メキシコペソ 11月4週目 アルゼンチンのドル化は本気?

いつもは土曜日NY市場終了後の数値を記載していますが、今回は24日(金)22時半の数値です。

先週末、ドルが急激に下がったのでどうしたものかと思っていたら週末には149円台とほどよく回復。紛争以外には、来月13日のFOMCまでは相場が大きく動くイベントが起きるとは思えないので、しばらくの間レンジ相場かと思っています。
10月のメキシコのGDPが年率3.3%とでましたが、個人的にはもう少し上かと思っていました。現時点では数値以外の情報がないので来週のニュースとして注目しています。

日本の消費者物価指数が2.9%と発表されましたが生活用必需品の値上がりは体感ではこの倍以上の気がします。来週小売りの発表がありますが、インフレ上昇以上の売上高上昇がなければ、買い控えの内需縮小パターンで嫌な予感がします。日本政府も「賃上げ期待」と他力本願するよりは、賃上げ恩恵を受けそうにない低所得者層の保護を考えた方がいいと思います。

アルゼンチン新大統領

アルゼンチン大統領選挙で超リベラル派のハビエル・ミレイ氏がに選出され、アルゼンチン市場は楽観的な反応を示しました。アルゼンチンペソをドル化するとの選挙公約ですが、準備金すらないのでまず無理との話です。あと電気ガス、公共料金の補助金も枯渇気味で財政調整する必要があるそうですが、アルゼンチン国民にすれば苦痛を味わうとも言われています。
AMLO的には右派のミレイ大統領を歓迎していないようで、シェインバウム与党大統領候補はミレイ大統領の経済政策には明確に反対を表明しました。
アルゼンチンの為替が混乱すると(メキシコにとって)食料輸入に影響してくるのですが、正直メキシコ経済にはたいした影響なさそうな気がします。

物価は少しだけ上昇

11月の中間消費者物価指数が発表されましたが、年間インフレ率は4.32%(10月から0.06%上昇)で年間コアインフレ率は5.31%(10月から0.19%下降)とのことです。
インフレに関しては指定都市の夏期電気料金プログラムの終了で電力が20%ほどアップしたことが主因で、卵と鶏肉も値上げが続いているようです。コアインフレ率の方は、サービス価格が5.28%と若干下がったようです。また、ハリケーン「オーティス」の影響で被災地のアカプルコ周辺はまともなデータがとれないようです。普通に考えれば物価上昇圧力になるのですが、あくまで中間報告なので詳しいことは分かりません。

トピック

通貨:
先週17.23から週末は17.14
先週から引き続きドル全面安で相対的にペソ上昇
メキシコ中銀は年末のドルペソレートを17.75と予測
シティは年末ドルペソレートを17.60と予測

メキシコ株:
週末株価は52.7から52.7

メキシコ中銀:
現在政策金利11.25%:次回の政策金利は12月14日
年末目標金利は11.25%
11月9日の政策金利会合は利上げなし
セハ総裁、ヒース副総裁ともに12月の政策金利据置、利下げを議論する可能性を表明
利下げ開始は希望的観測では2024年2月、8月ぐらいが順当

メキシコ年末経済成長率予想
3.6%・・・JPモルガン
3.5%・・・ムーディーズ、パリバ
3.4%・・・XP、シティ、ゴールドマンサックス
3.3%・・・OECD
3.2%・・・バークレイズ、BoA、BBVA、メキシコ中銀、IMF
3.1%・・・フィッチ
3.0%・・・メキシコ財務省

金融:
9月までの銀行利益が2050億ペソ、前年同期17.3%増加で過去最高を更新中銀行は高金利で記録的な利益を継続

消費者物価指数:
10月の年間インフレ率は4.26%、前月4.45%より0.19改善
10月の年間コアインフレ率は5.50%、前月5.74%より0.24改善
11月中間の年間インフレ率は4.32%
11月中間の年間コアインフレ率は5.31%
アナリストは冬季燃料高とペソ安が物価を圧迫する可能性有りと指摘
メキシコ中銀は年末年間インフレ率を4.7%と予想

貿易収支・経常収支:
貿易収支 9月:-14.8億ドル、8月:-13.8億ドル、7月:-8億ドル
輸入額 9月:511億ドル、8月:537億ドル、7月:484億ドル 
輸出額 9月:497億ドル、8月:524億ドル、7月:476億ドル
資本財の輸入は20%、消費財の輸入も10%増加も中間財が9%減少

9月送金額は56.1億ドル 送金額累計は470.7億ドルで前年同時期より11.4%増加

小売り売上:
メキシコ中銀:メキシコの消費者信用総額1.36兆ペソ、実質年率13.5%増加
ANTADの10月までの累計売上は1兆2110億ペソ、10月単月の売上高は既存店で1.4%減少
INEGI:9月の小売り売上は年率3.7%増加
9月の消費者信頼感指数は46.8、前月と横ばい

雇用・失業率:
INEGI:9月失業率は2.7%、前月より0.1%改善
9月の経済活動人口は前月より14.4万人減少で6084万人
非正規労働が61万人減少も正規雇用が52万人増加で非正規率が54.3%まで低下
9月の失業者数は前月より5.1万人減少

製造業・自動車:
10月自動車生産台数は37.8万台、前月より4.0万台増加、前年同月比は36%増加
10月国内自動車販売数は11.4万台、今年累計は109.0万台で前年同期78.1万台と比べ25.0%増加

10月の景況感は前年同月比53.0%で好況を維持
8月総固定投資は年次31.5%、前月比3.1%増加
住宅建設は3.9%減少も非建築投資は47.4%と強烈に増加中
財務省は特定10製造業で輸出50%企業に税制優遇、誘致強化

食品:
アメリカ、大豆トウモロコシ豊作のため食糧価格低下の見込み

エネルギー:
メキシコバスケットは69.23から73.35
先週の底値からの戻し、WTIは下落中

USMCA:
エネルギー国有化は引き続き論点
米国遺伝子組換えトウモロコシの使用を禁止するメキシコを提訴
アメリカの対メキシコ貿易比率は年累計で15.8%で首位

USMCA以外:
アルゼンチン大統領の政策に全南米が関心

観光業:

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