBVA:2024年末までインフレ4%達成は厳しい
6月の消費者信頼感は45.2で前月より1.1増加
メキシコ中銀は食糧年間インフレ率10.5%などインフレ高止まりを懸念

貿易収支・経常収支:
貿易収支 6月:-14.2億ドル、5月:-0.7億ドル、4月:-15.1億ドル
輸入額 6月:511億ドル、5月:529億ドル、4月:477億ドル 
輸出額 6月:497億ドル、5月:529億ドル、4月:462億ドル
6月の輸出は自動車製造業が牽引も石油関係が大幅減少

5月送金額は57億ドル 前月より4億ドル増加
今年の送金額累計は247億ドルで前年同時期より10.3%増

小売り売上:
ANTADの5月売上は前月比0.4% 消費は鈍化
USB:個人消費を前年4.8%から3.1%へ鈍化すると予測
INEGI:5月の個人消費は前年同月比3.5%増加、前月比は0.1%減少

雇用・失業率:
6月失業率は2.7%、前月より0.2%良好
6月に創出された雇用50万件のうち95%以上が非正規雇用

製造業・自動車:
6月自動車生産台数は33.1万台、前月より1.3万台減少
6月の製造業受注は53.8で35ヶ月連続50越え
BBVA:新たに453社がメキシコ工業団地に流入予定
BBVA:今年上半期の製造業成長率は1.7%で前年同期2.6%と比べ鈍化

鉱業:

食品:
食肉貿易収支が前年前期7.1億ドル赤字から12.7億ドル赤字と悪化
ベーシックバスケットは年初より3.4%増加

エネルギー:
メキシコバスケットは70.61から75.01
アメリカ経済好調から需要が増加

USMCA:
エネルギー国有化は引き続き論点
アメリカ、カナダともに遺伝子組換えトウモロコシの使用を禁止するメキシコ政令の延期を要請

USMCA以外:
ボリビアは決済通貨に中国元の比率を増加

観光業:
国内旅行は前年同時期に比べ17.8%増
ホリデイ観光料金は平均15%割増


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