メキシコペソ 6月1週目 大統領選で不安指数拡大

財務省が4~5月に為替介入9.7兆円を投入したという記事がありました。それでドル円157円とか投資家の養分、まあ自分もおこぼれを頂いているので複雑です。円安の終焉が見えません。

今週ドルペソが16.60から17.00越えと大きく下がりましたが、大統領選による不安売りとの見方が強そうです。選挙後は、万一現実主義的な野党のガルベス候補者が当選した場合はペソ買いにつながる気がしますが、大方の予想通りシェインバウム候補者が当選の場合は短期的にペソ売りになると思います。

大統領選後の投資的注目

今週、ドルに対してペソは下落しましたが選挙戦のボラティリティと報道されています。バークレイズのアナリストは「投資家はシェインバウム氏がAMLO 2.0政権につながる可能性があると信じている」述べていますが、現在のUSMCA協調路線と北米ブロック経済が確立されれば今以上にペソがすごいことになるとは思っています。
あまりよく分かっていない自分ですら、シェインバウム候補者が掲げる
・環境主義
・フェミニズム
・年金制度
・最低賃金
・エネルギー

これらの政策が過度にすすめられると恐ろしい結末にしかならないと思っています。もしMORENAが議会の過半数を占めるようになれば、行きすぎをストップできるのか不安です。それから(ラテンアメリカ以外と積極的に関わらない)孤立主義外交からの変節、(トランプ大統領に起因する)USMCAの瓦解など、ペソ崩壊を伴う外交的インパクトは想像したくないです。

個人的にはシェインバウム候補者の当選は動かないとしても、議会はMORENAが過半数をギリギリ割れた方が良さそうに思っています。

ワーキングプア指数改善

ワーキングプア指数とは、社会開発政策評価国家評議会(CONEVAL) がINEGIの公開情報を元に労働所得が食料バスケットの貨幣価値を下回る人口の割合を推計したものです。
この指数が統計以来最高の35.8%、2017年ペニャ・ニエト大統領のときは42.5%からかなり改善していることをAMLOは自画自賛していました。

恐らく次期政権でも最低賃金引き上げの連続で貧困撲滅を政策の焦点に当ててくると思われます。AMLOは最低賃金を毎年20%程度引き上げることを目標にしていましたが、これはサービス価格の高止まりを招き、上手くハンドル切らないとインフレ加速させるので副作用が大きいと思います。
ただ最低賃金上げないとアメリカへの出稼ぎが加速するだけなので、どっちにしても判断が難しいと思います。

トピック

通貨:
先週16.70から週末は17.04
次期大統領選挙への警戒感からペソが売られる

年末ドルペソ予想
財務省・・・17.80
メキシコ中銀・・・18.53
シティ・・・17.90 (18.20から下方修正)

メキシコ株:
週末株価は56.4から55.0

メキシコ中銀:
現在政策金利11.00%:次回の政策金利は6月28日
5月10日の政策金利会合は全会一致で金利据置

次回政策金利会合の立場
 利下げ賛成:メヒア副総裁
 日和見的利下げ賛成:セハ総裁
 利下げ反対:エスピノーサ副総裁、ボルハ副総裁
 不明:ヒース副総裁

ヒース副総裁:年末政策金利10.50%を容認(残り5回中2回の利下げ)
INEGI:2024年4月の経済成長率は0.3%増、年率で1.6%

メキシコ2024年末経済成長率予想
3.0%・・・メキシコ財務省
2.5%・・・OECD、BBVA
2.4%・・・IMF
2.3%・・・メキシコ中銀、ムーディーズ
2.2%・・・シティ

金融:
第一四半期の総利益は693億ペソで4年ぶりで前年同期比より減少
4月の消費者信用残高は1兆5,040億ペソ、前年同期と比べて13.9%増加

消費者物価指数:
4月の年間インフレ率は4.65%、前月4.42%より0.23悪化
4月の年間コアインフレ率は4.37%、前月4.55%より0.18改善
5月中間の年間インフレ率は4.78%
5月中間の年間コアインフレ率は4.31%
野菜果物が19.99%上昇も電力が21.45%の大幅下落

メキシコ中銀:年末年間インフレ率を3.6%と予測
シティ:年末年間インフレ率を4.1%と予測

貿易収支・経常収支:
2024年度貿易収支は累計64.5億ドルの赤字
貿易収支 4月:-37.5億ドル、3月:21.0億ドル、2月:-5.8億ドル
輸入額 4月:550.7億ドル、3月:486.5億ドル、2月:513.1億ドル
輸出額 4月:513.1億ドル、3月:507.5億ドル、2月:507.2億ドル

3月送金額は52.1億ドル ドルベースでは46ヶ月連続増加
1~3月累計は141.5億ドル 前年同期139.3億ドルと比べ1%増加
ペソ換算で考えれば前年比15%減少

小売り売上:
ANTAD:3月までの累計小売り売上3663億ペソ、前年同期比6.9%増加
4月の消費者信頼感指数は47.3で楽観的

雇用・失業率:
INEGI:3月失業率は過去最低更新の2.3%、前月より失業者が9.7万人減少
INEGI:第1四半期の失業率は過去最低更新の2.5%
IMSS:メキシコの平均賃金は日給573.4ペソ

製造業・自動車:
4月の輸出台数は29.0万台で年間累積111.5万台で前年同期比12.1%増加
4月の生産台数は35.9万台で年間累積128.6万台で前年同期比5.7%増加
自動車産業は2023年の生産台数370万台から2024年400万(韓国、ドイツレベル)以上と予測、そのうち輸出は300~350万台を想定

4月の景況感は前年同月比54.2%で好況を維持

食品:
穀物不作により穀物輸入が前年同期比20%で過去最大
一次産業従事者は600万人で労働人口の10%、前年より20万人減少

エネルギー:

メキシコバスケットは72.46から72.46

USMCA:
エネルギー国有化は引き続き論点
米国遺伝子組換えトウモロコシの使用を禁止するメキシコを提訴

USMCA以外:

観光業:

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