メキシコペソ 5月3週目 ペソは再びスペルペソ

中東騒動から1ヶ月、またペソは16.60へ復活しました。ペソ保有者にとっては絶望から大勝利を感じていると思います。個人的にはペソ円が7.0を越えたときから正直スワップしか興味をもっていませんが、万一ペソ円が10行くことがあれば奇跡を感じるとともにドル円が160円までは下がっているはずなので日本終了と複雑な気持ちになると思います。

2週間後には大統領選挙という大イベントがありますが、AMLO率いるMORENAの優位は変わらず、シェインバウム候補者の失言がない限りはご祝儀のペソ高はあってもペソ安には動くとは思えません。ただ、あくまで中東危機や朝鮮や台湾紛争、大統領候補者暗殺などの大きな事件が起きなければの話で、重大事件に脆弱な点はどうしようもないと思います。

サトウキビ不作

先週、カリブ海を含めた中米は熱波の影響でサトウキビに大打撃があったことと熱波で野菜果物の価格上昇を招きました。中米だけかと思っていたらタイも熱波でサトウキビに打撃があったそうなので、今年は世界的に砂糖が値上がりしそうです。メキシコの果物野菜価格の上昇が直接アメリカへ直接影響するとは思いませんが、ボディブローになるとは思います。世界の主要地域が酷暑ならエネルギー価格や飲料水・食品価格上昇からから再びインフレ、利下げが遅くなるになる可能性が高そうです。

関係ないですが、DM三井製糖ホールディングス(2109)、住友商事(8053)、コカコーラ(2579)なんかはチェックかなと思っています。

米国CPIは静観

CPIが高騰したメキシコに対してアメリカはどうなるのか気になっていました。
結果は0.1%低下でメキシコとは反対となり、FRBの利下げ期待が高まり一時的に円高となりました。
裏付けのないネット情報ではアメリカ人の体感感覚ではインフレはまだまだ上昇との投稿を多く見かけますし、もし気候が酷暑なら目も当てられないかもしれません。バイデン大統領は 経済>インフレ のスタンス発言をよくしていますが、トランプ候補は玉虫色が多くウォールストリートとは犬猿ですが、本音がどこにあるのか興味あります。

海外直接投資は絶好調

15日、AMLOは第一四半期の海外直接投資額が203億ドルと前年同期186.3億ドルから9%上昇、歴史的な記録を達成したことを大いに誇りました内訳は米国が106.1億ドル、ドイツ17.4億ドル、カナダ 17.0億万ドル、日本14.3億ドルとのことです。基本的に自動車産業の投資額が全体の42%と多いですが、次点で金融業が25%、鉱業が12%と続くようです。メキシコ政府的には半導体の投資も熱望しているようですが、個人的には慢性的に電力・水不足のメキシコへの投資は厳しいと思います。

中国については、今週アメリカは繊維業もウイグル人強制労働問題で制裁を発表しましたが、メキシコに対しても中国排除でかなりの圧力をかけているようです。中国関係についてネガティブな記事の数が増えてきている気がします。

トピック

通貨:
先週16.78から週末は16.61
米国CPIに反応、米国利下げ期待からペソが買われる

年末ドルペソ予想
財務省・・・17.80
メキシコ中銀・・・18.53
シティ・・・18.20

メキシコ株:
週末株価は57.7から57.6

メキシコ中銀:
現在政策金利11.00%:次回の政策金利は6月28日
5月10日の政策金利会合は全会一致で金利据置
ヒース副総裁:年末政策金利は10.00~10.50%の予想
シティ:アナリスト36人中30人が6月の利下げを予想
INEGI:3月の経済成長率は年率2.1%、月次で0.2%

メキシコ2024年末経済成長率予想
3.0%・・・メキシコ財務省
2.5%・・・OECD、BBVA
2.4%・・・IMF
2.3%・・・メキシコ中銀、ムーディーズ
2.2%・・・シティ

金融:
1~2月の銀行利益は483.7億ペソで前年同期比12.8%増加

消費者物価指数:
4月の年間インフレ率は4.65%、前月4.42%より0.23悪化
4月の年間コアインフレ率は4.37%、前月4.55%より0.18改善
サービスは5.21%、前月5.37%より0.16改善
インフレ率上昇も野菜果物の高騰が原因でそれ以外は鈍化傾向

貿易収支・経常収支:
貿易収支 3月:21.0億ドル、2月:-5.8億ドル、1月:-43.2億ドル
輸入額 3月:486.5億ドル、2月:513.1億ドル、1月:462.7億ドル
輸出額 3月:507.5億ドル、2月:507.2億ドル、1月:419.6億ドル
中間財と投資財の輸入減少で結果として貿易黒字
アメリカへの輸出が前年同期比で1.2%減少

3月送金額は52.1億ドル ドルベースでは46ヶ月連続増加
1~3月累計は141.5億ドル 前年同期139.3億ドルと比べ1%増加
ペソ換算で考えれば前年比15%減少

小売り売上:
ANTAD:3月までの累計小売り売上3663億ペソ、前年同期比6.9%増加
4月の消費者信頼感指数は47.3で楽観的

雇用・失業率:
INEGI:3月失業率は過去最低更新の2.3%、前月より失業者が9.7万人減少
非正規雇用が54.3%で前月より0.2%改善
IMSS:メキシコの平均賃金は日給573.4ペソ

製造業・自動車:
4月の輸出台数は29.0万台で年間累積111.5万台で前年同期比12.1%増加
4月の生産台数は35.9万台で年間累積128.6万台で前年同期比5.7%増加
自動車産業は2023年の生産台数370万台から2024年400万(韓国、ドイツレベル)以上と予測、そのうち輸出は300~350万台を想定

4月の景況感は前年同月比54.2%で好況を維持

食品:
世界的にでサトウキビが不作
熱波で野菜果物が打撃

エネルギー:

メキシコバスケットは74.98から73.83
メキシコ財務省:PEMEX債務債権に苦心

USMCA:
エネルギー国有化は引き続き論点
米国遺伝子組換えトウモロコシの使用を禁止するメキシコを提訴
アメリカはメキシコへ中国包囲網参加に圧力


USMCA以外:

観光業:

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