メキシコペソ 10月2週目 インフレ対策は何より優先
インフレ抑制のための民間との協定
インフレ抑制協定合意により、基本バスケットが8%引き下げ(メキシコ大統領府)
AMLOは、民間15社とインフレと飢饉に対する協定の調印を主導しました。合意内容は下記の3つです。
・2023年2月28日まで基本バスケットの24品目の価格を8%引き下げ
・2023年にインフレを加味して最低賃金の引き上げ
・地方農業生産者への支援
具体的には、基本24品目はトルティーヤ、豆、米、油、鶏肉、卵などの主食を意味しています。
協賛企業はグルマやウォールマートを初めとする農産物、畜産物、流通企業で、流通に関する一部手順、許認可免除の特典があり、企業の規律を信頼するそうです。
農業生産者には、価格保証、肥料の無料配達、肥料の低価格販売をするそうです。
この期間、ホワイトコーン、豆、イワシ、食品包装に使用されるアルミニウムと鉄スクラップの輸出を一時的に中止するそうです。
付加価値の高いものをつくってより利益を得るのが資本主義なので、今のメキシコでは付加価値の低いトウモロコシや小麦は輸入に頼り、ベリーやアボガドなど高付加価値の農作物生産に特化しています。今更単価の安いトウモロコシや小麦を補助金ありでも持続的回復が可能か、あるいはそれ以外の手段あるのか疑問です。しかしながら今回のインフレ抑制行動は、国民へのアピールとしては素晴らしいと思います。
今週発表された消費者物価指数は前月比0.62%、年間8.70%、過去22年間で最高を更新しました。様々な経済専門家がメキシコのインフレは9月でピークに達したと報告してますが、今の状態が高止まりして来年も続くと予測しています。インフレが自国だけならともかく、特にヨーロッパやアジアは今から激しくなりそうなので対処可能かどうかは疑問です。
個人的な話ですが、10月に入って食料品が10%ぐらい値上がりした気がします。来月の日本の消費者物価指数も大幅に上がりそうな気がしています。
経済指標
AMLOの発表では雇用者数はコロナ前より80万人創出したとのことですが世帯のほぼ70%が減収したとのことです。
製造業活動指数は年ベースで8.2%の成長で、軽自動車が前年同月比で33%増加しており、これが成長を牽引しているようです。ただ製造業受注指数PMIは0.36ポイント低下ですが、51.2ポイントの50越えで悪い数字ではありません。
現在メキシコ経済で一番重要なアメリカからの送金は過去最高51億ドルを記録しました。昨日のアメリカ失業率も3.5%と雇用状況は良いのですぐに落ちることはないと思いますが、ここがメキシコ経済の生命線になると思っています。
インフレ対策優先
最近日本の専門家から、米国株価が下がりすぎているのでインフレには目をつぶって景気優先するのではないか?という意見を耳にします。今の見通しの立たないインフレに対して対策を緩めることは個人的に絶対ないと思います。インフレの意味するところは社会の断絶、貧しい人がより苦しくなり社会秩序が守れるでしょうか。アメリカもメキシコも少しの余裕もないと思います。
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