メキシコペソ 10月2週目 戦争は勘弁

パレスチナ騒動

もしパレスチナが荒れるとしたら、北部のヒズボラ支配地域から始まると思っていたので、人口密集地帯のガザ地区、ハマスから始まるのは意外でした。
個人的に二点言いたいことがあるとすれば、一つ目はイスラエルはサウジとの関係改善中とニュースでよく言っていましたが、サウジの要求はアメリカからの核保持容認。はじめから交渉する気などさらさらなかったと思うし、今回の件で得するのは○○○なので怪しさ満載の目で見ています。
もうひとつは、イスラエルとパレスチナってウエストバンクからの撤退を条件にアラブ諸国と和解していると思っていたのですが、この同意を履行させるのが(西側諸国にとって)先だと思っています。何にしても早く解決して欲しいと思っています。

メキシコ目線で見たら、ウクライナと同じで影響がほとんどなさそうで、かえって資産がより流入しそうな気配です。政府、財務省もニアショアリングを加速させようと25年まで半導体、EV、医薬品などへの投資控除、輸出企業への奨励金とかの政策補助を打ち立てているようです。今は戦争と米国債金利でペソは振るいませんが、持ち直すと思います。

再利上げの懸念

今週、9月消費者物価指数の発表がありました。結果は、
・年間インフレ率は4.45%で前月4.64%より0.19改善
・年間コアインフレ率は5.74%で前月6.08%より0.34改善
と順調に治まってきました。

但し、メキシコ中銀、金融機関ともに次回のインフレ率は上昇するとの見方です。グルッポ・フィナンシエロは、冬季燃料費とペソ安が物価を圧迫して、誰もが望まない利上げを年内に一度行われる可能性があると指摘しました。ちなみにメキシコ中銀は現在の政策金利11.25%を長期間維持する必要があると考えているようです。

米国債金利上昇、空港問題からの株式急落、戦争等のリスク回避からのペソの下落が年末まで続くようであれば、再び利上げの可能性も出てきたと思います。現時点での金融機関32社年末ドルペソレート予想は、
 最安値がカサデボルサの18.60、
 最高値がバークレイズの16.50、
シティやメキシコ中銀は17.60~17.80で、個人的には戦争等の突発事項がない限りは17前半ぐらいまで戻ると予想しています。

空港潰し

2018年の大統領就任以来、AMLOと航空業界は敵対関係にあったとのことです。
閉鎖的な運営による高収益や安全性を無視した運営をAMLOは批判しており、退任前に決着をつけるために9月頭にメキシコシティ国際空港(AICM)へ発着枠削減を命令したようです。ただ、いろいろ裏の利権がありそうで、これ以上のことはわかりません。もし財閥や富豪や権力者の相関関係図を分かっていれば面白いのかもしれませんが、とりあえず政争のとばっちりでペソも株も下がっているだけなので、じきに回復すると思ってます。

トピック

通貨:
先週18.16から週末は18.09
アメリカ利上げ据置情報から一時ペソ上昇も結局不透明感から下落
メキシコ中銀は年末のドルペソレートを17.75と予測
シティは年末ドルペソレートを17.60と予測

メキシコ株:
週末株価は48.8から49.3
空港株暴落からやや持ち直し

メキシコ中銀:
現在政策金利11.25%:次回の政策金利は11月9日
年末目標金利は11.25%
9月28日の政策金利会合は金利据置
利下げは2024年2月が有力だかペソ安の推移によっては再利上げの可能性
財務省は2024年財政赤字が石油収入減少によりGDP比5.4%、1.7兆ペソと過去最悪を予想
2024年末の公的債務はGDPの48.8%を予想(日本は対GDP比184%)

メキシコ年末経済成長率予想
3.5%・・・パリバ
3.4%・・・XP、JPモルガン
3.3%・・・ムーディーズ、OECD
3.2%・・・バークレイズ、BoA、シティ、BBVA、メキシコ中銀、IMF
3.1%・・・フィッチ
3.0%・・・メキシコ財務省

金融:
8月までの銀行利益が1812億ペソ、前年同期14.5%増加で過去最高を更新中銀行は高金利で記録的な利益を継続

消費者物価指数:
9月の年間インフレ率は4.45%、前月4.64%より0.19改善
9月の年間コアインフレ率は5.74%、前月6.08%より0.34改善
アナリストは冬季燃料高とペソ安が物価を圧迫する可能性有りと指摘
メキシコ中銀は年末年間インフレ率を4.7%と予想

貿易収支・経常収支:
貿易収支 8月:-13.8億ドル、7月:-8億ドル、6月:-14.2億ドル
輸入額 8月:537億ドル、7月:484億ドル、6月:511億ドル 
輸出額 8月:524億ドル、7月:476億ドル、6月:497億ドル

8月送金額は55.6億ドル 前年同月比8.6%増加も前月より0.9億ドル減少
今年の送金額累計は414.5億ドルで前年同時期より9.3%増加
送金による購買力はドル安ペソ高で12.6%減少

小売り売上:
ANTADの9月までの累計売上は9701億ペソ、前年同期比11%増加
INEGI:7月の小売り売上は前月より0.2%増加
BBVA:8月の消費は前月比0.3%減少
9月の消費者信頼感指数は46.8、前月と横ばい

雇用・失業率:
INEGI:8月失業率は2.8%、前月より0.1%改善
8月の失業者数は前月より11.8万人減少
メキシコの若年(15~24歳)失業率は5.6%、日本、ドイツに次いで3番目

製造業・自動車:
9月自動車生産台数は33.8万台、前月より1.3万台増加、前年同月比は24%増加
9月国内自動車販売数は11.8万台、今年累計は97.6万台で前年同期78.1万台と比べ24.9%増加
8月製造業活動指数は105.4、前月比は0.2増加
8月の景況感は前年同月比53.8%で好況を維持
7月総固定投資は年次29.1%、前月比0.3%増加
財務省は特定10製造業で輸出50%企業に税制優遇、誘致強化

食品:

エネルギー:
メキシコバスケットは77.52から87.69
パレスチナ暴発から原油高

USMCA:
エネルギー国有化は引き続き論点
米国遺伝子組換えトウモロコシの使用を禁止するメキシコを提訴
アメリカの対メキシコ貿易比率は年累計で15.8%で首位
メキシコーテキサス国境検閲強化で物流停滞

USMCA以外:

観光業:

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