メキシコペソ 6月2週目 ひそかにメキシコペソ一人勝ち
日本株の大行進で、日本の一人勝ちとか何か極端な日本あげがネット上で流れています。しかし個人的には今回の株価上昇は政府指導による株価対策と自社株買い、プラス外国買いで、今まで放置されていた株が正規値に戻ったぐらいかと思っています。結局のところ貿易赤字は継続中だし、日本を牽引するような産業も、かつてと比べるとインパクトが弱いと思います。それとアニメ以外の日本自体の認知度は底まで落ちているので、存在感の回復がない限り日本復活は厳しいと思っています。
それはさておき、今回の株高はありがたい限りです。
久しぶりの日本の記事
メキシコの経済誌で日本を見ることは珍しいです。株が下がったとか為替介入したとかぐらいしか目にすることがなく、中国20に対して日本1ぐらいの割合だと思います。
今回の記事は、日本の精米がメキシコへ輸出解禁になったとのことです。
日本との貿易額は日本からメキシコ1.2兆円、メキシコから日本0.6兆円ぐらいの推移(アメリカの10%以下)。精米は恐らく1億円にも満たない程度で、記事になること自体疑問なのですが、写真を見てもっと疑問。どうみても違和感あるので、よく見ると新華社提供で納得しました。日本の記事に中国の写真が使われる、まさに今の日本の立ち位置を象徴しているようで残念です。
大統領選始まる
来週、AMLOの政党、MORENA( Movimiento Regeneración Nacional 国民再生運動)の大統領選挙立候補の締め切りだそうです。経済的には大成功しているだけに下評判はMORENA優位なのですが、あっさり内紛とか何が起こるか分かりません。AMLOは2024年末までには政府負債を整理して、綺麗に次へ引き継ぐと豪語していますが、財政は上手くいきそうです。心配なのは国内の殺し合いが激化することだけです。政情不安で資本が逃げるなんて愚かなことが起こらないことを祈ります。
インフレ6%割れも食品とサービス価格は高止まり
5月インフレ率が発表されました。結果は
年間インフレ率 5.84% (前月6.25%)
年間コアインフレ率 7.39% (前月7.49%)
と4月のインフレ率と比べて鈍化していました。インフレ率は21ヶ月ぶりの低水準でした。
但し、商品価格は9.04%(前月9.16%)、サービス価格は5.43%(前月5.44%)と横ばいで、好調な労働市場を考えると引き続きインフレ圧力は根強いです。ほとんどのアナリストは依然としてメキシコ中銀のインフレ目標にはほど遠く、2023年内は11.25%の金利が維持されると予想してます。また個人の意見ですが、仮に来週のFOMCで0.25利上げが決定しても、メキシコは6月22日政策金利会合で追加利上げをする可能性は非常に少ないと思います。しかしながらアメリカとメキシコの金利差が減ってもペソが優勢であることは変わらないと思います。
来週、アメリカCPIとFOMCが重なりますが、個人の予想としては0.25ポイントの利上げと予測しています。来週のCPIにもよりますが、根強いサービス価格と労働市場、カナダの利上げ、それとパウエル議長が何度も繰り返しているインフレ>経済対策。これらの理由で利上げ、少なくとも6月様子見して7月利上げなんて生ぬるいことは論外かと思います。結局CPI次第ですが、痛くない範囲でドル円ロングしてみようと思います。
トピック
通貨:
先週17.56から週末は17.28
FOMC次第で17.00も視野
急速なペソ高に輸出業者と送金受取人は打撃
CITIは年末ドルペソレートを19から18.70へ上方修正
メキシコ株:
週末株価は53.2から54.5
2023年末の株価楽観値は61、目標は56
メキシコ中銀:
現在11.25%:次回の政策金利は6月22日
5月18日の政策金利会合は2年ぶりの利上げなし
メキシコ中銀副総裁は11月に利下げの可能性を示唆
年末目標金利は11.25%
第1四半期のGDPの年間成長率は3.7%、6四半期連続成長
メキシコ中銀は今年のGDP予想を1.6%から2.3%へ引上げ
AMLOは2023年と2024年の経済成長率を4%と宣言
BBVAは2023年経済成長を3%以上と予測
OECDは2023年経済成長を2.6%と予測
金融:
4月商業銀行の融資残高は8.8兆ペソ、前年同月比5.1%増加
消費者物価指数:
5月の年間インフレ率は5.89%、前月6.25%より0.36改善
5月のコアインフレ率は7.39%、前月7.67%より0.28改善
消費者信頼感は6ヶ月ぶりに4月に悪化 44.1で前月より-0.3、前年同月-0.2
個人消費は1月前月比0.5%、2月前月比0.3%増加
BBVA:3月個人消費は前月比0.7%増加
貿易収支・経常収支:
貿易収支 4月:-15.1億ドル、3月:11.7億ドル
輸入額 4月:477億ドル、3月:523億ドル
輸出額 4月:462億ドル、3月:535億ドル
第一四半期の経常収支は142億ドルの赤字
4月送金額は53億ドル 前月より1.1億ドル増加
今年の送金額累計は190億ドルで前年より18億ドル増加
小売り売上:
3月個人消費は前月比0.1%、前年同月比4.5%増加も成長鈍化
ANTADの4月売上は前月比6.2%、前年同月比9.2%
3月サービス売上高は前月比0.8%減少
雇用・失業率:
4月失業率は2.8%、前月より悪化も極めて良好
第1四半期の労働人口は6010万人、前年同期より200万人増加
賃金は4.3%、実質賃金は3.8%増加
製造業・自動車:
5月の自動車販売は10.7万台、前月より1.0万台増加
5月自動車生産台数は34.4万台、前月より5万台増加
自動車産業は好調維持
4月の製造業受注指数は52.8 限月より0.8増加
5月の製造業景況感指数は53.3で前月比0.2上昇
5月の製造業受注は53.6で34ヶ月連続50越え
鉱業:
食品:
エネルギー:
メキシコバスケットは66.52ドルで6ドル上昇
生産コスト上昇によりPEMEXの石油投資減速
OPEC原油減産もメキシコは生産枠を維持
LPガスが2年で33%下落
USMCA:
4月はカナダに抜かれメキシコはアメリカ第2位の貿易相手
1~4月の累計では1位
エネルギー国有化は引き続き論点
北米半導体協議
USMCA以外:
観光業:
AMLO、航空安全カテゴリー1回復のため米国運輸長官と協議
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